クオールHD Research Memo(5):2024年3月期は原価率上昇が響き減益となるも売上高は過去最高を更新
[24/07/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*15:35JST クオールHD Research Memo(5):2024年3月期は原価率上昇が響き減益となるも売上高は過去最高を更新
■業績動向
1. 2024年3月期の業績概要
クオールホールディングス<3034>の2024年3月期の連結業績は、売上高で前期比5.9%増の180,052百万円、営業利益で同12.3%減の8,324百万円、経常利益で同8.3%減の9,256百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同13.7%減の4,880百万円と増収減益となった。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の収束とともに保険薬局事業、医療関連事業ともに需要が回復し、売上高はほぼ会社計画どおりに着地し、3期連続で過去最高を更新した。一方、利益面では保険薬局事業における仕入マージンの悪化や地域支援体制加算の経過措置終了の影響、また医薬品製造販売事業における薬価改定や原材料コストの上昇、並びに新型コロナウイルス感染症向け抗原検査キットの販売減等が減益要因となった。会社計画比では保険薬局事業における仕入マージンの悪化や地域支援体制加算の取得店舗数が目標に届かなかったこと、医薬品製造販売事業における原材料コストの上昇等が下振れ要因となった。
事業セグメント別の業績を見ると、保険薬局事業は売上高で前期比6.3%増の165,099百万円、営業利益で同6.7%減の10,730百万円となり、営業利益率は6.5%と同0.9ポイント低下した。売上高は薬価改定等による処方箋単価下落の影響を、既存店舗における処方箋応需枚数の回復や新規出店・M&A効果等で吸収して連続増収となった。利益面では、医薬品の仕入マージン悪化と地域支援体制加算の経過措置終了に伴う技術料単価の低下が減益要因となった。特に、後発医薬品の供給不足が続くなか、医薬品卸との仕入交渉において当初想定していたよりも厳しい価格で妥結したことが利益率の悪化につながった。ここ最近は、外資系製薬企業を中心に医薬品の卸先を1品目1社に絞る傾向にもあり、同社から見れば値引き交渉が難しい環境になっていることも一因と見られる。
一方、医療関連事業は売上高で前期比2.0%増の14,952百万円、営業利益で同25.9%減の1,136百万円となった。旺盛なCMR需要を背景にCSO事業が増収増益となったほか、コロナ禍の収束に伴い薬剤師等の派遣需要回復が追い風となった医療系人材紹介派遣事業も2ケタ増収増益を達成するなど、好調に推移した。一方で、医薬品製造販売事業については薬価改定や原材料コスト上昇の影響で既存事業が減収減益となったことに加えて、2022年12月に発売した新型コロナウイルス感染症向け抗原検査キットの販売減も減益の要因となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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■業績動向
1. 2024年3月期の業績概要
クオールホールディングス<3034>の2024年3月期の連結業績は、売上高で前期比5.9%増の180,052百万円、営業利益で同12.3%減の8,324百万円、経常利益で同8.3%減の9,256百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同13.7%減の4,880百万円と増収減益となった。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の収束とともに保険薬局事業、医療関連事業ともに需要が回復し、売上高はほぼ会社計画どおりに着地し、3期連続で過去最高を更新した。一方、利益面では保険薬局事業における仕入マージンの悪化や地域支援体制加算の経過措置終了の影響、また医薬品製造販売事業における薬価改定や原材料コストの上昇、並びに新型コロナウイルス感染症向け抗原検査キットの販売減等が減益要因となった。会社計画比では保険薬局事業における仕入マージンの悪化や地域支援体制加算の取得店舗数が目標に届かなかったこと、医薬品製造販売事業における原材料コストの上昇等が下振れ要因となった。
事業セグメント別の業績を見ると、保険薬局事業は売上高で前期比6.3%増の165,099百万円、営業利益で同6.7%減の10,730百万円となり、営業利益率は6.5%と同0.9ポイント低下した。売上高は薬価改定等による処方箋単価下落の影響を、既存店舗における処方箋応需枚数の回復や新規出店・M&A効果等で吸収して連続増収となった。利益面では、医薬品の仕入マージン悪化と地域支援体制加算の経過措置終了に伴う技術料単価の低下が減益要因となった。特に、後発医薬品の供給不足が続くなか、医薬品卸との仕入交渉において当初想定していたよりも厳しい価格で妥結したことが利益率の悪化につながった。ここ最近は、外資系製薬企業を中心に医薬品の卸先を1品目1社に絞る傾向にもあり、同社から見れば値引き交渉が難しい環境になっていることも一因と見られる。
一方、医療関連事業は売上高で前期比2.0%増の14,952百万円、営業利益で同25.9%減の1,136百万円となった。旺盛なCMR需要を背景にCSO事業が増収増益となったほか、コロナ禍の収束に伴い薬剤師等の派遣需要回復が追い風となった医療系人材紹介派遣事業も2ケタ増収増益を達成するなど、好調に推移した。一方で、医薬品製造販売事業については薬価改定や原材料コスト上昇の影響で既存事業が減収減益となったことに加えて、2022年12月に発売した新型コロナウイルス感染症向け抗原検査キットの販売減も減益の要因となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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