ソニーコンピュータサイエンス研究所のリサーチャー 古屋晋一がクライン・フォーゲルバッハ賞を受賞
[20/01/27]
TOKYO, Jan 27, 2020 - (JCN Newswire) - 株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所(本社:東京都品川区・代表取締役社長北野宏明、以下ソニーCSL)のリサーチャー 古屋晋一が、身体運動科学(Movement Science)の分野で国際的に権威のある2019年のクライン・フォーゲルバッハ賞(Susanne Klein-Vogelbach-Prize for the Research of Human Movement)を受賞しました。
クライン・フォーゲルバッハ賞は1999年にスイスで創設された身体運動科学(Movement Science)の研究者に与えられる賞で、「機能的運動療法(FBL)」を提唱したスザンヌ・クライン・フォーゲルバッハ(1909-1996)の名前を冠にしています。同分野では国際的に権威ある賞とされており、サイエンスやランセット、ネイチャーなどの学術誌に掲載された研究がこれまで受賞してきました。当該分野から過去二年に出版された論文から選定されるものです。
この度、古屋リサーチャー等による音楽家の局所性ジストニアの病態を非侵襲脳刺激と身体運動計測に機械学習を組み合わせて調査、研究した成果をまとめた論文で受賞しました。なお日本人の同賞受賞者は初めてとなります。
音楽家の局所性ジストニアは、過度な練習が引き金となり発症する脳神経疾患であり、演奏者の意図に反した動きが演奏を阻害するものです。その脳神経機序は従来不明でしたが、非侵襲刺激検査と動作分析結果の関連を機械学習で同定することで、俊敏性と正確性の低下には、大脳皮質運動野の興奮性の過剰亢進と抑制低下という異なる機能異常が関わっていることを明らかにしました。
クライン・フォーゲルバッハ賞受賞一覧:https://www.kv-award.de/award-recipients
2019 Dr. Furuya, Shinichi, Tokyo, Japan
論文:
"Aberrant cortical excitability reflects the loss of hand dexterity in musician's dystonia"
Shinichi Furuya, Kazumasa Uehara, Takashi Sakamoto and Takashi Hanakawa
The Journal of Physiology※
2018 Jun 15; 596(12): 2397-2411.
https://physoc.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1113/JP275813
※The Journal of Physiologyは1878年に設立された生理学分野では最高の論文引用数である査読付き科学雑誌であり,生理学会を代表して出版社Wiley-Blackwellより発行されています。
古屋リサーチャーは音楽家の身体や脳の働きを解明し、最適なトレーニング手法の開発を通じて多種多様な音楽表現を持続可能な創造へ導くための研究を2017年よりソニーCSLで行っています。
音楽家は一般的に幼少期から数万時間に及ぶ練習を積み重ねていますが、その練習法や指導法は今なお大半が経験則に基づいています。そのため、音楽家が思い描いた表現ができなかったり、演奏の過程で身体を痛めてしまう問題が後を絶たない状況が続いています。古屋リサーチャーは音楽家の想像性を創造に繋げる最適な手法を科学的に確立し、「文化が進化し続ける世界」をつくることを目標に掲げて活動を続けています。
古屋リサーチャーのコメント
『音楽家の局所性ジストニアの研究は、ハノーファー音楽演劇大学の音楽生理学・音楽家医学研究所の勤務時から着手し、その後も共同研究者らのサポートのおかげで今回の受賞に至ることができました。2020年からソニーCSLとハノーファー音大は、音楽家の健康を守り熟達を支援するために提携し、研究開発と社会実装をシームレスに循環させるサーキュラー・リサーチに共同で取り組むことに合意しました。国際連携を深めながら、音楽家のための一気通貫のダイナフォーミックス研究*を加速させることに挑戦していきます。』
* ダイナフォーミックス研究URL:https://www.sonycsl.co.jp/sp/7931/
ソニーCSLは、これからも新たな研究領域や研究パラダイム、新技術や新事業を創出し、人類・社会の貢献に向け取り組んでいきます。
本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://www.sonycsl.co.jp/press/prs20200127/
概要:ソニー
詳細は www.sony.co.jp をご覧ください。
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クライン・フォーゲルバッハ賞は1999年にスイスで創設された身体運動科学(Movement Science)の研究者に与えられる賞で、「機能的運動療法(FBL)」を提唱したスザンヌ・クライン・フォーゲルバッハ(1909-1996)の名前を冠にしています。同分野では国際的に権威ある賞とされており、サイエンスやランセット、ネイチャーなどの学術誌に掲載された研究がこれまで受賞してきました。当該分野から過去二年に出版された論文から選定されるものです。
この度、古屋リサーチャー等による音楽家の局所性ジストニアの病態を非侵襲脳刺激と身体運動計測に機械学習を組み合わせて調査、研究した成果をまとめた論文で受賞しました。なお日本人の同賞受賞者は初めてとなります。
音楽家の局所性ジストニアは、過度な練習が引き金となり発症する脳神経疾患であり、演奏者の意図に反した動きが演奏を阻害するものです。その脳神経機序は従来不明でしたが、非侵襲刺激検査と動作分析結果の関連を機械学習で同定することで、俊敏性と正確性の低下には、大脳皮質運動野の興奮性の過剰亢進と抑制低下という異なる機能異常が関わっていることを明らかにしました。
クライン・フォーゲルバッハ賞受賞一覧:https://www.kv-award.de/award-recipients
2019 Dr. Furuya, Shinichi, Tokyo, Japan
論文:
"Aberrant cortical excitability reflects the loss of hand dexterity in musician's dystonia"
Shinichi Furuya, Kazumasa Uehara, Takashi Sakamoto and Takashi Hanakawa
The Journal of Physiology※
2018 Jun 15; 596(12): 2397-2411.
https://physoc.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1113/JP275813
※The Journal of Physiologyは1878年に設立された生理学分野では最高の論文引用数である査読付き科学雑誌であり,生理学会を代表して出版社Wiley-Blackwellより発行されています。
古屋リサーチャーは音楽家の身体や脳の働きを解明し、最適なトレーニング手法の開発を通じて多種多様な音楽表現を持続可能な創造へ導くための研究を2017年よりソニーCSLで行っています。
音楽家は一般的に幼少期から数万時間に及ぶ練習を積み重ねていますが、その練習法や指導法は今なお大半が経験則に基づいています。そのため、音楽家が思い描いた表現ができなかったり、演奏の過程で身体を痛めてしまう問題が後を絶たない状況が続いています。古屋リサーチャーは音楽家の想像性を創造に繋げる最適な手法を科学的に確立し、「文化が進化し続ける世界」をつくることを目標に掲げて活動を続けています。
古屋リサーチャーのコメント
『音楽家の局所性ジストニアの研究は、ハノーファー音楽演劇大学の音楽生理学・音楽家医学研究所の勤務時から着手し、その後も共同研究者らのサポートのおかげで今回の受賞に至ることができました。2020年からソニーCSLとハノーファー音大は、音楽家の健康を守り熟達を支援するために提携し、研究開発と社会実装をシームレスに循環させるサーキュラー・リサーチに共同で取り組むことに合意しました。国際連携を深めながら、音楽家のための一気通貫のダイナフォーミックス研究*を加速させることに挑戦していきます。』
* ダイナフォーミックス研究URL:https://www.sonycsl.co.jp/sp/7931/
ソニーCSLは、これからも新たな研究領域や研究パラダイム、新技術や新事業を創出し、人類・社会の貢献に向け取り組んでいきます。
本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://www.sonycsl.co.jp/press/prs20200127/
概要:ソニー
詳細は www.sony.co.jp をご覧ください。
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