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マイクロアド Research Memo(4):消費者行動を分析し、顧客企業のデジタルマーケティングの課題を解決(3)

注目トピックス 日本株
*13:34JST マイクロアド Research Memo(4):消費者行動を分析し、顧客企業のデジタルマーケティングの課題を解決(3)
■会社概要

さらに、累計リピート月数が長くなるにつれて、顧客当たりの月額単価が拡大する傾向にある。マイクロアド<9553>のサービスを利用し、効果を実感するなかで、広告活動に投じる予算を顧客が段階的に増やしていることが要因だ。今後も新規アカウントの拡大と並行して、リピートアカウントが積み上がることにより、同社の業績も順調に拡大するものと想定される。

「UNIVERSE」の収益モデルは従量課金型であり、顧客がマーケティング活動を行うたびに同社に支払われる広告費とデータ費が売上として計上される仕組みである。

また、来たるべきPostCookie時代に向けて、同社の「UNIVERSE」は潜在顧客を対象としたブランドマーケティングに注力してきた。PostCookie時代のマーケティングトレンドとして同社は、3rd Party Cookieの活用を前提として購買直前の顧客にアプローチしていたダイレクトマーケティング市場は縮小し、代わって同社が得意とする潜在顧客を対象としたブランドマーケティング市場や顧客企業内部の1st Party Dataを活用した既存顧客向けマーケティング市場がさらに拡大する見ている。3rd Party Cookie廃止に伴う市場の変化にいち早く対応することにより先行者利益の獲得を目指している同社は2024年4月、企業が保有する1st Party Dataの分析や活用を支援する各種ソリューションを提供しているUNCOVER TRUTHを連結子会社化した。UNCOVER TRUTH社のソリューションを、潜在顧客を対象としたマーケティング領域に強みを有している「UNIVERSE」と連携することにより、PostCookie時代のマーケティングを包括的に提供できる土台の整備をしている。

b) デジタルサイネージサービス
連結子会社であるMADSが、広告主・ロケーションオーナーの双方をターゲットに「MONOLITHS」を提供している。ロケーションオーナーは自社が保有するデジタルサイネージを一括で管理できるCMSとして「MONOLITHS」を活用し、デジタルサイネージで配信するコンテンツをリアルタイムでWebブラウザを通じて管理できる。また、管理画面より広告枠を設定し、その広告枠をアドネットワークの広告在庫として提供できる。一方、広告主は「MONOLITHS」を使用することによって「渋谷エリア×土日×夕方」のような細かいセグメントで広告枠を買えることに加え、天気やSNSなどの外部データを配信に反映できる。同社のデジタルサイネージは、2024年9月期第2四半期末時点で屋外大型ビジョン、ドラッグストア、スーパーマーケット、美容サロン、タクシーなどの多様なロケーションに13万面超が設置されている。同社は広告主及び広告代理店がロケーションオーナーに支払う広告費の一部をプラットフォーム利用料として徴収するほか、ロケーションオーナーからCMS利用料を得る。

また、2024年9月期からは、新たに美容サロン専用タブレットメディア「OCTAVE」の提供を開始した。美容サロンの各座席に設置したタブレットで、来店客がインタラクティブに動画コンテンツを楽しむことができるサービスで、コンテンツ間に配信される動画広告の視認状況をタブレット搭載のカメラで検知し、顧客に広告掲載料を課金する収益モデルである。ビューアブル課金により効率的な広告配信を実現している。

(2) コンサルティング
同サービスには、「メディア向けコンサルティングサービス」と「海外コンサルティングサービス」が含まれる。

a) 「メディア向けコンサルティングサービス」
同サービスは、「MicroAd COMPASS」と、「Enhance」から構成される。

・「MicroAd COMPASS」
同プロダクトは、インターネット広告を掲載するメディア企業向け広告収益最大化サービスとして提供されている。RTBによるオークションによってリアルタイムで最も収益が見込める広告を瞬時に選択し、顧客の広告収益最大化に貢献している。その他、無償で利用できる豊富なアドサーバー機能、マルチデバイスへの対応、ブランド価値を守る柔軟な掲載可否設定などの特徴を有している。2024年9月期第2四半期末時点で累計2,000社を超えるインターネットメディアに導入されており、RTBを通じて多くのDSPと接続している。2024年9月期第2四半期末時点の月間広告配信回数は580億回にのぼっている。収益モデルとしては、メディア企業へ支払われる広告費の一部をプラットフォーム利用料として徴収している格好だ。

・「Enhance」
連結子会社であるエンハンスが、主にメディア企業の広告収益拡大に向けたコンサルティングサービスを提供している。各メディアの広告枠の運用を預かる形で、様々な広告サービスを組み合わせることで収益の最大化を実現し、コンサルティングフィーの形で収益をあげている。

b) 海外コンサルティングサービス
海外を拠点に顧客企業のデジタルマーケティングをメディアの買付からクリエイティブ制作までワンストップで支援している。特に台湾においては、独自のネイティブ向け広告プラットフォーム「COMPASS-FIT」、訪日インバウンドWebメディアの「Japaholic」とのタイアップ広告などを提供している。これらのサービスは差別化ポイントになることに加えて、利益率も高いことから今後も注力する方針だ。

また、海外コンサルティングサービスにおいては、外部の有力パートナーと連携した越境マーケティング事業も積極的に推進している。2023年10月に訪日外国人向けショッピングサポートアプリ「Payke(ペイク)」を展開する(株)Paykeとの資本業務提携により、インバウンドプロモーション支援事業を強化したほか、同年12月に宿泊業界向けDXソリューションを提供するTabiLife(株)との資本業務提携により、宿泊施設を接点としたインバウンドプロモーション支援事業を強化、2024年2月に荷物預かりサービス「ecbo cloak(エクボクローク)」を展開するecbo(株)との資本業務提携により、荷物の預かり場所を接点とした観光客向けプロモーション支援事業を強化、同年3月にPaykeと共同で消費財メーカーを対象とした訪日台湾人向けのインバウンドプロモーション支援サービス「In-Scan(インスキャン)」の提供を開始、同年4月に中国人アクティブシニア層を対象にインバウンド・アウトバウンド支援事業を手掛ける合弁会社「New B」を上海東犁文化?播有限公司と共同で設立するなどの各種施策を積極的に打っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)



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