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独自のドキュメント技術を用いて診療記録の二次利用を効率化する新しいシステムを開発

2011年1月5日

富士ゼロックス株式会社

当社独自のドキュメント技術を用いて
診療記録の二次利用を効率化する新しいシステムを開発
津山中央病院との共同実験で有効性を確認

 富士フイルムグループの富士ゼロックス株式会社(本社:東京都港区赤坂9-7-3、社長:山本 忠人、資本金200億円)は、病院が紙や電子で保管する診療記録の二次利用を効率化するシステムを開発し、財団法人津山慈風会 津山中央病院(岡山県津山市川崎1756、病院長:藤木茂篤氏、以下、津山中央病院)と共同で評価実験を実施、その有効性を確認しました。

■医療現場の課題
 医療の現場では情報管理のIT化が進みつつある一方、医療の質向上や病院経営の改善を目的とした情報の新しい活用(二次利用)に対するニーズが高まっています。しかし、多くの病院では電子カルテ、検査システム、会計システムなどシステム毎に診療記録が個別管理されていたり、紙の資料が散在したりしています。そうした多様で膨大な診療記録から必要な情報を入手するには、人手で情報を集め、手作業や目視で確認、集計するといった人的工数が必要で、二次利用がなかなか進まないという課題があります。

■今回開発したシステムの位置づけ
 当社は、電子や紙の多様な診療記録を汎用的な電子のドキュメント形式に統一し、原本性を担保して集中管理する「診療記録統合管理ソリューション」を昨年から本格展開しています。記録の保管・管理にとどまらず、有効活用というニーズにも今後応えていくため、津山中央病院と連携し、保管されている記録を迅速かつ効率的に活用できるシステムを試作し、評価実験を行ないました。

■システムの概要
 通常、ITを活用して文書から情報抽出するためには、集計目的に合わせた文書のフォーマットをあらかじめ決める必要があります。さらに、一度決めたフォーマットで運用開始すると、情報追加や変更に柔軟に対応できず、そのために多大な工数を要するのが現状です。
 本システムの最大の特長は、どの文書のどの場所にある情報をどんな形式で抽出するかというルールを、既存の文書に対して後から設定でき、記録の二次利用の多様な要求に柔軟に対応できることです。
 ドキュメントを得意とする当社が長年培った、スキャン文書の情報を高精度で解析する画像処理技術や、解析した結果(チェックの有無や画像など)を希望の形式に変換して集計できるハンドリング技術を高度に組み合わせ、PC画面で文書をプレビューしながら、ドラッグ&ドロップなどの簡易な操作で情報抽出・集計を行なえるようにしました。
 これにより、従来は手作業に頼らざるをえなかった情報収集や集計の工数を大幅に削減することが可能になります。電子文書はもちろん、スキャンした紙文書にも対応し、一度ルールを決めれば、同じレイアウトの文書を大量に一括処理することも可能です。
 津山中央病院との実験では、患者満足度アンケートや問診票など、手書きで記入する形式の定型文書をスキャンして電子文書に変換し、そこから情報を抽出する実験を行ない、高精度のデータ抽出と自動的な集計作業の実施に成功し、今後の実用化に向けた有効性を確認しました。
 さらに機能を強化し、適用範囲を広げることで、たとえば既往歴・生活歴として問診票に記載された情報を自動集計して合併症のリスク評価を行ない、高リスク患者を抽出するなど、診療行為における判断材料とすることも可能になります。
 今回開発したシステムは、今後も津山中央病院の業務への適用など、より高度な評価実験を行ないながら実用化を目指し、医療の質向上に貢献してまいります。


今回試作したシステムの位置づけ



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