オーケストラ Research Memo(1):マーケティングDX領域のリーディングカンパニー
[24/04/17]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
*13:01JST オーケストラ Research Memo(1):マーケティングDX領域のリーディングカンパニー
■要約
Orchestra Holdings<6533>は、企業ビジョンに「創造の連鎖」を掲げ、企業のデジタルマーケティング(Digital Marketing。以下、DM)やデジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation。以下、DX)を支援するテクノロジー企業である。DX事業とDM事業で技術融合やシナジー創出を推進することにより、マーケティングDX領域のリーディングカンパニーを目指している。
1. DX事業とDM事業が主力、新規事業も育成
同社はM&Aを積極的に活用し、成長分野であるDX関連やDM関連を中心に事業展開している。DX事業は大手企業を対象として、Sharing Innovations<4178>の米国Salesforce製品導入支援を中心とするクラウドインテグレーション、(株)ヴェス(2023年4月に子会社化)のソフトウェアテストサービスなどを提供している。DM事業はデジタル広告運用を主力に、顧客企業のデジタルマーケティング施策に関するトータルソリューションを提供している。さらに、タレントマネジメントシステム「スキルナビ」、ITエンジニア・クリエイター転職エージェンシー「R-stone」、IT人材求人情報サイト「TechReach」などの新規事業を育成するとともに、ベンチャービジネスをサポートする投資事業も展開している。DX事業は構造改革効果で再成長フェーズ、DM事業は利益柱、新規事業は先行投資段階となっている。
2. 2023年12月期は一過性要因も影響して減益
2023年12月期の連結業績は、売上高が2022年12月期比(以下同)16.7%増の12,109百万円、営業利益が43.3%減の765百万円、経常利益が44.5%減の776百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が44.5%減の474百万円、EBITDAは24.1%減の1,212百万円と、各利益は減益で着地した。売上面はM&A(2022年12月期中に子会社化した3社の通期連結、及び2023年12月期中に子会社化した4社の新規連結)も寄与して大幅増収となり、売上総利益も過去最高だったが、利益面は積極的な戦略投資(M&A、新規事業投資、人材投資など)に伴う費用の増加、のれん償却費の増加、DX事業におけるヴェスのPMI(経営統合プロセス)に係る一過性費用(50百万円)の計上、DM事業における一部主要顧客の広告予算縮小などが影響した。
3. 2024年12月期は再成長フェーズで大幅増収増益予想
2024年12月期の連結業績予想は、売上高が2023年12月期比(以下同)15.6%増の14,000百万円、営業利益が30.6%増の1,000百万円、経常利益が28.8%増の1,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が16.0%増の550百万円、EBITDAが23.7%増の1,500百万円で、大幅増収増益予想としている。DM事業の売上高については前期と同水準の想定だが、M&A効果、DX事業のSharing Innovationsの再成長フェーズへの復帰、PMI効果によるヴェスの利益貢献などを見込んでいる。弊社では、市場環境が良好であることやグループシナジーが期待できることなどを勘案すれば、戦略投資による費用増加を吸収して会社予想に上振れ余地があるだろうと考えている。
4. M&Aを活用して「創造の連鎖」拡大を目指す
同社は、M&Aの活用によって既存事業の拡大スピードを加速させると同時に、成長性・収益性の高い新規事業領域へ投資することで「創造の連鎖」拡大を目指すことを基本方針としている。中長期的な目標としては、主要2事業のオーガニック成長、M&Aの活用、新規事業の貢献により、2028年にEBITDA50億円、2033年にEBITDA150億円の達成を目指すとしている。既存事業のDM事業は第1の柱として、強みとする運用型広告を中心に市場成長を着実に捉えて全体の成長を牽引する。DX事業は、Sharing Innovationsの再成長フェーズへの復帰やヴェスの成長(今後5年間で売上高100億円規模への成長を目指す)により、急成長市場でのプレゼンスを拡大して早期に第2の収益の柱とする。そして各事業間でシナジーを創出することにより、高成長×高収益な事業モデル構築を推進する。
5. 中長期成長ポテンシャルを評価
同社は、M&Aを積極活用することによって成長基盤の構築と既存事業の拡大スピードを加速させると同時に、技術融合やシナジー創出を推進することでマーケティングDX領域のリーディングカンパニーを目指すとしている。DXやDMといった成長市場にフォーカスして事業展開しており、M&Aによるシナジー効果を勘案すれば中長期成長ポテンシャルが大きいと弊社では評価している。直近の業績は一過性要因も影響して減速感が見られたものの、会社側では2023年12月期をボトムとして2024年12月期は再成長フェーズとしている。したがって当面は再成長フェーズの進捗状況に注目したいと弊社では考えている。
