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電通PRコンサルティングの企業広報戦略研究所が生活者1万人対象「2021年度 ESG/SDGsに関する意識調査」発表

2021年9月28日
企業広報戦略研究所(C.S.I.)
(株式会社電通PRコンサルティング内)

 
生活者1万人を対象とした『2021年度  ESG/SDGsに関する意識調査』結果
「ESGレピュテーション」を最も獲得しているのは「飲料」業界

 
企業広報戦略研究所(所長:阪井完二、所在地:東京都港区、株式会社電通PRコンサルティング内)は、本年6月末、生活者1万人を対象とした「2021年度 ESG※1 /SDGs※2に関する意識調査」を実施しました。
今年の調査では、注目度が高まっているESGにフォーカスをしました。企業のESGに関する取り組みの中でも、特に企業広報として生活者などステークホルダーに伝えるべき項目に着目し、企業広報戦略研究所の独自の視点からESG項目を設定しました。そのうえで、生活者に「積極的に取り組んでいる」と感じられているESG項目を測定し、「ESGレピュテーション(評判)」として算出しました。そのほか、ESGの情報入手経路なども調査しました。
 主な調査結果は以下の通りです。

調査結果のポイント

1.ESGレピュテーション業界ランキング:
 1位「飲料」、2位「鉄鋼・重機」、3位「損保・生保・商社」
ESGレピュテーション1位の飲料業界は「E:環境」の割合が大きく、3位の損保・生保・商社業界は、「S:社会」と「G:ガバナンス」が大きいなど、伝わっている項目は業界ごとの特色が見られる結果に

2.ESG項目別ランキング:
 1位は「S:社会」の「消費者にとってわかりやすい表示・説明」 
企業が取り組むESG24項目のうち、生活者に最も「積極的に取り組んでいる」と感じられているのは、 「消費者にとってわかりやすい表示・説明」(26.2%) 

3.ESGに関する取り組みの認知経路は、 「テレビ番組」「商品・サービスの購入」がほぼ同率でトップ
情報源カテゴリ別の項目で見ると、「リアル」の接点が最もスコアが高く(31.4%)、次いで「メディアの番組・記事」(29.2%)という結果に

4.SDGsの認知率は昨年比約2倍の76.7%
 生活者の関心が最も高いSDGs項目は「すべての人に健康と福祉を」
生活者の関心の高いSDGs項目、トップ3は「すべての人に健康と福祉を」「貧困をなくそう」 「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」

5.ESG・SDGsの取り組み認知後、生活者の半数以上が行動
企業のESG・SDGsの取り組みを認知すると、生活者の半数以上(56.4%)はウェブサイトの閲覧や商品・サービスの購入など、その企業に対し何かしらの行動を起こしている

※本リリース上のスコア構成比(%)は小数第2位以下を四捨五入しているため、表において加減の結果が小数第1位で異なる場合や、合計が必ずしも100%にならない場合があります。 

ESG/SDGsに関する意識調査  〜ESGレピュテーション業界ランキング〜
ESGレピュテーション業界ランキング:
1位「飲料」、2位「鉄鋼・重機」、3位「損保・生保・商社」
?伝わっている「E」「S」「G」の項目は業界ごとの特色が見られる結果に

 初めに生活者1万人に対して、ESGを知っているかを聞いてみると、約3人に1人が認知していることが分かりました(「詳しく知っている」「聞いたことはある」の合計が33.1%)。昨年と比較しても約10pt増加しており、年々認知が拡大していることが分かります。

 本調査ではESG経営を推進しようとする日本企業の多くが採用しているESG情報開示の枠組みであるGRIスタンダード※3とSASBスタンダード※4の2つの指標と、日本企業のESG関連開示状況を参考に企業広報戦略研究所の独自視点で調査設計を行いました。特に企業広報として生活者などステークホルダーに伝えるべき項目に着目し、ESGそれぞれ8つずつ合計24のESG項目を設定しました([図表2]参照)。その上で、企業が「積極的に取り組んでいる」と生活者が感じているESG項目の回答を合計することで、企業のESGへの取り組みに対する評判を「ESGレピュテーション」として算出しました。

 業界別で見ると、1位「飲料」業界(10,147ポイント)、2位「鉄鋼・重機」業界(9,636ポイント)、3位「損保・生保・商社」業界(8,918ポイント)という結果になりました[図表1]。
 1位の「飲料」業界のESG構成比を見ると、「E:環境」の割合がトップであり、ボトルのリサイクルなど、生活者が認知しやすい取り組みを積極的かつ効果的に発信できていることが要因の一つだと考えられます。一方、3位の「損保・生保・商社」業界は「S:社会」と「G:ガバナンス」の割合が大きく、生活者への説明責任や消費者保護などが強く求められる業界の特徴が表れた結果ではないかと推察されます。このように「E」「S」「G」の構成比は業界によって異なり、自社の強みや事業内容に沿った情報発信が重要であることが分かります。

