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超解像顕微鏡のための高精度色収差補正ソフトウェアを開発・無償公開

2018年5月22日

国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)

超解像顕微鏡のための高精度色収差補正ソフトウェアを開発・無償公開

【ポイント】
■ 生命科学・医学の研究に有用な顕微鏡画像の色ズレ補正法を開発
■ 超解像顕微鏡に不可欠な色収差補正精度を従来の約10倍に向上
■ 本技術を用いたソフトウェアを無償で公開、バイオ分野における超解像顕微鏡法の利用を促進

 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、理事長: 徳田 英幸)は、未来ICT研究所において、超解像顕微鏡のための高精度色収差補正ソフトウェアを開発しました。大阪大学、オックスフォード大学と共同で開発した本技術により、生命科学に用いる高度な蛍光顕微鏡における色収差補正精度を従来から約10倍向上させ、3次元で約15 nm(nmは1 mmの百万分の1)の精度を達成しました。これまで障壁となっていた観察対象の生体試料が引き起こす色収差を計測する技術を開発し、生命科学・医学研究にとって不可欠な多色観察の高解像度化を推進できるものと期待されています。この技術を使用できるソフトウェアを公開しました。
 なお、この成果は英国オープンアクセス科学誌「Scientific Reports」に2018年5月15日に掲載されました。

【背景】
 NICTでは、生命進化の成果に学び、未来社会を拓く新しい情報通信パラダイムの創出につながる基礎となる研究を実施しています。バイオ研究の基盤技術である蛍光顕微鏡の開発は、バイオ分野の研究の進展を左右する鍵となる重要な技術開発です。そのような開発の一例である超解像顕微鏡法(2014年ノーベル化学賞)の開発により、蛍光顕微鏡の分解能は飛躍的に向上しました。しかし、その結果、これまで無視することができた色収差(光の色ズレ)が問題として浮上してきました。超解像顕微鏡法では、異なる生体分子を多色で染め分けることによって、異なる生体分子を別々の色で観察できます(図1参照)。分解能が低ければ多少の色ズレは気になりませんが、分解能が向上すると僅かな色ズレでも、同じ場所にあるのか別々の場所にあるのか、全く異なった結論を導きかねません。

【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201805184070-O1-7JuCd298
図1: 蛍光顕微鏡の多色観察の例

【今回の成果】
 本研究は、顕微鏡のレンズなどが引き起こす色収差に加え、観察対象の生体試料により引き起こされる色収差も計測し、補正できる手法を開発し、超解像顕微鏡法の色収差補正精度を従前から約10倍向上させることに成功しました。従来は、人工的な校正用サンプルの色収差を計測し、その色収差を補正していたため、観察対象の生体試料により引き起こされる色収差を補正できませんでした。
 本研究では、画像取得法と計算方法の両面から開発を行いました。画像取得法では、観察試料の中にある同一の対象物を多色で染め分ける方法や、通常はフィルターでカットしてしまう余分な蛍光を使って観察するなど複数の方法によって、観察試料の色収差により色ズレした画像を取得することに成功(※)しました。このように撮影した画像と、今回開発した新しい計算方法である「四象限位相相関」を用いて、複雑な色収差量を高精度に測定することに成功しました。
 観察試料により変化する色収差のため、従来は3次元で約100-300 nmの補正精度しか得られませんでしたが、本研究の方法を用いれば、3次元で約15 nmの色収差補正精度を達成することができました。この方法により、近年飛躍的に分解能が向上した超解像顕微鏡の画像を正しく解釈できるようになります。
 バイオの研究進展に役立てるため、開発した高精度色収差補正ソフトウェアを無償で公開しています。
 
<ダウンロードの仕方>
https://github.com/macronucleus/Chromagnon/releasesから、最新版(v0.6)パッケージをダウンロードできます。

※ 特開2015-216495、特願2014-097942

【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201805184070-O2-tA7V4G3f
図2: 今回開発した高精度の色収差補正ソフトウェアのスクリーンショット

【今後の展望】
 色ズレのない顕微鏡画像を用いれば、生体分子間の距離を高精度で計測できるようになります。従来は電子顕微鏡でしか行えなかった計測が、蛍光顕微鏡で細胞を生かしたまま簡単に行えるようになります。NICTでは、色収差補正精度を更に高めるとともに、色ズレのない顕微鏡画像を用いた応用研究を行う予定です。

◇本研究は、JSPS科研費 JP16H01440の助成を受けて行ったものです。
 MEXT/JSPS KAKENHI Grant Number JP16H01440 “Resonance Bio”


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