1stコーポ Research Memo(2):造注方式が強みの分譲マンション特化型ゼネコン
[24/02/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*13:32JST 1stコーポ Research Memo(2):造注方式が強みの分譲マンション特化型ゼネコン
■会社概要
1. 事業内容
ファーストコーポレーション<1430>の創業は2011年6月で、資本金40,000千円でスタートした。以来、「より良質な住宅を供給し、豊かな住環境に貢献する」を社是とし、「安全・安心・堅実」をモットーに良質で安価な住宅を供給してきた。分譲マンション建設に特化したゼネコンである。
主要事業エリアは、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の1都3県である。これら首都圏エリアは、全国的に人口減少が言われるなかで、依然として人口が増加傾向にあり、再開発需要も旺盛であるため、マンション需要は今後も拡大する見通しだ。
国土交通省の建築着工統計調査報告によると、首都圏1都3県のマンション建設の着工戸数は、2020年は53,913戸と前年比で9.2%減となった。2018年に落ち込んだ後、2019年に回復する兆しを見せたところで、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響を受けた格好だ。コロナ禍により経済・社会活動が停滞するなか、2021年も前年比7.3%減の49,962戸と前年割れとなった。こうしたなか、2022年は前年比4.8%増の52,379戸と3年ぶりに前年実績を上回った。コロナの感染症法上の位置付けが5類に移行し、ますます経済・社会活動が再開するなかで、2023年に関しても前年比0.7%増の52,746戸と着実に増加した。一方、マンションの供給戸数は、2020年の27,228戸を底に2021年には同17.5%増の33,636戸となり、回復軌道にあったものの、2022年、2023年と前年割れの状態が続いており、2022年の供給戸数に関しては、資材の調達など、施工の先行き不透明感から前年比12.1%減の29,569戸となった。また、(株)不動産経済研究所が2024年1月に発表した「首都圏新築分譲マンション市場動向2023年のまとめ」によると、郊外での販売が鈍化したことなどにより、2023年の供給戸数は前年比9.1%減の26,886戸となった。ただ、減少は一時的なものだと見られており、2024年は31,000戸の供給が見込まれている。
価格面では、首都圏のマンション平均価格は2018年に一段落した格好となったが、2019年から再び上向いている。前述の資料によると、2019年には5,980万円、2020年には6,083万円、2021年には6,260万円、2022年には6,288万円となり、2023年には8,101万円まで伸長している。とりわけ東京23区の伸びは大きく、2020年は7,712万円と2019年の7,286万円からアップし、2021年も8,293万円と、ついに8,000万円を突破した。2022年は8,236万円と前年を下回ったが、2023年には11,483万円と1億円を突破しており、販売価格は高止まりしている状態だ。
コロナ禍の影響によるテレワークの浸透と生活様式の多様化に加えて、都区部のマンション価格が高止まりしているため、今後は郊外案件の引き合いが引き続き好調に推移すると予想される。こうしたなか、同社は強みである「造注方式」を生かして事業用地を確保し、積極的にデベロッパーへの営業活動を推進することで、収益アップを実現する考えだ。
同社は、この「造注方式」を武器に創業後は急速に成長した。2015年3月には東証マザーズに創業からわずか3年9ヶ月で上場し、2016年12月には東証1部に指定替えとなった。その後、2022年4月に東証の再編により東証プライム市場へ移行し、2023年10月には選択申請により東証スタンダード市場へ移行した。今後は新たな分譲マンション自社ブランド「CANVAS」の開発推進、再開発事業、アクティブシニア向けマンションの建設など業容に厚みを加え、成長を加速させる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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■会社概要
1. 事業内容
ファーストコーポレーション<1430>の創業は2011年6月で、資本金40,000千円でスタートした。以来、「より良質な住宅を供給し、豊かな住環境に貢献する」を社是とし、「安全・安心・堅実」をモットーに良質で安価な住宅を供給してきた。分譲マンション建設に特化したゼネコンである。
主要事業エリアは、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の1都3県である。これら首都圏エリアは、全国的に人口減少が言われるなかで、依然として人口が増加傾向にあり、再開発需要も旺盛であるため、マンション需要は今後も拡大する見通しだ。
国土交通省の建築着工統計調査報告によると、首都圏1都3県のマンション建設の着工戸数は、2020年は53,913戸と前年比で9.2%減となった。2018年に落ち込んだ後、2019年に回復する兆しを見せたところで、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響を受けた格好だ。コロナ禍により経済・社会活動が停滞するなか、2021年も前年比7.3%減の49,962戸と前年割れとなった。こうしたなか、2022年は前年比4.8%増の52,379戸と3年ぶりに前年実績を上回った。コロナの感染症法上の位置付けが5類に移行し、ますます経済・社会活動が再開するなかで、2023年に関しても前年比0.7%増の52,746戸と着実に増加した。一方、マンションの供給戸数は、2020年の27,228戸を底に2021年には同17.5%増の33,636戸となり、回復軌道にあったものの、2022年、2023年と前年割れの状態が続いており、2022年の供給戸数に関しては、資材の調達など、施工の先行き不透明感から前年比12.1%減の29,569戸となった。また、(株)不動産経済研究所が2024年1月に発表した「首都圏新築分譲マンション市場動向2023年のまとめ」によると、郊外での販売が鈍化したことなどにより、2023年の供給戸数は前年比9.1%減の26,886戸となった。ただ、減少は一時的なものだと見られており、2024年は31,000戸の供給が見込まれている。
価格面では、首都圏のマンション平均価格は2018年に一段落した格好となったが、2019年から再び上向いている。前述の資料によると、2019年には5,980万円、2020年には6,083万円、2021年には6,260万円、2022年には6,288万円となり、2023年には8,101万円まで伸長している。とりわけ東京23区の伸びは大きく、2020年は7,712万円と2019年の7,286万円からアップし、2021年も8,293万円と、ついに8,000万円を突破した。2022年は8,236万円と前年を下回ったが、2023年には11,483万円と1億円を突破しており、販売価格は高止まりしている状態だ。
コロナ禍の影響によるテレワークの浸透と生活様式の多様化に加えて、都区部のマンション価格が高止まりしているため、今後は郊外案件の引き合いが引き続き好調に推移すると予想される。こうしたなか、同社は強みである「造注方式」を生かして事業用地を確保し、積極的にデベロッパーへの営業活動を推進することで、収益アップを実現する考えだ。
同社は、この「造注方式」を武器に創業後は急速に成長した。2015年3月には東証マザーズに創業からわずか3年9ヶ月で上場し、2016年12月には東証1部に指定替えとなった。その後、2022年4月に東証の再編により東証プライム市場へ移行し、2023年10月には選択申請により東証スタンダード市場へ移行した。今後は新たな分譲マンション自社ブランド「CANVAS」の開発推進、再開発事業、アクティブシニア向けマンションの建設など業容に厚みを加え、成長を加速させる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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