動物高度医療 Research Memo(7):動物高度医療の市場環境は良好
[23/09/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*13:17JST 動物高度医療 Research Memo(7):動物高度医療の市場環境は良好
■日本動物高度医療センター<6039>の成長戦略
1. 市場環境は良好
動物高度医療の市場環境は良好である。2022年の犬猫飼育頭数(出典:ペットフード協会「令和4年全国犬猫飼育実態調査」)は15,890千頭で、近年はおおむね16,000千頭の高水準で推移している。そして、ペットの家族化に伴って一世帯当たり動物病院支出額は増加基調であり、ペット保険の市場規模も2ケタ成長が続いている。ペットの医療は飼い主の住居に近い「かかりつけの動物病院」で診療(一次診療)を受けるのが一般的だが、飼い主の間に「ペットにも人間と同じように高度な医療を受けさせたい」として高度医療(二次診療)に対するニーズが一段と高まっている。
動物医療業界の総合的企業を目指す
2. 動物医療業界の総合的企業を目指す
同社は、良好な事業環境を背景に、成長戦略として拠点と連携病院数の拡大、人材の確保・育成、M&Aも活用した事業領域の拡大とグループシナジー創出を掲げ、動物医療業界の総合的企業を目指すとしている。
拠点拡大については、大阪病院の業務領域拡大として、放射線治療棟の増築と放射線治療機器の購入(投資額400百万円見込み)を計画している。放射線治療は、外科手術や化学療法に比べて患者動物への負担が少ない治療法としてニーズが高まっているが、近畿地区では動物の放射線治療を行える施設が限定的される。このほか、新病院の土地取得(投資額373百万円見込み)を計画している。全国的に動物高度医療ニーズが高まっているため、新病院開業を加速する方針だ。
M&Aも活用した事業領域の拡大では、子会社化したテルコムとのシナジー創出を推進する。2019年2月にリリースしたペット用活動量計「PLUS CYCLE(プラスサイクル)」については、営業活動がやや停滞しているため新たな営業政策・体制を検討している。
なお、成長戦略を加速させるため、コーポレートアイデンティティをリニューアルし、会社ロゴも変更した。創業時の基本理念である「人財育成・臨床研究・高度医療」については二次診療病院の3つの柱として残し、新たなMissionを「動物医療の「できない」をなくし、動物とともに生きる人の希望になる。」、Valueを「私たちが提供する価値〜専門性、人間味、一体感〜」とした。「365日、かかりつけ医のすぐそばにいる高度医療チーム」として、専門性と人間味を持ち、かかりつけ医と一体感のあるチームとなって、安心と納得の医療を提供し続けることを目指す。さらに、こうした理念に基づき、獣医療業界の発展への貢献、希少種の保全など、事業を通じたサステナビリティ経営も推進する方針である。
3. 株主還元
株主還元については、株主に対する利益還元を重要な経営課題の1つとして位置付けており、経営成績及び財政状態を勘案しながら株主への利益配分を検討することを基本方針としている。大阪病院開業によって大型設備投資が一段落したこともあり、2024年3月期は初配当(期末一括で1株当たり20.00円)を実施する計画である。
4. 弊社の視点
ペット市場及び動物高度医療の市場環境は良好であり、市場拡大余地も大きい。同社については、高度な医療サービスを提供できる総合動物病院としての強みを発揮して収益拡大が期待されることに加えて、2024年3月期に初配当を実施する計画であることも弊社は評価している。今後は、新規病院開業の加速やグループシナジー創出などによって新たな成長ステージに入る可能性が高く、その進捗に注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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■日本動物高度医療センター<6039>の成長戦略
1. 市場環境は良好
動物高度医療の市場環境は良好である。2022年の犬猫飼育頭数(出典:ペットフード協会「令和4年全国犬猫飼育実態調査」)は15,890千頭で、近年はおおむね16,000千頭の高水準で推移している。そして、ペットの家族化に伴って一世帯当たり動物病院支出額は増加基調であり、ペット保険の市場規模も2ケタ成長が続いている。ペットの医療は飼い主の住居に近い「かかりつけの動物病院」で診療(一次診療)を受けるのが一般的だが、飼い主の間に「ペットにも人間と同じように高度な医療を受けさせたい」として高度医療(二次診療)に対するニーズが一段と高まっている。
動物医療業界の総合的企業を目指す
2. 動物医療業界の総合的企業を目指す
同社は、良好な事業環境を背景に、成長戦略として拠点と連携病院数の拡大、人材の確保・育成、M&Aも活用した事業領域の拡大とグループシナジー創出を掲げ、動物医療業界の総合的企業を目指すとしている。
拠点拡大については、大阪病院の業務領域拡大として、放射線治療棟の増築と放射線治療機器の購入(投資額400百万円見込み)を計画している。放射線治療は、外科手術や化学療法に比べて患者動物への負担が少ない治療法としてニーズが高まっているが、近畿地区では動物の放射線治療を行える施設が限定的される。このほか、新病院の土地取得(投資額373百万円見込み)を計画している。全国的に動物高度医療ニーズが高まっているため、新病院開業を加速する方針だ。
M&Aも活用した事業領域の拡大では、子会社化したテルコムとのシナジー創出を推進する。2019年2月にリリースしたペット用活動量計「PLUS CYCLE(プラスサイクル)」については、営業活動がやや停滞しているため新たな営業政策・体制を検討している。
なお、成長戦略を加速させるため、コーポレートアイデンティティをリニューアルし、会社ロゴも変更した。創業時の基本理念である「人財育成・臨床研究・高度医療」については二次診療病院の3つの柱として残し、新たなMissionを「動物医療の「できない」をなくし、動物とともに生きる人の希望になる。」、Valueを「私たちが提供する価値〜専門性、人間味、一体感〜」とした。「365日、かかりつけ医のすぐそばにいる高度医療チーム」として、専門性と人間味を持ち、かかりつけ医と一体感のあるチームとなって、安心と納得の医療を提供し続けることを目指す。さらに、こうした理念に基づき、獣医療業界の発展への貢献、希少種の保全など、事業を通じたサステナビリティ経営も推進する方針である。
3. 株主還元
株主還元については、株主に対する利益還元を重要な経営課題の1つとして位置付けており、経営成績及び財政状態を勘案しながら株主への利益配分を検討することを基本方針としている。大阪病院開業によって大型設備投資が一段落したこともあり、2024年3月期は初配当(期末一括で1株当たり20.00円)を実施する計画である。
4. 弊社の視点
ペット市場及び動物高度医療の市場環境は良好であり、市場拡大余地も大きい。同社については、高度な医療サービスを提供できる総合動物病院としての強みを発揮して収益拡大が期待されることに加えて、2024年3月期に初配当を実施する計画であることも弊社は評価している。今後は、新規病院開業の加速やグループシナジー創出などによって新たな成長ステージに入る可能性が高く、その進捗に注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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