バードマン Research Memo(2):市場規模がより大きなエンタメ市場への進出で企業価値の創出を目指す
[23/04/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*15:42JST バードマン Research Memo(2):市場規模がより大きなエンタメ市場への進出で企業価値の創出を目指す
■会社概要
1. 会社概要
企業価値や商品・サービスの価値を向上させるブランディングをはじめ、マスメディアに捉われないSNSを活用したマーケティング施策やデジタル・テクノロジーを駆使した新たな体験の創出などを手掛ける「マーケティング・トランスフォーメーション事業(MX事業)」を主軸とする。一方、2021年9月にはクリエイティブやデジタル・テクノロジーを駆使し、新進気鋭のアーティストやクリエイターと連携しながら新しいエンタメの形の創出を目指す「EX事業」を新設し、第一弾として7人組アーティスト「7ORDER」と2021年9月14日にグロースパートナーシップ契約を締結するなど、広告・プロモーション市場からエンターテインメント市場まで事業領域を拡張させ、既存のMX事業と新設のEX事業のシナジー創出に取り組んでいる。
2022年6月期はEX事業を開始した初年度となったが、売上高1,289百万円と全社売上高3,367百万円の38.3%を占めており、開始してまだわずかな期間だが、7ORDERのライブ出演、グッズ販売、ファンクラブ会費等が伸長することで全社業績への影響が大きくなっており注目される。また、2022年7月には国内に限定せず海外も含めたアーティストと新たなエンターテインメントの形を創出し、EX事業を一段と強化する目的でエンタメネクストを子会社として設立、EX事業のなかに「エンタメネクスト」として別開示している。
2. 沿革
Birdman<7063>は、広告代理店出身の現代表取締役社長CEOである伊達晃洋氏が、店頭やイベントを軸としたセールスプロモーションサービスの提供を目的として、前身となる(株)エードットを2012年7月に設立したことに始まる。その後、サービスや商品の広報活動の支援を目的としたPRサービスも手掛けるようになった。同社は2019年3月の東証マザーズ上場時は、エードットとして事業活動を行っており、その傘下に6つの連結子会社が存在する形だったが、その後に連結子会社を統合し、2021年2月22日付で社名を現在の「Birdman」に変更した。
3. 事業内容
同社の2022年6月期における事業別売上構成比を見ると、主力のMX事業が61.7%、EX事業が38.3%となっており、現時点ではMX事業が売上高の過半を占めている。また、EX事業の内数として、同社では2023年6月期より「エンタメネクスト」として売上高を別途、開示している。同社ではMX事業とEX事業で利益と実績を積み上げ、エンタメネクストでエンターテインメント領域の新規事業を推進する方針を打ち出しており、今後の展開や業績寄与が注目される。エンタメネクストを加えたEX事業は、数年後には既存のMX事業と同等レベルの事業規模を目指しており、同社の収益構造は広告代理店業とエンターテインメント業の両輪へと変化していくことが想定される。そして、最終的にはMX事業、EX事業、エンタメネクストの連携が進み、各自の事業をさらに成長させ、クライアントへのサービス、アーティストの獲得、ファンへの価値提供など、事業間のシナジーを加速させていくことが同社の狙いである。
(1) MX事業
MX事業では、顧客企業のブランド価値や商品・サービス価値を高めるため、一般消費者へのイメージアップや認知度、購買意欲の向上等を図るための戦略構築やソリューションを提供している。そのために、消費者の顕在化したニーズだけではなく、潜在的なニーズを発見し、大手広告代理店と異なりメディアに捉われない独創的な提案を実行。さらにはデジタル・テクノロジーを駆使した新しいソリューションの提供を目指している。また、同社ではコンサルティング会社、広告会社、制作会社などが縦割りで進めていた戦略構築からクリエイティブ制作や販促プロモーションまでのビジネスを内製化により、一気通貫することで差別化を図っている。これまでに世界レベルの広告、クリエイティブアワードを400以上を受賞するなど大きな実績を上げており、国内外で受賞歴の多い実績のあるクリエイターが多数所属している。
(2) EX事業