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202109270618-O7-4ElGOgd7

ESG/SDGsに関する意識調査  〜注目のESG項目とは〜
ESG項目別ランキング:
1位は「S:社会」の「消費者にとってわかりやすい表示・説明」

 次に、生活者が企業に対して「積極的に取り組んでいる」と感じるESG24項目をランキングにして見ると、1位は「S:社会」の「消費者にとってわかりやすい表示・説明」(26.2%)でした[図表2]。直接消費者へ向けられた誠実な姿勢・情報発信は認知されやすく、どの業界・企業においても必須の取り組みであると考えられます。

 次いで、2位も1位と同じく「S」の「従業員にとってわかりやすい表示・説明」(23.9%)、3位は「E:環境」の「リサイクルなど資源の有効活用」(23.4%)となり、社会と環境に関する項目が上位を占めています。

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202109270618-O4-eFaJns4N

ESG/SDGsに関する意識調査  〜注目のESG項目とは〜
?企業の「G:ガバナンス」に、株式保有者はより注目

 ESG24項目について、株式の保有状況別で「積極的に取り組んでいる」と感じる項目の認知状況の違いを見ると、全ての項目において株式保有者の方が非保有者よりも、企業に対して「積極的に取り組んでいる」と感じる割合が高いことが分かりました[図表3]。さらに、株式保有者の中でも、「月に1度以上取引(売買)している人」と、「月に1度未満取引(売買)している人」に分けて見てみると、「月に1度以上取引(売買)している人」の方がより高くなっています。

 また、「月に1度以上取引(売買)している人」と非保有者の差を見ると、最も大きな差が出た項目は「G」の「透明性の高い経営体制の構築」(16.9pt差)でした。これは、コロナ禍における事業継続性への懸念や、相次ぐ企業不祥事、さらには来春に予定されている東証の市場改革などが影響していると推察できます。

 次いで差が大きい項目は「S」の 「生産者の労働環境や生活への配慮(フェアトレードの推進)」(14.3pt差)や、「G」の「人材の多様性の確保に関する方針・制度の公開」(13.7pt差)などでした。

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202109270618-O10-03nJ8SNg

ESG/SDGsに関する意識調査  〜ESG項目の情報源〜
ESGに関する取り組みの認知経路は、
「テレビ番組」「商品・サービスの購入」がほぼ同率でトップ
? ESGに関する取り組みの認知には、リアルな体験とメディアの番組・記事がカギ 

 続いて、「企業のESGに関する取り組みをどのようなところで見聞きしたか」を聴取しました。その結果、1位「テレビ番組」(16.9%)、2位「商品・サービスを購入して」(16.8%)、3位「ウェブメディア」(11.8%)、4位「テレビCM」(9.4%)、5位「新聞記事」(8.7%)となりました[図表4]。

 上位5項目の中で、1位、3位、5位はメディアの番組・記事であることから、メディアによる第三者視点が入った情報の影響力が大きいことが分かります。また、2位にはリアルな接点である「商品・サービスを購入して」が入っており、自社のESGの考え方を商品・サービスに込めていくことの重要性がうかがえます。
 さらに、情報源を「リアル」「メディアの番組・記事」「ソーシャルメディア」「オウンドメディア」「メディアの広告」という5つのカテゴリに分けて見ると、「リアル」の接点が最も高く(31.4%)、次いで「メディアの番組・記事」(29.2%)、「メディアの広告」(12.8%)となりました[図表5]。各企業のソーシャルメディアの活用も進んでいますが、ESGの取り組みの認知経路としてはまだあまり大きな影響力を持っていないことが分かる結果となりました。

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202109270618-O9-2Lt22NME

ESG/SDGsに関する意識調査  〜SDGsへの認知・関心〜
SDGsの認知率も大きく伸長し、昨年比約2倍の76.7%
最も関心の高いSDGs項目は「すべての人に健康と福祉を」

 本調査では、SDGsについても質問しました。まずSDGsを知っているかを聞くと、「知っている」(「詳しく知っている」「聞いたことはある」の合計)と回答した人は76.7%でした。昨年の約2倍に増加し、大きく認知が進んでいることが分かります[図表6]。中でも約3人に1人(31.0%)は「詳しく知っている」と回答しており、SDGsという単語の認知だけでなく、内容の理解まで進みつつあることがうかがえる結果となりました。

