Jトラスト Research Memo(5):2025年12月期以降は増益基調を目指す(1)
[24/06/12]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*13:35JST Jトラスト Research Memo(5):2025年12月期以降は増益基調を目指す(1)
■Jトラスト<8508>の中長期の成長戦略
同社グループは、事業環境の変化を踏まえて新たに発表した3ヶ年計画(2024年12月期〜2026年12月期)で、営業収益は順調に拡大し、最終年度となる2026年12月期に1,529億円(2023年12月期比1.3倍)と、過去最高の更新継続を目指す。一方、営業利益は2024年12月期には減益となるものの、2025年12月期から増益基調に転じ、2026年12月期は178億円(同2.2倍)と過去最高の更新を計画している。この新3ヶ年計画は正式な中期経営計画ではなく、達成可能と考える保守的な業績予想であるものの、中期的な収益及び利益目標を示すことは、企業の将来業績に基づいて投資を判断する投資家にとって、非常に重要であると弊社では考える。
(1) 日本金融事業
信用保証業務の拡充と債権回収業務の強化によってさらなる収益の拡大を図り、安定的な利益計上によって同社グループ全体の業績を下支えする計画である。
信用保証業務では、子会社の日本保証において、アパートローン、有価証券担保ローン、海外不動産担保ローンを中心に推進する。保証期間の長いアパートローンの占める割合が大きいこともあり、保証残高は安定推移している。なかでも中古アパートローンは競合先が少ないことから計画を上回るペースで順調に増加している。さらなる成長を目指し、エリアや指定業者の拡大、新築アパートの取り扱い数増や借り換え需要対応の促進等を図る。また有価証券担保ローンでは、グループ間のシナジーを生かし相互の顧客の連携による保証商品の開発等を行う計画だ。
証券業務では、「プライベートバンキングサービスを提供するウェルスマネジメントのJトラストグローバル証券」を前面に打ち出し、プライベートバンキングサービスに注力する。個人金融資産1億〜5億円を保有する富裕層を新たなターゲットと捉え顧客開拓に乗り出し、従来の金融資産5,000万〜1億円の準富裕層向けビジネスとの両輪で攻めることで預かり資産を現状の3,861億円から1兆円に増やす意向である。金融資産5,000万〜5億円のターゲット層にはスタートアップ・ベンチャー企業の創業オーナーも多く、企業成長をサポートしながら、創業者のプライベートバンカーとして資産運用ニーズにも応える。富裕層ビジネスの拡大についてこれまでプライベートバンカーとして培ってきた知見と経験を生かし、成長ビジネスであるウェルスマネジメントを本格的に立ち上げ、顧客開拓の加速化を進める計画だ。なお、Jトラストグローバル証券、提携銀行、日本保証の3社協業による有価証券担保ローンの預かり資産は327億円と、同社は好評と評している。
(2) 韓国及びモンゴル金融事業
市中金利の高騰による預金利率の上昇、韓国全体での延滞増加、個人回生(個人再生)・信用回復の増加傾向などにより引当金の積み増しの可能性があるなか、韓国各社は引き続き緩やかな成長を目標に掲げる。バランスの取れたRisk-Returnを第一に「量の成長」から「質の成長」を目指し、一定の資産規模を維持すると同時に資産内容の質的な向上を追求する。貸付においては、債権管理回収を高めるための努力や貸付取り扱い時の延滞率を考慮しつつ収益性が見込めるスタンスで対応するなど、貸倒償却費の減少につながる対策を講じる計画である。以上の施策を推進することで韓国及びモンゴル金融事業の営業利益は、2023年12月期の3,334百万円の損失から2024年12月期は837百万円の利益に転換し、2025年12月期は25億円、2026年12月期は51億円へと利益拡大を見込んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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■Jトラスト<8508>の中長期の成長戦略
同社グループは、事業環境の変化を踏まえて新たに発表した3ヶ年計画(2024年12月期〜2026年12月期)で、営業収益は順調に拡大し、最終年度となる2026年12月期に1,529億円(2023年12月期比1.3倍)と、過去最高の更新継続を目指す。一方、営業利益は2024年12月期には減益となるものの、2025年12月期から増益基調に転じ、2026年12月期は178億円(同2.2倍)と過去最高の更新を計画している。この新3ヶ年計画は正式な中期経営計画ではなく、達成可能と考える保守的な業績予想であるものの、中期的な収益及び利益目標を示すことは、企業の将来業績に基づいて投資を判断する投資家にとって、非常に重要であると弊社では考える。
(1) 日本金融事業
信用保証業務の拡充と債権回収業務の強化によってさらなる収益の拡大を図り、安定的な利益計上によって同社グループ全体の業績を下支えする計画である。
信用保証業務では、子会社の日本保証において、アパートローン、有価証券担保ローン、海外不動産担保ローンを中心に推進する。保証期間の長いアパートローンの占める割合が大きいこともあり、保証残高は安定推移している。なかでも中古アパートローンは競合先が少ないことから計画を上回るペースで順調に増加している。さらなる成長を目指し、エリアや指定業者の拡大、新築アパートの取り扱い数増や借り換え需要対応の促進等を図る。また有価証券担保ローンでは、グループ間のシナジーを生かし相互の顧客の連携による保証商品の開発等を行う計画だ。
証券業務では、「プライベートバンキングサービスを提供するウェルスマネジメントのJトラストグローバル証券」を前面に打ち出し、プライベートバンキングサービスに注力する。個人金融資産1億〜5億円を保有する富裕層を新たなターゲットと捉え顧客開拓に乗り出し、従来の金融資産5,000万〜1億円の準富裕層向けビジネスとの両輪で攻めることで預かり資産を現状の3,861億円から1兆円に増やす意向である。金融資産5,000万〜5億円のターゲット層にはスタートアップ・ベンチャー企業の創業オーナーも多く、企業成長をサポートしながら、創業者のプライベートバンカーとして資産運用ニーズにも応える。富裕層ビジネスの拡大についてこれまでプライベートバンカーとして培ってきた知見と経験を生かし、成長ビジネスであるウェルスマネジメントを本格的に立ち上げ、顧客開拓の加速化を進める計画だ。なお、Jトラストグローバル証券、提携銀行、日本保証の3社協業による有価証券担保ローンの預かり資産は327億円と、同社は好評と評している。
(2) 韓国及びモンゴル金融事業
市中金利の高騰による預金利率の上昇、韓国全体での延滞増加、個人回生(個人再生)・信用回復の増加傾向などにより引当金の積み増しの可能性があるなか、韓国各社は引き続き緩やかな成長を目標に掲げる。バランスの取れたRisk-Returnを第一に「量の成長」から「質の成長」を目指し、一定の資産規模を維持すると同時に資産内容の質的な向上を追求する。貸付においては、債権管理回収を高めるための努力や貸付取り扱い時の延滞率を考慮しつつ収益性が見込めるスタンスで対応するなど、貸倒償却費の減少につながる対策を講じる計画である。以上の施策を推進することで韓国及びモンゴル金融事業の営業利益は、2023年12月期の3,334百万円の損失から2024年12月期は837百万円の利益に転換し、2025年12月期は25億円、2026年12月期は51億円へと利益拡大を見込んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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