ブリッジ Research Memo(7):M&A効果でC&S事業が伸長、事業規模の拡大をけん引
[24/06/25]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*13:47JST ブリッジ Research Memo(7):M&A効果でC&S事業が伸長、事業規模の拡大をけん引
■業績動向
1. 2024年12月期第1四半期業績の概要
ブリッジインターナショナル<7039>の2024年12月期第1四半期の業績は、売上高1,868百万円(前年同期比16.6%増)、営業利益148百万円(同14.9%減)、経常利益198百万円(同12.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益116百万円(同1.4%減)となった。売上高は第1四半期ベースで過去最高を更新し、売上総利益及び経常利益は前年同期比で増益となった。通期計画に対する進捗率では売上高は21.1%、営業利益は15.6%、経常利益は20.9%、親会社株主に帰属する当期純利益は19.0%となり、売上高についてはほぼ予定どおりだが、利益面では一過性の減益要因もあって通常ペースを下回った。
売上面では、多くの企業が法人営業活動に関するDXの一環として、インサイドセールスの導入・拡大による顧客開拓活動の高度化を進めているといった事業環境を背景に、インサイドセールスアウトソーシング事業はほぼ前年同期並みの売上高を記録した。C&S事業はM&Aにより2社をグループに取り込んだことで前年同期比259.0%と大幅な増収となり、全体の売上増に貢献した。インサイドセールスアウトソーシング事業が前年同期並みとなった理由は、クライアント企業が他社に買収され、同社サービスの利用を終了したことによる減収が主なものであるが、これを除けば前年同期比4.4%増の売上が確保できていたことになる。インサイドセールスアウトソーシング事業の根幹を支える売上TOP10企業の売上比率は54.8%(前年同期は51.1%)、売上TOP20企業の売上比率は71.0%(前年同期は69.3%)に成長していること、さらに新規顧客の獲得を進めたことで減収分を補っていることから、事業の成長は引き続き堅調なものと弊社では見ている。研修事業については前年同期比14.2%の減収となったが、前期にあったカスタマイズ研修に関する需要の反動や公開研修に関する売上減が影響したものである。利益面では、粗利率は31.9%と前年同期を0.3ポイント上回ったが、営業利益においては子会社買収に伴う会計処理統一の影響や、事業計画分野の担い手となる高度なスキルを有する人材確保のための人件費増加が利益押し下げ要因となり、売上高営業利益率は8.0%と前年同期比で2.9ポイント低下した。一方で経常利益は買収に伴う子会社の保険返戻金の営業外収益への計上が利益を押し上げたが、売上高経常利益率は10.6%と前年同期比で0.4ポイント低下となった。なお売上高四半期純利益率についても6.3%となり、前年同期比で1.1ポイント低下した。
2. サービス別業績
セグメント別売上高比率は、2023年12月期第1四半期においてはインサイドセールスアウトソーシング事業が69.2%、C&S事業が7.9%、研修事業が22.9%であったのに対し、2024年12月期第1四半期はインサイドセールスアウトソーシング事業が58.9%、C&S事業が24.2%、研修事業が16.9%となった。C&S事業がM&A等によって事業規模を拡大し、主力のインサイドセールスアウトソーシング事業に次ぐ地位を確保している。
(1) インサイドセールスアウトソーシング事業
インサイドセールスアウトソーシング事業の売上高は、1,100百万円(前年同期比0.8%減)、セグメント利益は169百万円(同0.5%増)と、いずれもほぼ前年同期並みの実績となった。通期予想に対する進捗率は、売上高は24.6%、セグメント利益は30.5%と順調に進捗している。今期は顧客企業の1社が他社に買収され同社のサービスを終了したこともあり、四半期ベースで58百万円相当の収益減が発生したが、その影響を除けば実質増収の実績となる。一方、成長戦略として注力する外資IT・国内IT・金融領域に対する売上は引き続き堅調に推移しており、外資ITについては先に言及した前期からのサービス終了分を除けば前年同期比10.1%増、国内ITは同3.9%増、金融は同8.7%増と着実に成長を続けている。利益面ではセグメント利益率が15.4%と前年同期比で0.2ポイント上昇した。これは、サービス運営に係るコスト上昇分を反映させるため、既存顧客へ値上げ要請を実施したことが要因の1つであるが、現状で顧客の応諾割合は全体の3割程度にとどまっており、今後の応諾状況によって業績面への寄与が期待できそうだ。
(2) C&S事業
