ステップ Research Memo(3):質の高い学習指導に定評、神奈川県内の公立トップ高校で圧倒的な合格実績(2)
[23/12/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*11:23JST ステップ Research Memo(3):質の高い学習指導に定評、神奈川県内の公立トップ高校で圧倒的な合格実績(2)
■ステップ<9795>の会社概要
こうした教師のプロ化による質の高い学習指導によって、2023年春の高校入試では神奈川県内の公立高校トップ19校で2,499名(前年比104名増)の合格者を輩出し、全塾中でトップの実績を残した。また、県内公立高校に合格したステップ生の42.8%(前年比横ばい)がトップ校に合格したことになる。トップ19校のうち17校(前年15校)で、塾別の合格者数トップとなっており、県内最難関校の横浜翠嵐高校についても2年ぶりにトップに返り咲いている。また県内特有の試験制度となる特色検査※1(記述型)を実施した19校のうち17校(同15校)で塾別最多合格者数を出すなど、神奈川県内の公立トップ校を目指す学習塾としてのブランド力もさらに強固なものとなっている。学習指導の質の高さもさることながら、過去の入試問題の分析・対策能力や的確な進学指導力などが高い合格実績につながっている※2。県内の競合大手としては、臨海セミナー、湘南ゼミナール(スプリックス<7030>の子会社)などがある。いずれも公立トップ19校の合格者数では、同社の半分以下の水準となっており、年々その差も開きつつある。さらに、「STEP」生徒の通学圏内で男女共学校として最難関と位置付けられる東京学芸大学附属高校(国立)でも、188名(同5名増、帰国生と内部進学除く。正規合格者132名は同総数266名のうち49.6%を占める)の合格者を輩出し、同社によると15年連続で全塾中トップの合格者数になったと言う。
※1 特色検査:神奈川県公立高校入試において、共通試験とは別に行う学力検査のこと。主に進学校が導入しており、問題を解決する粘り強い思考力等を把握するための科目横断型の試験。
※2 合格率も他を圧倒している。例えば、横浜翠嵐高校ではステップ生が74.2%だったのに対してその他受験者は48.7%と20%以上の開きがあった。
一方、現役高校生向けの高校生部門に関しても、2023年春の大学受験合格者数は国公立大学で324名(前年比17名増)、早慶上智大学で460名(同8名減)、MARCH及び東京理科大学で1,992名(同34名増)となり、延べ合計では2,776名(同43名増)と過去最高を更新した。最難関の東京大学合格者数は8名(同5名減)と減少したものの、継続して現役高校生での合格者を輩出している。これら合格者の大半は公立高校生であり、公立高校から難関大学に現役合格できる塾としてのブランド力は年々高まっている。以前は高校1年生の入塾生の大半が中学部門のステップ生で占めていたが、最近はステップ生以外の入塾希望者も増加傾向にあり、4月時点で早々に定員に達する校舎もあるほどだ。
同社が高い合格実績を残し続けている要因として、教務力の高さに加えてチューター制度が有効に機能していると考えられる。チューターとは、高校生の学習や進路、悩みなどの相談を受け、個人に合わせた学習計画や合理的な受験作戦を提案するなど的確なアドバイスを行うスタッフである。同社では高校生部門の各校舎に専任のチューターを1校当たり2〜8名配属しており、受験への不安を抱える生徒にとって良きアドバイザーとなっている。同社はチューターの機能を、小中学生部門の校舎でも数年前から導入し、窓口業務とチューターの機能を果たすスクールキャストと呼ばれる正社員スタッフを増員している。
(2) ドミナント展開と口コミ情報による効率的なマーケティング戦略
同社は県内の湘南地区や中西部において既に揺るぎないブランド力と業界シェアを確立しており、横浜市内でも計画的にスクールを開設しシェアを拡大している。今後は横浜市内での着実な展開に加えて今まで手薄だった川崎市での新規開校に注力する方針を打ち出している。スクール展開は地域集中型のドミナント戦略を基本とし、生徒の募集活動に関しては過大な広告宣伝費をかけずに、生徒やその保護者による口コミ情報を基本に据えていることが特徴の1つである(ホームページやYouTube、X(旧Twitter)も活用)。このため、同社の広告宣伝費率(対売上比)は2023年9月期で0.8%と業界平均を大きく下回っている。近年は定員数に達して募集を打ち切るスクールが増えてきたことも、広告宣伝費の抑制につながっている。広告宣伝費率の低さは、同社の教育サービスに対する生徒・保護者からの高い評価を反映した数値と言える。