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202109270618-O3-IQ79vI88
 また、「SDGs」の達成目標について、関心のある項目を聞くと、上位は1位「すべての人に健康と福祉を」、2位「貧困をなくそう」、3位「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」という結果になりました[図表7]。

 1位の「すべての人に健康と福祉を」については、コロナ禍で日本だけでなく世界規模で健康や医療・福祉などの重要性を感じたり、改めて見直す機会が増えていることで、ますます注目されていると考えられます。

 また、3位はエネルギー関連の項目となりました。近年再生可能エネルギーの活用が推進されているほか、温暖化や異常気象、自然災害が今年も度々発生していることにより、それらの要因のひとつとして考えられるエネルギーについて、生活者の関心が高くなっているものと考えられます。

 こうした生活者の関心の高い項目を踏まえた上で、企業の取り組みを戦略的に伝えていくことは、企業広報においてますます重要になってくるでしょう。

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202109270618-O11-V8W5M7y2
ESG/SDGsに関する意識調査  〜認知後のアクション〜
ESG・SDGsの取り組みを認知後、生活者の半数以上が行動
?ESG・SDGsの取り組みが生活者に届くと、行動変容が生じる

 ここまでESGやSDGsに関する生活者の意識を聴取してきましたが、そのように企業のESGやSDGsの取り組みを認知することは、行動にも影響があるのでしょうか。

 ESG24項目を提示し、企業のESGに関する取り組みを想起できた人に対し、ESGやSDGsの取り組みについて知った結果何か行動したかを聞いたところ 、半数以上(56.4%)の人が何かしらの行動を起こしたことが分かりました[図表8]。

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202109270618-O2-x57K404z
?企業のESGやSDGsへの取り組みを知った後の行動トップは ウェブサイトの閲覧」(22.6%)

 それでは具体的にどういった行動を生活者は取っているのでしょうか。その行動の内訳を見ると、1位「魅力を感じた企業や、商品・サービスのウェブサイトを閲覧した」(22.6%)、2位「魅力を感じた企業や、商品・サービスの評判を検索サイトで調べた」(14.5%)、3位「魅力を感じた企業の商品やサービスを購入または利用した」(13.0%)でした[図表9]。認知後に主体的に情報を得ようとするだけでなく、購入・利用にまでつながっている人が存在しています。

 また、4位は「家族や友人・知人とシェアした・話をした」となり、人に伝えたくなるような情報を発信することで、さらなる拡散につながる可能性もうかがえる結果となりました。

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202109270618-O8-SUIUSj72

『2021年度  ESG/SDGsに関する意識調査』 概要

調査対象:全国の20〜69歳の男女 計10,000人
調査方法、期間:インターネット調査:2021年6月23日〜6月30日
設問内容:ESG/SDGsの認知、企業のESG/SDGsの取り組みへの認知や期待・情報入手経路、投資時のESG考慮有無など      

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202109270618-O1-o9lCdIUv
注釈
※1  「ESG」とは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取ったもの。
※2  「SDGs」とは、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された2016年から2030年までの国際目標。  持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成される。
※3 GRIスタンダード:グローバル・レポーティング・イニシアティブ(本部をオランダのアムステルダムに置く国際的な非営利団体)が2016年の10月に発行したサステナビリティ報告書のフレームワーク
※4 SASBスタンダード:サステナビリティ会計基準審議会(米国サンフランシスコを拠点に設立された非営利団体)が2018年11月に作成・公表した11セクター77業種について情報開示に関するスタンダード

本調査の詳細分析結果については「日本広報学会 第27回研究発表全国大会 自由論題口頭発表」において発表予定です。
2021年10月10日(日)オンラインにて開催。
https://www.jsccs.jp/activity/convention/

<お願い>本調査内容を転載・引用する場合、転載者・引用者の責任で行うとともに、当研究所の調査結果である旨を明示してください。

企業広報戦略研究所とは
(Corporate communication Strategic studies Institute : 略称C.S.I.)

企業経営や広報の専門家(大学教授・研究者など)と連携して、企業の広報戦略・体制などについて調査・分析・研究を行う、(株)電通PRコンサルティング内の研究組織です。
2013年12月設立 所長:阪井完二
企業広報戦略研究所サイト http://www.dentsuprc.co.jp/csi/
電通パブリックリレーションズは9 月 20 日に電通 PR コンサルティングへ社名変更いたしました。

 

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