これまで主にClieXitoが提供してきたコンサルティングサービス及びシステムソリューションサービスに加え、新たに2024年3月に吸収合併した2BC及び同年2月に子会社化したトータルサポートのM&A効果により、売上高は452百万円(前年同期比259.0%増)と大幅増収となった。一方、利益面については、トータルサポート子会社化時の会計処理統一の影響(トータルサポートが税込会計を適用していたため税抜会計に変更)で費用が23.3百万円増加したことにより、セグメント損失17百万円(前年同期は11百万円の損失)を計上した。この影響を排除すれば、セグメント利益は実質黒字化達成となる。結果として、M&A効果抜きの売上高は146百万円(前年同期比16.8%増)と順調に推移し、セグメント損失は8百万円と縮小することになる。2BCについては売上高42百万円、営業利益8百万円と当初の予定どおりに進捗している。2BCの得意分野であるマーケティング支援やコンテンツ制作支援により業績は順調に推移しており、引き続き既存ビジネスと組み合わせることで、M&Aによるシナジーが期待できる。トータルサポートについては売上高264百万円、営業損失は13百万円となった。営業損失の理由は前述のとおりだが、主力のネットワーク機器販売をはじめとして堅調に推移しており、特に大手ホテルグループの大型案件を受注するなど、今後の業績への寄与が期待される。
(3) 研修事業
研修事業の売上高は315百万円(前年同期比14.2%減)、セグメント損失は2百万円(前年同期は18百万円の利益)となった。顧客からの要件に応じる形で提供するカスタマイズ研修は、前期にあった入札案件や前期に取引のあった企業案件の終了により前年同期比14.0%減となった。カスタマイズ研修の一部である新人研修もその影響を受けたが、入社後の第2四半期以降に新人研修のピークを迎えること、さらに2024年12月期第1四半期の契約額は前年同期比で104%と堅調に推移していることから、今後の好転が期待される。公募型の公開研修の売上高は、前年同期比15.0%減となった。ロットの大きな企業向けの提案案件については既存顧客にある程度行き渡ったこともあり売上減につながったが、個人顧客は増加傾向にあり期待できる。個人顧客は、従来型のビジネススキル習得等を目的とした研修から、AIやアナリティクス等の先端IT系やDX系の研修を求める動きを見せており、同社では今後、この領域に注力すると弊社では見ている。利益面では、人材投資による人件費の増加や新システム導入に伴う費用の影響もあり、セグメント損失を計上したが、売上の増加が見込める第2四半期以降に期待できると弊社は考えている。
同社資料によると、研修事業が属する企業向け研修市場の2022年度市場規模予測は、オンライン研修などのコロナ禍に対応した研修サービスが新たな需要を創出し、5,320億円にまで成長すると推計されていた。今後もDX推進人材を対象とした研修や、企業のリスキリング強化の需要の高まりによって、コロナ禍前以上のマーケットに拡大すると予測されている。
同社グループの研修事業については、主に国内のIT事業者・システムインテグレーター企業の新入社員向け研修を請け負っているため、毎年顧客企業が新卒社員を迎え入れる4〜6月期に売上及び利益が集中する傾向がある。引き続き利益成長をけん引すると弊社では考えている。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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■業績動向
1. 2024年12月期第1四半期業績の概要
ブリッジインターナショナル<7039>の2024年12月期第1四半期の業績は、売上高1,868百万円(前年同期比16.6%増)、営業利益148百万円(同14.9%減)、経常利益198百万円(同12.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益116百万円(同1.4%減)となった。売上高は第1四半期ベースで過去最高を更新し、売上総利益及び経常利益は前年同期比で増益となった。通期計画に対する進捗率では売上高は21.1%、営業利益は15.6%、経常利益は20.9%、親会社株主に帰属する当期純利益は19.0%となり、売上高についてはほぼ予定どおりだが、利益面では一過性の減益要因もあって通常ペースを下回った。
売上面では、多くの企業が法人営業活動に関するDXの一環として、インサイドセールスの導入・拡大による顧客開拓活動の高度化を進めているといった事業環境を背景に、インサイドセールスアウトソーシング事業はほぼ前年同期並みの売上高を記録した。C&S事業はM&Aにより2社をグループに取り込んだことで前年同期比259.0%と大幅な増収となり、全体の売上増に貢献した。インサイドセールスアウトソーシング事業が前年同期並みとなった理由は、クライアント企業が他社に買収され、同社サービスの利用を終了したことによる減収が主なものであるが、これを除けば前年同期比4.4%増の売上が確保できていたことになる。インサイドセールスアウトソーシング事業の根幹を支える売上TOP10企業の売上比率は54.8%(前年同期は51.1%)、売上TOP20企業の売上比率は71.0%(前年同期は69.3%)に成長していること、さらに新規顧客の獲得を進めたことで減収分を補っていることから、事業の成長は引き続き堅調なものと弊社では見ている。研修事業については前年同期比14.2%の減収となったが、前期にあったカスタマイズ研修に関する需要の反動や公開研修に関する売上減が影響したものである。利益面では、粗利率は31.9%と前年同期を0.3ポイント上回ったが、営業利益においては子会社買収に伴う会計処理統一の影響や、事業計画分野の担い手となる高度なスキルを有する人材確保のための人件費増加が利益押し下げ要因となり、売上高営業利益率は8.0%と前年同期比で2.9ポイント低下した。一方で経常利益は買収に伴う子会社の保険返戻金の営業外収益への計上が利益を押し上げたが、売上高経常利益率は10.6%と前年同期比で0.4ポイント低下となった。なお売上高四半期純利益率についても6.3%となり、前年同期比で1.1ポイント低下した。
