ランドコンピュ Research Memo(1):2024年3月期は期初計画に対して売上高、営業利益ともに大幅に超過達成
[24/07/17]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*13:31JST ランドコンピュ Research Memo(1):2024年3月期は期初計画に対して売上高、営業利益ともに大幅に超過達成
■要約
ランドコンピュータ<3924>は、2021年1月に創立50周年を迎えた独立系中堅システムインテグレータである。安定事業基盤のシステムインテグレーション・サービスとインフラソリューション・サービスに加え、成長事業と位置付けるパッケージベースSI・サービスが積極的なM&Aにより急拡大している。季節性が緩和され、成長戦略が奏功するなど収益構造に変化が出ている。3ヶ年計画の初年度で、最終年度に目指していた売上高営業利益率を超過達成するなど、足元の業績は好調さが目立っている。
1. 2024年3月期の連結業績概要
2024年3月期連結業績は、売上高で前期比18.6%増の13,732百万円、営業利益で同41.5%増の1,729百万円、経常利益で同40.8%増の1,743百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同59.8%増の1,233百万円と、売上高及び各利益が過去最高業績を達成した。期初の計画比では、売上高が10.7%増、営業利益が21.0%増であった。売上高は、3つのサービスラインですべて前期比増収となった。そのうち、システムインテグレーション・サービスとパッケージベースSI・サービスは19.3%、20.5%と、それぞれ20%前後の高い伸び率だった。また、売上総利益率が、高付加価値ビジネスの推進により前期比0.6ポイント上昇の22.2%となった。パッケージベースSI・サービスの売上高構成比が同0.5ポイント上昇の34.0%となった。販管費は、処遇改定に伴う人件費の増加や新デジタル分野への人材育成費用等の人的資本投資に伴う経費が増加したものの、大幅増収により販管費率は同1.5ポイント低下の9.6%となった。これにより各利益も大幅な増益となり、売上高営業利益率は同2.0ポイント上昇の12.6%と大幅に収益性も改善した。営業利益率12.6%は中期経営計画「VISION 2025」の最終年度の目標12.0%を既に超過達成しており、3カ年計画の初年度は売上高の拡大ペース、利益率の上昇ペースともに申し分のない結果であったと評価できよう。
2. 2025年3月期の連結業績見通しと中期経営計画進捗状況
2025年3月期の連結業績については、売上高で前期比5.0%増の14,420百万円、営業利益で同7.5%増の1,860百万円、経常利益で同9.0%増の1,900百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同2.8%増の1,267百万円を見込んでいる。売上高は全てのサービスラインが引き続き堅調に推移すると見込んでいるが、そのなかでもパッケージベースSI・サービスの売上高がSAP関連ビジネスを中心に引き続き大きく拡大する見通しだ。システムインテグレーション・サービスの売上高は同0.4%増の7,600百万円とほぼ横ばいを見込んでいるが、国内ITサービス市場は引き続き緩やかな拡大基調が続くとみられ、同社の期初計画には上振れ余地が大きいと弊社では考えている。一方、同社では一部の不採算案件で2024年3月期の第4四半期に約6,600万円の受注損失引当金を計上したが、現時点でも当該案件の完了時期は見通せておらず、2025年3月期に追加での損失発生懸念が残っている点が今期業績のリスク要因となろう。中期計画最終年度である2026年3月期の定量的な業績目標は変更されていないが、初年度のロケットスタートを加味すれば大幅な超過達成となる可能性が高い。
3. 配当政策
「VISION 2025」では3ヶ年の配当性向基準を50%以上とし、従来の40%以上から引き上げた。2023年11月1日付けで普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行った。2024年3月期の1株当たり配当金は、中間配当金が10.0円、期末配当金が25.0円、年間配当金が35.0円と、前期から17.5円増の大幅な増配(配当性向は50.9%)となった。2025年3月期については、さらなる増益が見込めることから5年間配当金36.0円(前期比1.0円増配)を計画している。弊社では2025年3月期についてはさらなる配当性向の引き上げ余地は大きくないものの、同社の堅固な財務体質や好調な業績を踏まえると、2026年3月期以降に配当性向を現在の50%以上からさらに引き上げる余地は十分にあると考えている。
■Key Points
・2024年3月期は期初計画に対して売上高、営業利益ともに大幅に超過達成。特に営業利益率は12.6%と前期比で2.0ポイントの大幅な改善を記録、利益率は中期経営計画最終年度の目標値を初年度で達成
・2025年3月期は売上高、営業利益ともに2024年3月期を上回る計画である。「VISION 2025」への取り組みを着実に進め、積極的なM&Aや人材育成などを通じてさらなる事業拡大を進める計画
・配当性向目標を従来の40%以上から50%以上へと引き上げ、2024年3月期の年間配当金は35.0円へと大幅増配。財務体質の健全性を踏まえれば2026年3月期以降はさらなる引き上げ余地がある
