日本リビング保証 Research Memo(5):卓越した新商品企画開発力とスピードが企業成長のエンジン(2)
[23/09/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*12:05JST 日本リビング保証 Research Memo(5):卓越した新商品企画開発力とスピードが企業成長のエンジン(2)
■会社概要
4. 企業ビジョン“We are a WorthTech Company.”
日本リビング保証<7320>では様々な保証サービス商品を展開してきたなか、“どういうサービスを提供する会社なのか”説明しにくい状況になっているといった悩みを5年ほど抱えていたが、安達社長が中心となり「新しい企業ビジョンと成長戦略」づくりに取り組んでいる。同社の強みや目指す方向などすべて洗い出し、会社のパーパス(存在意義)、目指す方向性や会社のカタチ(事業ポートフォリオや組織)についてリデザインし、最終的に纏まったのが“We are a WorthTech Company.”である。
2009年「住宅設備の延長保証サービス」を業界初で提供して以来、同社は住宅の価値を高めるオンリーワンのサービスを提供してきた。デジタル革命などで商品・サービスが高度化・複雑化するなか、「確かな価値」に対するニーズが高まっている。そのような時代を先取りするため、同社では「独創的なリアルとデジタルのサービスで、暮らしの資財価値を最大化する“WorthTech Company”」として企業ブランドをリブランディングすることとなった。
「資財価値を最大化する」には、従来の2つの事業(HomeworthTech事業とExtendTech事業)が包含されており、より高い視座からの価値提供の表現になっている。何故、「Worth=資財価値」というワードを使っているのかを同社に確認したところ、「Valueだと安っぽい、お値打ち感がでてしまう。価値のあるモノをさらに評価するということでWorthにした」と回答が返ってきた。
(1) 新たなスローガン“To worthful life”
新たなスローガン“To worthful life”は従来のスローガン“100年の価値を、すべての住まいに。”をさらに昇華させた格好となっている。同スローガンをもとに「価値あふれる暮らしの実現」を同社の合言葉としている。
(2) 新たなMISSION“独創的なリアルとデジタルのサービスで、暮らしの資財価値を最大化する”
(3) 新たなVISION“変わらない価値を、暮らしのすべてに”
新たなMISSIONやVISIONには、これまでコア事業領域としてきた住宅領域でのビジネス展開に限らず、「新たな領域への挑戦」の強い意思が感じられる。また、「リアルとデジタル」にこだわっており、保証サービス業者として、手段であるリアル(点検・メンテナンス)とデジタル(電子マネーや決済アプリなどのFinTech)まで踏み込んでいることが高く評価できる。
(4) 提供する価値
同社の強みである「保証」「金融」「オペレーション」の3つのビジネスソリューションをデジタルアップデート(デジタル技術で融合)して暮らしの資財価値を最大化する。具体的には、モバイルアプリ「おうちマネージャー」(2021年10月リリース)はエンベデッド・ファイナンス(組込型金融)として、各住宅事業者専用の積立制度・決済インフラを提供している。
同社が提供するソリューションのイメージ
この企業ビジョンには秀逸なキーワードがちりばめられており、同社の真意が見えてくる。同社を大局的かつ長期的視点から俯瞰していることが窺える。この企業ビジョンなら少なくとも2030年までの8年間は十分通用すると弊社では考えている。
5. 事業セグメントの再定義と事業名称の変更
企業ブランドのリブランディングに伴い、事業セグメントについても、「おうちのトータルメンテナンス事業」と「BPO事業」を、それぞれ「HomeworthTech事業」と「ExtendTech事業」に改称し、主要2事業に再編した。
事業名称の変更については、BPO事業(旧名称)は、業務委託=下請けの印象が強く、実際に提供している価値(資財価値の最大化)とギャップが生じており、ギャップ解消のために改称したと聞いている。
また、2つの事業名称に“Tech”を使ったのは、今後テクノロジー(デジタル)を生かしたソリューション提供を強みにしていきたいと考えており、世の中には色々なワード(FinTech、ワランテック、プロップテック)があるが、既存のワードではなく新しい事業名称を選んだようである。また、新事業名称“Extend”は「延長保証」という意味で、すべての保証サービスを延長していこうとの意図が窺える。
(1) HomeworthTech事業(旧:おうちのトータルメンテナンス事業)
住宅・不動産領域に特化し、住宅の価値を高めるという視点で開発したユニークなサービスを提供する。様々なニーズにマッチするサービスを通じて、顧客企業(住宅事業者など)の事業戦略の実現を支援する。
(2) ExtendTech事業(旧:BPO事業)
住宅・不動産領域にとどまらず、幅広い分野に対してサービスを積極的に展開する。ExtendTech事業では、既に4つの新規領域(モビリティ、サイバー、音楽機器、電子端末)で保証サービスを開始している。
国内ではカーボンニュートラルの実現に向け、EV/PVの普及が加速しており、サステナブルな社会の実現に向け、機器の新規設置だけでなく、その管理や再利用にも注目が集まっており、住宅用再生可能エネルギー設備である、太陽光パネル、パワーコンディショナー、蓄電池の保証に加えて、EV関連として充電設備に対する長期保証サービスも提供が始まり、EV/PV関連機器をオールカバーで保証引受が可能となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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■会社概要
4. 企業ビジョン“We are a WorthTech Company.”