■Key Points
・企業のDMやDXを支援するテクノロジー企業
・2023年12月期は一過性費用も影響して減益
・2024年12月期は大幅増収増益予想
・M&Aの活用により「創造の連鎖」拡大を目指す
・中長期成長ポテンシャルを評価、再成長フェーズの進捗状況に注目
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<HH>
■要約
Orchestra Holdings<6533>は、企業ビジョンに「創造の連鎖」を掲げ、企業のデジタルマーケティング(Digital Marketing。以下、DM)やデジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation。以下、DX)を支援するテクノロジー企業である。DX事業とDM事業で技術融合やシナジー創出を推進することにより、マーケティングDX領域のリーディングカンパニーを目指している。
1. DX事業とDM事業が主力、新規事業も育成
同社はM&Aを積極的に活用し、成長分野であるDX関連やDM関連を中心に事業展開している。DX事業は大手企業を対象として、Sharing Innovations<4178>の米国Salesforce
2. 2023年12月期は一過性要因も影響して減益
2023年12月期の連結業績は、売上高が2022年12月期比(以下同)16.7%増の12,109百万円、営業利益が43.3%減の765百万円、経常利益が44.5%減の776百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が44.5%減の474百万円、EBITDAは24.1%減の1,212百万円と、各利益は減益で着地した。売上面はM&A(2022年12月期中に子会社化した3社の通期連結、及び2023年12月期中に子会社化した4社の新規連結)も寄与して大幅増収となり、売上総利益も過去最高だったが、利益面は積極的な戦略投資(M&A、新規事業投資、人材投資など)に伴う費用の増加、のれん償却費の増加、DX事業におけるヴェスのPMI(経営統合プロセス)に係る一過性費用(50百万円)の計上、DM事業における一部主要顧客の広告予算縮小などが影響した。
3. 2024年12月期は再成長フェーズで大幅増収増益予想
2024年12月期の連結業績予想は、売上高が2023年12月期比(以下同)15.6%増の14,000百万円、営業利益が30.6%増の1,000百万円、経常利益が28.8%増の1,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が16.0%増の550百万円、EBITDAが23.7%増の1,500百万円で、大幅増収増益予想としている。DM事業の売上高については前期と同水準の想定だが、M&A効果、DX事業のSharing Innovationsの再成長フェーズへの復帰、PMI効果によるヴェスの利益貢献などを見込んでいる。弊社では、市場環境が良好であることやグループシナジーが期待できることなどを勘案すれば、戦略投資による費用増加を吸収して会社予想に上振れ余地があるだろうと考えている。
4. M&Aを活用して「創造の連鎖」拡大を目指す
同社は、M&Aの活用によって既存事業の拡大スピードを加速させると同時に、成長性・収益性の高い新規事業領域へ投資することで「創造の連鎖」拡大を目指すことを基本方針としている。中長期的な目標としては、主要2事業のオーガニック成長、M&Aの活用、新規事業の貢献により、2028年にEBITDA50億円、2033年にEBITDA150億円の達成を目指すとしている。既存事業のDM事業は第1の柱として、強みとする運用型広告を中心に市場成長を着実に捉えて全体の成長を牽引する。DX事業は、Sharing Innovationsの再成長フェーズへの復帰やヴェスの成長(今後5年間で売上高100億円規模への成長を目指す)により、急成長市場でのプレゼンスを拡大して早期に第2の収益の柱とする。そして各事業間でシナジーを創出することにより、高成長×高収益な事業モデル構築を推進する。
5. 中長期成長ポテンシャルを評価
同社は、M&Aを積極活用することによって成長基盤の構築と既存事業の拡大スピードを加速させると同時に、技術融合やシナジー創出を推進することでマーケティングDX領域のリーディングカンパニーを目指すとしている。DXやDMといった成長市場にフォーカスして事業展開しており、M&Aによるシナジー効果を勘案すれば中長期成長ポテンシャルが大きいと弊社では評価している。直近の業績は一過性要因も影響して減速感が見られたものの、会社側では2023年12月期をボトムとして2024年12月期は再成長フェーズとしている。したがって当面は再成長フェーズの進捗状況に注目したいと弊社では考えている。
■Key Points
・企業のDMやDXを支援するテクノロジー企業
・2023年12月期は一過性費用も影響して減益
・2024年12月期は大幅増収増益予想
・M&Aの活用により「創造の連鎖」拡大を目指す
・中長期成長ポテンシャルを評価、再成長フェーズの進捗状況に注目
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<HH>