同社では新規事業として2021年9月よりEX事業を開始している。これにより、同社はそれまで手掛けてきた広告・プロモーション市場からエンターテインメント市場まで事業領域を拡張させ、「エンターテインメントのDX」を掲げて事業の深化を狙っている。EX事業の開始にあたり、同社では「7ORDER」と2021年9月14日にアーティスト活動に関するグロースパートナーシップ契約(広告・エンターテインメント業界の慣習となっている「年間契約/クール契約」ではなく、利益を一定の比率で按分する「レベニューシェア型」の契約)を締結している。なお、7ORDERは2018年にジャニーズ事務所を卒業した、安井謙太郎、真田佑馬、諸星翔希、森田美勇人、萩谷慧悟、阿部顕嵐、長妻怜央が、2019年5月に始動した7人組のプロジェクトで、オリコン2021年上半期の新人ランキングでは、Ado、TREASUREに続き3位を獲得するなど、注目を集めているグループである。
また、2022年7月1日にはエンターテインメント事業に特化した子会社であるエンタメネクストを設立しており、国内に限らず、海外も含めたアーティストとともに新たなエンターテインメントの形を創出し、EX事業のさらなる強化を狙っている。具体的には、日本、韓国、中国出身のメンバーから構成される韓国発の多国籍アーティストグループ「BLANK2Y(ブランキー)」とグロースパートナーシップ契約を締結し、これにとどまらず、今後も様々なアーティストと同契約を推進する計画だ。また、グロースパートナーシップ契約以外にも、日本国内におけるタレント活動のプロデュース業務、ライブ、コンサート、イベントの企画、運営、広告業務、さらに5D LIVE(「さわれるライブ」というコンセプトで同社が打ち出したもので、立体撮影した映像をスマートフォン上でまるで触って動かしているように自由な角度から観られるような新しいライブ体験が得られるようなイメージ)も今後、幅広く展開していくとみられる。
4. 経営陣
同社創業者で代表取締役社長CEOである伊達晃洋氏(1984年11月7日生、38歳)は、島根県立松江東高校を卒業後、2005年に広告代理店の(株)アーヴァンネット南十字社へ入社。その後、2回の広告代理店への転職を経て、当時27歳の2012年7月にエードットを設立した。社内の取締役メンバーは、創業者である代表取締役社長CEO伊達晃洋氏と、公認会計士・税理士で監査法人トーマツやリクルート出身の取締役CFO兼CHRO三橋秀一氏、電通ヤング・アンド・ルビカムやGROOVEX出身の取締役CCO布施優樹氏、エアークローゼットやビューティナビ出身の取締役COO伊藤統彦氏の4名から構成されており、それ以外は社外取締役となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
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■会社概要
1. 会社概要
企業価値や商品・サービスの価値を向上させるブランディングをはじめ、マスメディアに捉われないSNSを活用したマーケティング施策やデジタル・テクノロジーを駆使した新たな体験の創出などを手掛ける「マーケティング・トランスフォーメーション事業(MX事業)」を主軸とする。一方、2021年9月にはクリエイティブやデジタル・テクノロジーを駆使し、新進気鋭のアーティストやクリエイターと連携しながら新しいエンタメの形の創出を目指す「EX事業」を新設し、第一弾として7人組アーティスト「7ORDER」と2021年9月14日にグロースパートナーシップ契約を締結するなど、広告・プロモーション市場からエンターテインメント市場まで事業領域を拡張させ、既存のMX事業と新設のEX事業のシナジー創出に取り組んでいる。
2022年6月期はEX事業を開始した初年度となったが、売上高1,289百万円と全社売上高3,367百万円の38.3%を占めており、開始してまだわずかな期間だが、7ORDERのライブ出演、グッズ販売、ファンクラブ会費等が伸長することで全社業績への影響が大きくなっており注目される。また、2022年7月には国内に限定せず海外も含めたアーティストと新たなエンターテインメントの形を創出し、EX事業を一段と強化する目的でエンタメネクストを子会社として設立、EX事業のなかに「エンタメネクスト」として別開示している。
2. 沿革
Birdman<7063>は、広告代理店出身の現代表取締役社長CEOである伊達晃洋氏が、店頭やイベントを軸としたセールスプロモーションサービスの提供を目的として、前身となる(株)エードットを2012年7月に設立したことに始まる。その後、サービスや商品の広報活動の支援を目的としたPRサービスも手掛けるようになった。同社は2019年3月の東証マザーズ上場時は、エードットとして事業活動を行っており、その傘下に6つの連結子会社が存在する形だったが、その後に連結子会社を統合し、2021年2月22日付で社名を現在の「Birdman」に変更した。
3. 事業内容