顧客満足度の客観的評価として、2023年11月に発表されたオリコン顧客満足度(R)ランキングにおいて、「小学生 塾 首都圏」ランキングで8年連続1位、「高校受験 塾 首都圏」ランキングで7年連続1位、「大学受験 塾・予備校 現役 首都圏」ランキングで6年連続1位をそれぞれ獲得するなど、実際に通塾する生徒や保護者から高い評価を受けていることが外部の調査機関により明らかとなっている。
(3) 高い収益性・安定性
3つ目の特徴としては、業界のなかでも高い収益性を誇り、かつ抜群の収益安定性を兼ね備えていることが挙げられる。この要因としては、広告宣伝費率の低さに加えて、進学塾としての圧倒的なブランド力や高い顧客満足度により入塾を希望する生徒が多く、1教室当たり平均生徒数が高水準で安定していること、校舎の開設も教師の育成に合わせて、年間で3〜4校と無理のないペースで進めていること、事業を学習塾に特化しているため本社機能がスリム化されていること、などが挙げられる。2020年9月期は新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)において授業料の返還や特別授業料の適用を行ったため、営業利益率が20%の水準を下回ったものの、こうした施策を取ったことで逆に生徒や保護者からの信頼感が高まる結果となり、2021年9月期の営業利益率は26.9%とコロナ禍前の水準を上回り、2022年9月期においても高水準を維持した。2023年9月期は今後の成長をより確かなものとするため、教師に対する処遇向上や学習環境の整備を実施したことで利益率は低下したが、それでも直営集団塾を主に展開している学習塾のなかでは業界トップの収益性を維持していることに変わりない。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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■ステップ<9795>の会社概要
こうした教師のプロ化による質の高い学習指導によって、2023年春の高校入試では神奈川県内の公立高校トップ19校で2,499名(前年比104名増)の合格者を輩出し、全塾中でトップの実績を残した。また、県内公立高校に合格したステップ生の42.8%(前年比横ばい)がトップ校に合格したことになる。トップ19校のうち17校(前年15校)で、塾別の合格者数トップとなっており、県内最難関校の横浜翠嵐高校についても2年ぶりにトップに返り咲いている。また県内特有の試験制度となる特色検査※1(記述型)を実施した19校のうち17校(同15校)で塾別最多合格者数を出すなど、神奈川県内の公立トップ校を目指す学習塾としてのブランド力もさらに強固なものとなっている。学習指導の質の高さもさることながら、過去の入試問題の分析・対策能力や的確な進学指導力などが高い合格実績につながっている※2。県内の競合大手としては、臨海セミナー、湘南ゼミナール(スプリックス<7030>の子会社)などがある。いずれも公立トップ19校の合格者数では、同社の半分以下の水準となっており、年々その差も開きつつある。さらに、「STEP」生徒の通学圏内で男女共学校として最難関と位置付けられる東京学芸大学附属高校(国立)でも、188名(同5名増、帰国生と内部進学除く。正規合格者132名は同総数266名のうち49.6%を占める)の合格者を輩出し、同社によると15年連続で全塾中トップの合格者数になったと言う。
※1 特色検査:神奈川県公立高校入試において、共通試験とは別に行う学力検査のこと。主に進学校が導入しており、問題を解決する粘り強い思考力等を把握するための科目横断型の試験。
※2 合格率も他を圧倒している。例えば、横浜翠嵐高校ではステップ生が74.2%だったのに対してその他受験者は48.7%と20%以上の開きがあった。
