ADワークスグループ Research Memo(6):2024年12月期業績は2期連続で過去最高を更新する見通し
[24/09/13]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*15:06JST ADワークスグループ Research Memo(6):2024年12月期業績は2期連続で過去最高を更新する見通し
■ADワークスグループ<2982>の業績動向
4. 2024年12月期の業績見通し
2024年12月期の連結業績は、売上高で前期比13.7%増の47,000百万円、営業利益で同22.9%増の3,000百万円、税金等調整前当期純利益で同11.3%増の2,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同10.2%増の1,565百万円と期初計画を据え置き、2期連続で過去最高を更新する見通しだ。
日銀の金利政策転換により今後、国内で緩やかな金利の引き上げが見込まれる。金利動向が不動産市況に与える影響については注視しておく必要があるが、同社が展開している大都市圏における10〜20億円規模のオフィスビルやマンションに対する投資需要は外国人投資家も含めて引き続き旺盛であり、金利水準が多少上昇したとしてもマーケットに与えるインパクトは軽微と弊社では考えている。また、同社では不動産小口化商品「ARISTO」シリーズなど商品企画力を生かした販売展開により顧客層の裾野拡大に成功していることも収益拡大を後押しする要因になると考えられる。第2四半期までの進捗率は、売上高で44.3%、税金等調整前当期純利益で63.8%となっており、下期は収益不動産物件の売却を進める方針であることから、通期計画の達成は十分可能と弊社では見ている。
(1) 収益不動産販売事業
収益不動産販売事業のうち、国内は金利動向も注視しながら需要が旺盛な都心部や地方の政令都市等で10〜20億円規模のオフィスビル、マンションの仕入活動を継続する。期末収益不動産残高は前期末比0.5%増の450億円とほぼ横ばい水準を計画していたが、第2四半期末で500億円を上回る水準となったこともあり、下期に物件売却を進めたとしても450〜500億円の範囲内で落ち着くものと予想される。
不動産小口化商品の下期の販売計画として、「ARISTO西新宿」(4F建て築浅マンション、販売総額11.4億円)、「ARISTO博多」(7F建て築浅店舗・事務所ビル、販売総額7.25億円)の2商品の完売の目途が立っているほか、「ARISTO西麻布II」(新築店舗・事務所ビル)の販売も開始している。期初計画では不動産小口化商品で約80億円の販売を計画していたが、これらがすべて完売すれば90億円前後になるものと予想される。
米国についてはFRBによる金融政策の転換により、2024年9月以降は金利が低下局面に入る見通しである。とは言え、足元は金利高の状況であることに変わりなく、2024年12月期については引き続き慎重姿勢で仕入・販売活動を進める方針であり、積極姿勢に転じるのは2025年12月期に入ってからとなりそうだ。特に、同社が営業エリアとしているロサンゼルスは2028年にオリンピックの開催が予定されている。不動産市況も活況になることが予想され、同社にとっては事業拡大の好機となる。同社は従来、4〜6ユニットの中古アパートの仕入・販売を中心に行っていたが、販売価格帯が3〜4百万ドルの物件は、初めて海外の不動産物件を購入する顧客にとっては投資負担が重いこともあって、ユニット数の少ない物件やロサンゼルス郊外の物件の取り扱いも検討している。なお、2024年5月に竣工を予定していたハワイの賃貸マンションについては、行政側の手続きが遅れており、竣工時期が2024年末頃となる見通しだ。当面は自社で保有し、賃貸収入を獲得する。
(2) ストック型フィービジネス
ストック型フィービジネスのうち賃料収入については、期初計画で前期並みの水準を見込んでいた。上期は減収となったものの、下期は稼動率の上昇が見込まれることから前期並みの水準まで挽回することは可能と弊社では見ている。スミカワADDによる工事・改修収入については、特定顧客のマンション修繕工事に集中する方針のため同顧客からの受注次第ではあるが、利益ベースでは前期比横ばい水準を見込んでいる。また、エー・ディー・パートナーズについては不動産管理収入の落ち込みを医療モールのMLSL事業の増加でカバーし、増収増益となる見通し。
(3) 新規事業
CVC事業やFA事業については、業績への影響が軽微なため計画には織り込んでいない。FA事業で2023年に契約し持分法適用関連会社(出資比率27%)となっていた地域新聞社については、2024年7月にノンコミットメント型ライツ・オファリングによる第7回新株予約権を発行した。同社も保有株式数に応じた新株予約権を割り当てられたが、すべて売却したことを発表している。同新株予約権の行使状況によっては出資比率が15%を下回り持分法適用関連会社から外れる可能性もある(行使期限は2024年9月11日)。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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■ADワークスグループ<2982>の業績動向