同社の2022年6月期における事業別売上構成比を見ると、主力のMX事業が61.7%、EX事業が38.3%となっており、現時点ではMX事業が売上高の過半を占めている。また、EX事業の内数として、同社では2023年6月期より「エンタメネクスト」として売上高を別途、開示している。同社ではMX事業とEX事業で利益と実績を積み上げ、エンタメネクストでエンターテインメント領域の新規事業を推進する方針を打ち出しており、今後の展開や業績寄与が注目される。エンタメネクストを加えたEX事業は、数年後には既存のMX事業と同等レベルの事業規模を目指しており、同社の収益構造は広告代理店業とエンターテインメント業の両輪へと変化していくことが想定される。そして、最終的にはMX事業、EX事業、エンタメネクストの連携が進み、各自の事業をさらに成長させ、クライアントへのサービス、アーティストの獲得、ファンへの価値提供など、事業間のシナジーを加速させていくことが同社の狙いである。
(1) MX事業
MX事業では、顧客企業のブランド価値や商品・サービス価値を高めるため、一般消費者へのイメージアップや認知度、購買意欲の向上等を図るための戦略構築やソリューションを提供している。そのために、消費者の顕在化したニーズだけではなく、潜在的なニーズを発見し、大手広告代理店と異なりメディアに捉われない独創的な提案を実行。さらにはデジタル・テクノロジーを駆使した新しいソリューションの提供を目指している。また、同社ではコンサルティング会社、広告会社、制作会社などが縦割りで進めていた戦略構築からクリエイティブ制作や販促プロモーションまでのビジネスを内製化により、一気通貫することで差別化を図っている。これまでに世界レベルの広告、クリエイティブアワードを400以上を受賞するなど大きな実績を上げており、国内外で受賞歴の多い実績のあるクリエイターが多数所属している。
(2) EX事業
同社では新規事業として2021年9月よりEX事業を開始している。これにより、同社はそれまで手掛けてきた広告・プロモーション市場からエンターテインメント市場まで事業領域を拡張させ、「エンターテインメントのDX」を掲げて事業の深化を狙っている。EX事業の開始にあたり、同社では「7ORDER」と2021年9月14日にアーティスト活動に関するグロースパートナーシップ契約(広告・エンターテインメント業界の慣習となっている「年間契約/クール契約」ではなく、利益を一定の比率で按分する「レベニューシェア型」の契約)を締結している。なお、7ORDERは2018年にジャニーズ事務所を卒業した、安井謙太郎、真田佑馬、諸星翔希、森田美勇人、萩谷慧悟、阿部顕嵐、長妻怜央が、2019年5月に始動した7人組のプロジェクトで、オリコン2021年上半期の新人ランキングでは、Ado、TREASUREに続き3位を獲得するなど、注目を集めているグループである。
また、2022年7月1日にはエンターテインメント事業に特化した子会社であるエンタメネクストを設立しており、国内に限らず、海外も含めたアーティストとともに新たなエンターテインメントの形を創出し、EX事業のさらなる強化を狙っている。具体的には、日本、韓国、中国出身のメンバーから構成される韓国発の多国籍アーティストグループ「BLANK2Y(ブランキー)」とグロースパートナーシップ契約を締結し、これにとどまらず、今後も様々なアーティストと同契約を推進する計画だ。また、グロースパートナーシップ契約以外にも、日本国内におけるタレント活動のプロデュース業務、ライブ、コンサート、イベントの企画、運営、広告業務、さらに5D LIVE(「さわれるライブ」というコンセプトで同社が打ち出したもので、立体撮影した映像をスマートフォン上でまるで触って動かしているように自由な角度から観られるような新しいライブ体験が得られるようなイメージ)も今後、幅広く展開していくとみられる。
4. 経営陣
同社創業者で代表取締役社長CEOである伊達晃洋氏(1984年11月7日生、38歳)は、島根県立松江東高校を卒業後、2005年に広告代理店の(株)アーヴァンネット南十字社へ入社。その後、2回の広告代理店への転職を経て、当時27歳の2012年7月にエードットを設立した。社内の取締役メンバーは、創業者である代表取締役社長CEO伊達晃洋氏と、公認会計士・税理士で監査法人トーマツやリクルート出身の取締役CFO兼CHRO三橋秀一氏、電通ヤング・アンド・ルビカムやGROOVEX出身の取締役CCO布施優樹氏、エアークローゼットやビューティナビ出身の取締役COO伊藤統彦氏の4名から構成されており、それ以外は社外取締役となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
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