一方、現役高校生向けの高校生部門に関しても、2023年春の大学受験合格者数は国公立大学で324名(前年比17名増)、早慶上智大学で460名(同8名減)、MARCH及び東京理科大学で1,992名(同34名増)となり、延べ合計では2,776名(同43名増)と過去最高を更新した。最難関の東京大学合格者数は8名(同5名減)と減少したものの、継続して現役高校生での合格者を輩出している。これら合格者の大半は公立高校生であり、公立高校から難関大学に現役合格できる塾としてのブランド力は年々高まっている。以前は高校1年生の入塾生の大半が中学部門のステップ生で占めていたが、最近はステップ生以外の入塾希望者も増加傾向にあり、4月時点で早々に定員に達する校舎もあるほどだ。
同社が高い合格実績を残し続けている要因として、教務力の高さに加えてチューター制度が有効に機能していると考えられる。チューターとは、高校生の学習や進路、悩みなどの相談を受け、個人に合わせた学習計画や合理的な受験作戦を提案するなど的確なアドバイスを行うスタッフである。同社では高校生部門の各校舎に専任のチューターを1校当たり2〜8名配属しており、受験への不安を抱える生徒にとって良きアドバイザーとなっている。同社はチューターの機能を、小中学生部門の校舎でも数年前から導入し、窓口業務とチューターの機能を果たすスクールキャストと呼ばれる正社員スタッフを増員している。
(2) ドミナント展開と口コミ情報による効率的なマーケティング戦略
同社は県内の湘南地区や中西部において既に揺るぎないブランド力と業界シェアを確立しており、横浜市内でも計画的にスクールを開設しシェアを拡大している。今後は横浜市内での着実な展開に加えて今まで手薄だった川崎市での新規開校に注力する方針を打ち出している。スクール展開は地域集中型のドミナント戦略を基本とし、生徒の募集活動に関しては過大な広告宣伝費をかけずに、生徒やその保護者による口コミ情報を基本に据えていることが特徴の1つである(ホームページやYouTube、X(旧Twitter)も活用)。このため、同社の広告宣伝費率(対売上比)は2023年9月期で0.8%と業界平均を大きく下回っている。近年は定員数に達して募集を打ち切るスクールが増えてきたことも、広告宣伝費の抑制につながっている。広告宣伝費率の低さは、同社の教育サービスに対する生徒・保護者からの高い評価を反映した数値と言える。
顧客満足度の客観的評価として、2023年11月に発表されたオリコン顧客満足度(R)ランキングにおいて、「小学生 塾 首都圏」ランキングで8年連続1位、「高校受験 塾 首都圏」ランキングで7年連続1位、「大学受験 塾・予備校 現役 首都圏」ランキングで6年連続1位をそれぞれ獲得するなど、実際に通塾する生徒や保護者から高い評価を受けていることが外部の調査機関により明らかとなっている。
(3) 高い収益性・安定性
3つ目の特徴としては、業界のなかでも高い収益性を誇り、かつ抜群の収益安定性を兼ね備えていることが挙げられる。この要因としては、広告宣伝費率の低さに加えて、進学塾としての圧倒的なブランド力や高い顧客満足度により入塾を希望する生徒が多く、1教室当たり平均生徒数が高水準で安定していること、校舎の開設も教師の育成に合わせて、年間で3〜4校と無理のないペースで進めていること、事業を学習塾に特化しているため本社機能がスリム化されていること、などが挙げられる。2020年9月期は新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)において授業料の返還や特別授業料の適用を行ったため、営業利益率が20%の水準を下回ったものの、こうした施策を取ったことで逆に生徒や保護者からの信頼感が高まる結果となり、2021年9月期の営業利益率は26.9%とコロナ禍前の水準を上回り、2022年9月期においても高水準を維持した。2023年9月期は今後の成長をより確かなものとするため、教師に対する処遇向上や学習環境の整備を実施したことで利益率は低下したが、それでも直営集団塾を主に展開している学習塾のなかでは業界トップの収益性を維持していることに変わりない。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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