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ランドコンピュ Research Memo(1):成長分野のパッケージベースSI・サービスが売上高の3分の1まで拡大

注目トピックス 日本株
■要約

ランドコンピュータ<3924>は、2021年1月に創立50周年を迎えた独立系中堅システムインテグレータである。安定事業基盤のシステムインテグレーション・サービスとインフラソリューション・サービスに加え、成長分野と位置付けるパッケージベースSI・サービスが積極的なM&Aにより急拡大している。

1. 業績動向
2023年3月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比21.1%増の5,404百万円、営業利益が同52.0%増の449百万円、期初計画比では売上高が8.1%増、営業利益が45.2%と好決算であった。サービスライン別ではいずれも伸長したが、とりわけ積極的なM&Aを行っているパッケージベースSI・サービスの成長が著しく、売上高の3分の1を占めるまでとなった。利益面では、主にシステムインテグレーション・サービスの産業・流通分野において高付加価値案件が順調に進捗したことに加え、成長戦略の柱であるパッケージベースSI・サービスにおいて、デジタル・トランスフォーメーション(以下、DX)推進の中心であるSalesforce関連ビジネスの全社展開、高付加価値ビジネスであるSAP関連等が増収増益となった。

2023年3月期の連結業績は期初計画を据え置き、売上高で前期比11.5%増の10,700百万円、営業利益で同8.9%増の950百万円としている。売上高及び利益ともに過去最高を連続更新する見込みだ。通期予想を据え置いた理由として、同社はコロナ禍や世界的な半導体不足等による景気の先行き不透明感を挙げている。また、子会社の(株)NESCO SUPER SOLUTION(2023年1月1日より(株)テクニゲートへ商号変更。以下、テクニゲート)のオフィス移転や、同社とテクニゲートの関西事業所統合などの費用も見込んでいるようだ。しかしながら、2023年3月期第2四半期実績が計画を上回っていること、第4四半期(1〜3月)に売上計上が集中し、営業利益が偏重する傾向があることから、通期予想の達成はもちろん、上方修正の可能性も高いと弊社では見ている。

2. M&A戦略
同社は、2022年3月期より積極的なM&A戦略を展開しているが、同社が成長事業と位置付けるパッケージベースSI・サービスに関連した企業で、グループシナジーが発揮できるポテンシャルであることをM&Aの前提としている。この方針に基づき、2021年4月に(株)インフリーを子会社化した。子会社化により、同社のSAP売上高は69百万円(2021年3月期)から483百万円(2022年3月期)に大きく拡大し、2023年3月期も成長は続いている。シナジー効果を発揮するため、オフィスの統合などの改革を進めているほか、インフリーが開発した教育ツールなどのリソースをグループ内で共有することで、グループ全体のSAP関連ビジネスの拡大を目指している。また、2022年4月にはNESCO SUPER SOLUTIONを子会社化した。テクニゲートは、大手を中心とした直ユーザー取引を展開しており、これまで累計600社の導入実績を持つ。テクニゲートが有する知見を共有することで、同社が推進する直ユーザー取引拡大の進展が期待できる。

3. 成長戦略
同社は、安定成長事業であるシステムインテグレーション・サービスとインフラソリューション・サービスをベースに、成長事業と位置付けるパッケージベースSI・サービスを拡大することで成長を加速していく方針を掲げている。直近のトピックスとしては、2022年9月にジェネクサス・ジャパン(株)とソフトウェア開発パートナー契約を締結した。ローコード開発ツールである「GeneXus(ジェネクサス)」を活用することで、顧客企業のDXを支援する。「GeneXus」は世界50ヶ国以上、8,700社以上に導入されている。要件定義後のアプリケーションが自動生成されるため、開発コスト及び工期を大幅に削減できるうえ、バグの発生率が低く、システムそのものが老朽化しない。保守性も高く、インフラに依存しないため、劣化しにくいシステムを提供できることが特長だ。同社は、ローコード開発要員として、資格取得者を2023年3月期第2四半期末の11名から2025年3月期末までに100名に増加する計画だ。DX推進本部は、ローコード開発とクラウドネイティブ開発によりR&Dアジャイル開発の標準手法の確立を進めている。

■Key Points
・2023年3月期第2四半期の営業利益は計画を大幅に上回って着地。パッケージベースSI・サービスが売上高の3分の1を占める
・2023年3月期は期初計画を据え置いたものの、上方修正の可能性が高い
・ローコード開発ツールを活用し支援するために、ソフトウェア開発パートナー契約を締結

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)



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