日本リビング保証<7320>では様々な保証サービス商品を展開してきたなか、“どういうサービスを提供する会社なのか”説明しにくい状況になっているといった悩みを5年ほど抱えていたが、安達社長が中心となり「新しい企業ビジョンと成長戦略」づくりに取り組んでいる。同社の強みや目指す方向などすべて洗い出し、会社のパーパス(存在意義)、目指す方向性や会社のカタチ(事業ポートフォリオや組織)についてリデザインし、最終的に纏まったのが“We are a WorthTech Company.”である。
2009年「住宅設備の延長保証サービス」を業界初で提供して以来、同社は住宅の価値を高めるオンリーワンのサービスを提供してきた。デジタル革命などで商品・サービスが高度化・複雑化するなか、「確かな価値」に対するニーズが高まっている。そのような時代を先取りするため、同社では「独創的なリアルとデジタルのサービスで、暮らしの資財価値を最大化する“WorthTech Company”」として企業ブランドをリブランディングすることとなった。
「資財価値を最大化する」には、従来の2つの事業(HomeworthTech事業とExtendTech事業)が包含されており、より高い視座からの価値提供の表現になっている。何故、「Worth=資財価値」というワードを使っているのかを同社に確認したところ、「Valueだと安っぽい、お値打ち感がでてしまう。価値のあるモノをさらに評価するということでWorthにした」と回答が返ってきた。
(1) 新たなスローガン“To worthful life”
新たなスローガン“To worthful life”は従来のスローガン“100年の価値を、すべての住まいに。”をさらに昇華させた格好となっている。同スローガンをもとに「価値あふれる暮らしの実現」を同社の合言葉としている。
(2) 新たなMISSION“独創的なリアルとデジタルのサービスで、暮らしの資財価値を最大化する”
(3) 新たなVISION“変わらない価値を、暮らしのすべてに”
新たなMISSIONやVISIONには、これまでコア事業領域としてきた住宅領域でのビジネス展開に限らず、「新たな領域への挑戦」の強い意思が感じられる。また、「リアルとデジタル」にこだわっており、保証サービス業者として、手段であるリアル(点検・メンテナンス)とデジタル(電子マネーや決済アプリなどのFinTech)まで踏み込んでいることが高く評価できる。
(4) 提供する価値
同社の強みである「保証」「金融」「オペレーション」の3つのビジネスソリューションをデジタルアップデート(デジタル技術で融合)して暮らしの資財価値を最大化する。具体的には、モバイルアプリ「おうちマネージャー」(2021年10月リリース)はエンベデッド・ファイナンス(組込型金融)として、各住宅事業者専用の積立制度・決済インフラを提供している。
同社が提供するソリューションのイメージ
この企業ビジョンには秀逸なキーワードがちりばめられており、同社の真意が見えてくる。同社を大局的かつ長期的視点から俯瞰していることが窺える。この企業ビジョンなら少なくとも2030年までの8年間は十分通用すると弊社では考えている。
5. 事業セグメントの再定義と事業名称の変更
企業ブランドのリブランディングに伴い、事業セグメントについても、「おうちのトータルメンテナンス事業」と「BPO事業」を、それぞれ「HomeworthTech事業」と「ExtendTech事業」に改称し、主要2事業に再編した。
事業名称の変更については、BPO事業(旧名称)は、業務委託=下請けの印象が強く、実際に提供している価値(資財価値の最大化)とギャップが生じており、ギャップ解消のために改称したと聞いている。
また、2つの事業名称に“Tech”を使ったのは、今後テクノロジー(デジタル)を生かしたソリューション提供を強みにしていきたいと考えており、世の中には色々なワード(FinTech、ワランテック、プロップテック)があるが、既存のワードではなく新しい事業名称を選んだようである。また、新事業名称“Extend”は「延長保証」という意味で、すべての保証サービスを延長していこうとの意図が窺える。
(1) HomeworthTech事業(旧:おうちのトータルメンテナンス事業)
住宅・不動産領域に特化し、住宅の価値を高めるという視点で開発したユニークなサービスを提供する。様々なニーズにマッチするサービスを通じて、顧客企業(住宅事業者など)の事業戦略の実現を支援する。
(2) ExtendTech事業(旧:BPO事業)
住宅・不動産領域にとどまらず、幅広い分野に対してサービスを積極的に展開する。ExtendTech事業では、既に4つの新規領域(モビリティ、サイバー、音楽機器、電子端末)で保証サービスを開始している。
国内ではカーボンニュートラルの実現に向け、EV/PVの普及が加速しており、サステナブルな社会の実現に向け、機器の新規設置だけでなく、その管理や再利用にも注目が集まっており、住宅用再生可能エネルギー設備である、太陽光パネル、パワーコンディショナー、蓄電池の保証に加えて、EV関連として充電設備に対する長期保証サービスも提供が始まり、EV/PV関連機器をオールカバーで保証引受が可能となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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