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
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■要約
ランドコンピュータ<3924>は、2021年1月に創立50周年を迎えた独立系中堅システムインテグレータである。安定事業基盤のシステムインテグレーション・サービスとインフラソリューション・サービスに加え、成長事業と位置付けるパッケージベースSI・サービスが積極的なM&Aにより急拡大している。季節性が緩和され、成長戦略が奏功するなど収益構造に変化が出ている。3ヶ年計画の初年度で、最終年度に目指していた売上高営業利益率を超過達成するなど、足元の業績は好調さが目立っている。
1. 2024年3月期の連結業績概要
2024年3月期連結業績は、売上高で前期比18.6%増の13,732百万円、営業利益で同41.5%増の1,729百万円、経常利益で同40.8%増の1,743百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同59.8%増の1,233百万円と、売上高及び各利益が過去最高業績を達成した。期初の計画比では、売上高が10.7%増、営業利益が21.0%増であった。売上高は、3つのサービスラインですべて前期比増収となった。そのうち、システムインテグレーション・サービスとパッケージベースSI・サービスは19.3%、20.5%と、それぞれ20%前後の高い伸び率だった。また、売上総利益率が、高付加価値ビジネスの推進により前期比0.6ポイント上昇の22.2%となった。パッケージベースSI・サービスの売上高構成比が同0.5ポイント上昇の34.0%となった。販管費は、処遇改定に伴う人件費の増加や新デジタル分野への人材育成費用等の人的資本投資に伴う経費が増加したものの、大幅増収により販管費率は同1.5ポイント低下の9.6%となった。これにより各利益も大幅な増益となり、売上高営業利益率は同2.0ポイント上昇の12.6%と大幅に収益性も改善した。営業利益率12.6%は中期経営計画「VISION 2025」の最終年度の目標12.0%を既に超過達成しており、3カ年計画の初年度は売上高の拡大ペース、利益率の上昇ペースともに申し分のない結果であったと評価できよう。
2. 2025年3月期の連結業績見通しと中期経営計画進捗状況
2025年3月期の連結業績については、売上高で前期比5.0%増の14,420百万円、営業利益で同7.5%増の1,860百万円、経常利益で同9.0%増の1,900百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同2.8%増の1,267百万円を見込んでいる。売上高は全てのサービスラインが引き続き堅調に推移すると見込んでいるが、そのなかでもパッケージベースSI・サービスの売上高がSAP関連ビジネスを中心に引き続き大きく拡大する見通しだ。システムインテグレーション・サービスの売上高は同0.4%増の7,600百万円とほぼ横ばいを見込んでいるが、国内ITサービス市場は引き続き緩やかな拡大基調が続くとみられ、同社の期初計画には上振れ余地が大きいと弊社では考えている。一方、同社では一部の不採算案件で2024年3月期の第4四半期に約6,600万円の受注損失引当金を計上したが、現時点でも当該案件の完了時期は見通せておらず、2025年3月期に追加での損失発生懸念が残っている点が今期業績のリスク要因となろう。中期計画最終年度である2026年3月期の定量的な業績目標は変更されていないが、初年度のロケットスタートを加味すれば大幅な超過達成となる可能性が高い。
3. 配当政策
「VISION 2025」では3ヶ年の配当性向基準を50%以上とし、従来の40%以上から引き上げた。2023年11月1日付けで普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行った。2024年3月期の1株当たり配当金は、中間配当金が10.0円、期末配当金が25.0円、年間配当金が35.0円と、前期から17.5円増の大幅な増配(配当性向は50.9%)となった。2025年3月期については、さらなる増益が見込めることから5年間配当金36.0円(前期比1.0円増配)を計画している。弊社では2025年3月期についてはさらなる配当性向の引き上げ余地は大きくないものの、同社の堅固な財務体質や好調な業績を踏まえると、2026年3月期以降に配当性向を現在の50%以上からさらに引き上げる余地は十分にあると考えている。
■Key Points
・2024年3月期は期初計画に対して売上高、営業利益ともに大幅に超過達成。特に営業利益率は12.6%と前期比で2.0ポイントの大幅な改善を記録、利益率は中期経営計画最終年度の目標値を初年度で達成
・2025年3月期は売上高、営業利益ともに2024年3月期を上回る計画である。「VISION 2025」への取り組みを着実に進め、積極的なM&Aや人材育成などを通じてさらなる事業拡大を進める計画
・配当性向目標を従来の40%以上から50%以上へと引き上げ、2024年3月期の年間配当金は35.0円へと大幅増配。財務体質の健全性を踏まえれば2026年3月期以降はさらなる引き上げ余地がある
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
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