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サークレイス Research Memo(7):2030年の中期経営目標は売上高100億円(2)

注目トピックス 日本株
*12:07JST サークレイス Research Memo(7):2030年の中期経営目標は売上高100億円(2)
■今後の見通し

3. 成長戦略
サークレイス<5029>は、これまで足元の課題に対して、自社内のDXによりサービスを変革してきた。自社開発によるプラットフォームでデジタル化を促進し、ナレッジの形式知化による質の向上を行った。加えて、プラットフォームを利用した事業間でのシナジーを促し、ブロックチェーン等を用いた高度な技術によるSaaSやプラットフォーム運営の知見を増やしてきた。その結果、経済産業省が認定する「DX認定制度」の認定事業者にも認定された。将来的には、SaaSの知見や高度な技術力を生かしたプラットフォームを顧客と一緒に開発し、「Revenue Share(収益分配型契約)」で展開することで「労働集約から脱却」し、資源問題等の社会課題解決のためのプラットフォーム開発などにより「サーキュラーエコノミー(循環経済)の実現貢献」を目指す。

(1) 人材戦略
同社は、Salesforce認定資格の中で最難関資格(国内で資格取得者数19名(2023年12月1日現在))である「テクニカルアーキテクト」、カスタマーサクセス領域で重要な「上級アドミニストレーター」等の資格を取得した屈指の良質な人材を確保する。IT未体験で入社してきた社員に対し、社内のエデュケーションサービス(セールスフォース・ジャパン社の認定トレーニングコース)にて高度な教育を提供し、入社後2ヶ月目でカスタマーサクセスサービスに従事させ、最短1年で上流コンサルタント等にキャリアアップさせ、コンサルティングサービスに従事させる独自の育成ノウハウを充実させる。また今後はグローバル展開を見据えたダイバーシティを推進し、新世代を担う新卒採用の強化、平均年齢の引き下げを目指す。平均年齢においては、2023年5月時点での39歳から2026年3月期に37歳、2030年3月期に34歳を目標とする。女性管理職比率は2022年6月時点での23%から2026年3月期に35%、2030年3月期には50%を目標とする。外国籍比率については、2023年5月時点での4%から2026年3月期は15%、2030年3月期は30%を目標とする。

2023年6月、(株)ハイブリッドテクノロジーズ、(株)グロースリンク、同社にて顧客向けSalesforceプラットフォーム関連開発のグローバル展開と100人以上のIT人材を擁する体制の構築を目的としてベトナムに合弁会社「Circlace HT Co., Ltd.」を設立し、同10月には現地でオフィス開所式及び視察ツアーを開催した。Circlace HTは、大手メーカー及び上場IT企業を中心にした開発案件を獲得するため、構想策定から定着化支援に至るまでの一気通貫の支援を行う。また同月、コンサルティング事業におけるさらなるサービス領域の拡大と技術力強化(特にAWS等のマルチクラウド対応)を目的に、FTL(株)の全株式を取得し子会社化し、同11月、経営資源を最大限活用し、経営の効率化・意思決定の迅速化を図るため、FTLを取締役会にて吸収合併する決議を行った。さらに12月には、The Model(ザ・モデル)型営業組織の構築と成果創出に悩むビジネスオーナー向けにフォーカスした新たな伴走型支援サービス「マーケティング・セールスイネーブルメント マネージドサービス『ConsulTech(コンサルテック)』」の提供を開始した。クライアント企業のマーケティング戦略立案と実行支援に至るまで包括し、業務の円滑な遂行をサポートする。

(2) ロールモデル戦略
規範となる優秀な人材を採用し、基本サービス提供をチーム制にすることで、人材の質を底上げし、ロールモデルの活用を可能にする。人材の質を高め、収益を向上し従業員への積極的な還元を行うことで、より優秀な人材の確保ができる好循環の実現を目指す。

(3) カスタマーサクセスサービスのデジタル化推進
これまで派遣契約が主体で顧客からの業務指示を受ける受動的なサービスを提供してきたが、同社の製品である「Circlace(R)」をサービス提供時の基本コミュニケーションツールとして導入し、運用することにより、質の高い提案型サービスの提供が可能になる。チーム制でオンラインとオフラインにて柔軟に対応するハイブリッドサービスを推進することにより、稼働効率を上げ収益性の向上を図る(従来型の派遣型サービスにおいてもすべての契約において「Circlace(R)」を活用し、サービスを提供している)。加えて、「Circlace(R)」に生成AIを組み合わせることで生産性と稼働効率をさらに上げ、収益性の向上を図る。

2023年10月には「Circlace(R)」と生成AI「ChatGPT」を連携させた機能をリリースした。「Circlace(R)」内に生成AI「ChatGPT」と連携をしたチャットウィンドウを実装することにより、「Circlace(R)」のユーザーインターフェース内で対話形式による検索オペレーションが可能となった。これにより、蓄積された必要な情報に辿り着く時間や、問い合わせ対応にかかる時間を大幅に削減し、間接業務に掛かる工数削減により、組織レベルでの業務効率化を実現できる。また、生成AIによる「FAQ自動作成機能」「回答案自動作成機能」の提供も同時に開始した。今後は「Circlace(R)」に実装されるAIを活用したAI機能群の総称を「Circlace Knowit(サークレイス ノウイット)」と定義し、チャットボット機能・FAQ自動作成機能・回答案自動作成機能だけでなく、さまざまなAIを活用した機能を開発の上「Circlace Knowit」の機能展開を目指す。

(4) DX事業の拡大
「Circlace(R)」においては、カスタマーサクセスサービスにて「Circlace(R)」を利用する顧客に対し、「Circlace(R)」の自社導入を促進し、ストック比率の向上を図る。同商品を利用する顧客はコミュニケーションが一元化すると、過去のデータを閲覧するために同商品が必須となるため、サービス終了後も利用動向により呼び戻し提案ができる。海外駐在員向け情報管理SaaSにおいて導入企業数の国内シェア第1位(東京商工リサーチ調べ)を獲得した「AGAVE」は、BPOパートナーとの協業を強化し、新パートナーを開拓することでライセンス販売を増加させる。「AGAVE」追加機能開発によりオプション課金も増加させる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)



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