コニシ Research Memo(7):2023年3月期は7.3%の増収を予想
[22/12/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
1. 2022年3月期の業績見通し
コニシ<4956>の2023年3月期の業績は、売上高122,000百万円(前期比7.3%増)、営業利益6,950百万円(同4.8%減)、経常利益7,250百万円(同7.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益9,600百万円(同86.9%増)と予想している。上期の業績が、減益ながら計画を上回ったことから、期初予想と変わっていない。下期の注目点は、原材料価格の動向と製品値上げの浸透度だろう。予想外に原材料価格が落ち着く一方で、製品への価格転嫁が進めば業績が上振れる可能性はあるだろう。今後の原材料価格の動向は注視したい。
セグメント別では、ボンドは売上高67,200百万円(同5.6%増)、営業利益4,000百万円(同13.2%減)、化成品は売上高34,400百万円(同8.0%増)、営業利益1,170百万円(同18.3%増)、工事事業は売上高20,200百万円(同12.1%増)、営業利益1,750百万円(同4.5%増)と予想している。ボンドは増収にはなるものの、原材料価格上昇分をすべて価格転嫁するまでは至らず減益の見込みだ。化成品は自動車生産台数の影響を受けるが、上期好調の影響で増益を維持する見込みである。 工事事業は前年の大型工事案件の反動はあるが、足元の受注を消化する。
2. 設備投資額及び減価償却費
2023年3月期の設備投資額は3,598百万円、減価償却費は2,057百万円が見込まれているが、一部の設備投資は2024年3月期へずれ込む可能性が高い。今後3年間の主な設備投資は以下のようになっている。
(1) コニシ栃木工場:新製造所・物流倉庫(2025年4月稼働予定 総額約50億円)
「水性形接着剤」の東日本エリアへの拡販を強化するため、製造所を新設する。
・生産能力の増強(現生産能力の約1.5倍)
・生産工程、充填、入出荷作業の自動化(省人化によるコスト削減)
・水性形接着剤の生産2拠点化(滋賀・栃木)によるBCP対策
・東日本エリアユーザーへの製品供給体制の強化(物流コスト削減)
(2) 「ウォールボンド工業:新工場・物流倉庫」の建設(2024年4月稼働予定 総額約28億円)
「壁紙施工用接着剤」 の拡販を強化する
・老朽化対策(現工場は開設後50年が経過)
・生産工程の効率化、入庫作業の自動化(省人化によるコスト削減)
(3) 新基幹システムの構築(2025年4月導入予定 総額約23億円)
現基幹システムは導入後10年が経過しており、現在の課題・ビジネス環境等を考慮した、効率的・合理的なシステムへの移行を計画している。
3. 新しい中期経営計画について
同社では、2021年3月期を最終年度とする「新中期経営計画2021」を推進してきたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、この目標を一旦白紙とした。その後新しい経営計画は発表されていないが、2025年が同社の創業100周年に当たることから、この時期に向けて近いうちに新しい中期経営計画が発表される可能性が高いと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<NS>
1. 2022年3月期の業績見通し
コニシ<4956>の2023年3月期の業績は、売上高122,000百万円(前期比7.3%増)、営業利益6,950百万円(同4.8%減)、経常利益7,250百万円(同7.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益9,600百万円(同86.9%増)と予想している。上期の業績が、減益ながら計画を上回ったことから、期初予想と変わっていない。下期の注目点は、原材料価格の動向と製品値上げの浸透度だろう。予想外に原材料価格が落ち着く一方で、製品への価格転嫁が進めば業績が上振れる可能性はあるだろう。今後の原材料価格の動向は注視したい。
セグメント別では、ボンドは売上高67,200百万円(同5.6%増)、営業利益4,000百万円(同13.2%減)、化成品は売上高34,400百万円(同8.0%増)、営業利益1,170百万円(同18.3%増)、工事事業は売上高20,200百万円(同12.1%増)、営業利益1,750百万円(同4.5%増)と予想している。ボンドは増収にはなるものの、原材料価格上昇分をすべて価格転嫁するまでは至らず減益の見込みだ。化成品は自動車生産台数の影響を受けるが、上期好調の影響で増益を維持する見込みである。 工事事業は前年の大型工事案件の反動はあるが、足元の受注を消化する。
2. 設備投資額及び減価償却費
2023年3月期の設備投資額は3,598百万円、減価償却費は2,057百万円が見込まれているが、一部の設備投資は2024年3月期へずれ込む可能性が高い。今後3年間の主な設備投資は以下のようになっている。
(1) コニシ栃木工場:新製造所・物流倉庫(2025年4月稼働予定 総額約50億円)
「水性形接着剤」の東日本エリアへの拡販を強化するため、製造所を新設する。
・生産能力の増強(現生産能力の約1.5倍)
・生産工程、充填、入出荷作業の自動化(省人化によるコスト削減)
・水性形接着剤の生産2拠点化(滋賀・栃木)によるBCP対策
・東日本エリアユーザーへの製品供給体制の強化(物流コスト削減)
(2) 「ウォールボンド工業:新工場・物流倉庫」の建設(2024年4月稼働予定 総額約28億円)
「壁紙施工用接着剤」 の拡販を強化する
・老朽化対策(現工場は開設後50年が経過)
・生産工程の効率化、入庫作業の自動化(省人化によるコスト削減)
(3) 新基幹システムの構築(2025年4月導入予定 総額約23億円)
現基幹システムは導入後10年が経過しており、現在の課題・ビジネス環境等を考慮した、効率的・合理的なシステムへの移行を計画している。
3. 新しい中期経営計画について
同社では、2021年3月期を最終年度とする「新中期経営計画2021」を推進してきたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、この目標を一旦白紙とした。その後新しい経営計画は発表されていないが、2025年が同社の創業100周年に当たることから、この時期に向けて近いうちに新しい中期経営計画が発表される可能性が高いと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<NS>