2. サービス別業績
セグメント別売上高比率は、2023年12月期第1四半期においてはインサイドセールスアウトソーシング事業が69.2%、C&S事業が7.9%、研修事業が22.9%であったのに対し、2024年12月期第1四半期はインサイドセールスアウトソーシング事業が58.9%、C&S事業が24.2%、研修事業が16.9%となった。C&S事業がM&A等によって事業規模を拡大し、主力のインサイドセールスアウトソーシング事業に次ぐ地位を確保している。
(1) インサイドセールスアウトソーシング事業
インサイドセールスアウトソーシング事業の売上高は、1,100百万円(前年同期比0.8%減)、セグメント利益は169百万円(同0.5%増)と、いずれもほぼ前年同期並みの実績となった。通期予想に対する進捗率は、売上高は24.6%、セグメント利益は30.5%と順調に進捗している。今期は顧客企業の1社が他社に買収され同社のサービスを終了したこともあり、四半期ベースで58百万円相当の収益減が発生したが、その影響を除けば実質増収の実績となる。一方、成長戦略として注力する外資IT・国内IT・金融領域に対する売上は引き続き堅調に推移しており、外資ITについては先に言及した前期からのサービス終了分を除けば前年同期比10.1%増、国内ITは同3.9%増、金融は同8.7%増と着実に成長を続けている。利益面ではセグメント利益率が15.4%と前年同期比で0.2ポイント上昇した。これは、サービス運営に係るコスト上昇分を反映させるため、既存顧客へ値上げ要請を実施したことが要因の1つであるが、現状で顧客の応諾割合は全体の3割程度にとどまっており、今後の応諾状況によって業績面への寄与が期待できそうだ。
(2) C&S事業
これまで主にClieXitoが提供してきたコンサルティングサービス及びシステムソリューションサービスに加え、新たに2024年3月に吸収合併した2BC及び同年2月に子会社化したトータルサポートのM&A効果により、売上高は452百万円(前年同期比259.0%増)と大幅増収となった。一方、利益面については、トータルサポート子会社化時の会計処理統一の影響(トータルサポートが税込会計を適用していたため税抜会計に変更)で費用が23.3百万円増加したことにより、セグメント損失17百万円(前年同期は11百万円の損失)を計上した。この影響を排除すれば、セグメント利益は実質黒字化達成となる。結果として、M&A効果抜きの売上高は146百万円(前年同期比16.8%増)と順調に推移し、セグメント損失は8百万円と縮小することになる。2BCについては売上高42百万円、営業利益8百万円と当初の予定どおりに進捗している。2BCの得意分野であるマーケティング支援やコンテンツ制作支援により業績は順調に推移しており、引き続き既存ビジネスと組み合わせることで、M&Aによるシナジーが期待できる。トータルサポートについては売上高264百万円、営業損失は13百万円となった。営業損失の理由は前述のとおりだが、主力のネットワーク機器販売をはじめとして堅調に推移しており、特に大手ホテルグループの大型案件を受注するなど、今後の業績への寄与が期待される。
(3) 研修事業
研修事業の売上高は315百万円(前年同期比14.2%減)、セグメント損失は2百万円(前年同期は18百万円の利益)となった。顧客からの要件に応じる形で提供するカスタマイズ研修は、前期にあった入札案件や前期に取引のあった企業案件の終了により前年同期比14.0%減となった。カスタマイズ研修の一部である新人研修もその影響を受けたが、入社後の第2四半期以降に新人研修のピークを迎えること、さらに2024年12月期第1四半期の契約額は前年同期比で104%と堅調に推移していることから、今後の好転が期待される。公募型の公開研修の売上高は、前年同期比15.0%減となった。ロットの大きな企業向けの提案案件については既存顧客にある程度行き渡ったこともあり売上減につながったが、個人顧客は増加傾向にあり期待できる。個人顧客は、従来型のビジネススキル習得等を目的とした研修から、AIやアナリティクス等の先端IT系やDX系の研修を求める動きを見せており、同社では今後、この領域に注力すると弊社では見ている。利益面では、人材投資による人件費の増加や新システム導入に伴う費用の影響もあり、セグメント損失を計上したが、売上の増加が見込める第2四半期以降に期待できると弊社は考えている。
同社資料によると、研修事業が属する企業向け研修市場の2022年度市場規模予測は、オンライン研修などのコロナ禍に対応した研修サービスが新たな需要を創出し、5,320億円にまで成長すると推計されていた。今後もDX推進人材を対象とした研修や、企業のリスキリング強化の需要の高まりによって、コロナ禍前以上のマーケットに拡大すると予測されている。
同社グループの研修事業については、主に国内のIT事業者・システムインテグレーター企業の新入社員向け研修を請け負っているため、毎年顧客企業が新卒社員を迎え入れる4〜6月期に売上及び利益が集中する傾向がある。引き続き利益成長をけん引すると弊社では考えている。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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