4. 2024年12月期の業績見通し
2024年12月期の連結業績は、売上高で前期比13.7%増の47,000百万円、営業利益で同22.9%増の3,000百万円、税金等調整前当期純利益で同11.3%増の2,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同10.2%増の1,565百万円と期初計画を据え置き、2期連続で過去最高を更新する見通しだ。
日銀の金利政策転換により今後、国内で緩やかな金利の引き上げが見込まれる。金利動向が不動産市況に与える影響については注視しておく必要があるが、同社が展開している大都市圏における10〜20億円規模のオフィスビルやマンションに対する投資需要は外国人投資家も含めて引き続き旺盛であり、金利水準が多少上昇したとしてもマーケットに与えるインパクトは軽微と弊社では考えている。また、同社では不動産小口化商品「ARISTO」シリーズなど商品企画力を生かした販売展開により顧客層の裾野拡大に成功していることも収益拡大を後押しする要因になると考えられる。第2四半期までの進捗率は、売上高で44.3%、税金等調整前当期純利益で63.8%となっており、下期は収益不動産物件の売却を進める方針であることから、通期計画の達成は十分可能と弊社では見ている。
(1) 収益不動産販売事業
収益不動産販売事業のうち、国内は金利動向も注視しながら需要が旺盛な都心部や地方の政令都市等で10〜20億円規模のオフィスビル、マンションの仕入活動を継続する。期末収益不動産残高は前期末比0.5%増の450億円とほぼ横ばい水準を計画していたが、第2四半期末で500億円を上回る水準となったこともあり、下期に物件売却を進めたとしても450〜500億円の範囲内で落ち着くものと予想される。
不動産小口化商品の下期の販売計画として、「ARISTO西新宿」(4F建て築浅マンション、販売総額11.4億円)、「ARISTO博多」(7F建て築浅店舗・事務所ビル、販売総額7.25億円)の2商品の完売の目途が立っているほか、「ARISTO西麻布II」(新築店舗・事務所ビル)の販売も開始している。期初計画では不動産小口化商品で約80億円の販売を計画していたが、これらがすべて完売すれば90億円前後になるものと予想される。
米国についてはFRBによる金融政策の転換により、2024年9月以降は金利が低下局面に入る見通しである。とは言え、足元は金利高の状況であることに変わりなく、2024年12月期については引き続き慎重姿勢で仕入・販売活動を進める方針であり、積極姿勢に転じるのは2025年12月期に入ってからとなりそうだ。特に、同社が営業エリアとしているロサンゼルスは2028年にオリンピックの開催が予定されている。不動産市況も活況になることが予想され、同社にとっては事業拡大の好機となる。同社は従来、4〜6ユニットの中古アパートの仕入・販売を中心に行っていたが、販売価格帯が3〜4百万ドルの物件は、初めて海外の不動産物件を購入する顧客にとっては投資負担が重いこともあって、ユニット数の少ない物件やロサンゼルス郊外の物件の取り扱いも検討している。なお、2024年5月に竣工を予定していたハワイの賃貸マンションについては、行政側の手続きが遅れており、竣工時期が2024年末頃となる見通しだ。当面は自社で保有し、賃貸収入を獲得する。
(2) ストック型フィービジネス
ストック型フィービジネスのうち賃料収入については、期初計画で前期並みの水準を見込んでいた。上期は減収となったものの、下期は稼動率の上昇が見込まれることから前期並みの水準まで挽回することは可能と弊社では見ている。スミカワADDによる工事・改修収入については、特定顧客のマンション修繕工事に集中する方針のため同顧客からの受注次第ではあるが、利益ベースでは前期比横ばい水準を見込んでいる。また、エー・ディー・パートナーズについては不動産管理収入の落ち込みを医療モールのMLSL事業の増加でカバーし、増収増益となる見通し。
(3) 新規事業
CVC事業やFA事業については、業績への影響が軽微なため計画には織り込んでいない。FA事業で2023年に契約し持分法適用関連会社(出資比率27%)となっていた地域新聞社については、2024年7月にノンコミットメント型ライツ・オファリングによる第7回新株予約権を発行した。同社も保有株式数に応じた新株予約権を割り当てられたが、すべて売却したことを発表している。同新株予約権の行使状況によっては出資比率が15%を下回り持分法適用関連会社から外れる可能性もある(行使期限は2024年9月11日)。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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