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「冬の睡眠難民」を救うカギは 「寝る1時間前の入浴」と「寝る30分前の首もと温め」

目覚めが悪い、寝つきが良くない・・・冷え性の人は要注意!




冬は、「朝の目覚めが悪い」、「なかなか寝つけない」と思っている方は、多いのではないでしょうか。

血めぐり研究会が10月末に30〜50代の男女1,128名に実施した調査結果でも、冷えを感じている人は、冷えを感じていない人と比べ、睡眠に関する満足度が非常に低い結果となりました。特に、「朝の目覚めの悪さ」において30ポイント、「寝ても疲れが取れない」において25ポイントも差があることがわかりました(グラフ1)。

冬に睡眠不満が高くなる理由を、睡眠専門医であるスリープクリニック調布院長、遠藤拓郎先生に伺いました。「冬に睡眠悩みを持つ人は多くなります。睡眠は、“気温”と“日照”が、大きく関係しています。人は、夜、就寝前に、体温が上がり、身体の表面、特に手足からの放熱が促され、高い体温が一気に下がることで、眠くなります。しかし、冷え性の人は、寒い冬はこの体温調節が上手くできず、寝つきにくくなる傾向があります。また、朝は、太陽の光を浴びることで目覚めるというメカニズムになっていますが、冬は日の出が遅いため、すっきり目覚められないという人が増えます。」

■睡眠の重要性と「冬の睡眠難民」を救うカギは?

遠藤先生は、睡眠の重要性を次のようにコメントしています。「睡眠は、身体の疲れをとるだけではなく、心身のメンテナンスを行って明日の活力を養う大切な役割を担っています。睡眠に対する悩みや不満を放置しておくと、体力が低下し、風邪をひきやすくなったりするだけでなく、自律神経失調症やうつ病などの精神疾患の引き金にもなり兼ねません。健やかな生活を送るためにも、睡眠の質を高めることは、大切なのです。」

また、冬に睡眠不満を解決できない「睡眠難民」を救うカギを、遠藤先生は次のようにコメントしています。「就寝前に体温を調節することで、冷え性の人でも心地良く眠りに入れるようになります。また、心地よい入眠と翌朝のすっきり感は表裏一体です。血めぐりをよくし、就寝前に体温をしっかり上げ、手足から放熱を促し、身体の深部温度を下げれば、入眠しやすくなります。また、質の高い睡眠を取るには、『深睡眠(しんすいみん)』が必要不可欠ですが、この深睡眠は、就寝前に体温をしっかり上げると得やすくなるので、寒い冬でも翌朝すっきり目覚めることができるのです。低くなる気温や短くなる日照時間は調整できませんが、体温調節をすることで、“冬の睡眠難民”化を防げます。」

1. 「冬の睡眠難民」化の理由:『気温』 〜冬は寝る前の体温調節ができず、眠りに入りづらい

寒い冬に、特に冷え性の人の睡眠不満が高くなる原因のひとつは、「気温」です。人は、体温が急激に下がるときに眠くなりますが、冷え性の人は、気温が低い冬は血めぐりが悪くなり、手足の血管が収縮し、手足からの放熱が促されにくいので、身体の深部温度が下がりにくくなります。その結果、寝つきにくくなるのです。
また、睡眠と密接な関係にあるホルモンのひとつである「メラトニン」は、体温が下がるときに分泌され、「眠り」を誘います(グラフ2)。しかし、冷え性の人は、冬は就寝前の体温調節がうまくいかず、体温が下がりにくいため、メラトニンの入眠効果が十分に発揮されません。

2. 「冬の睡眠難民」化の理由:『日照』 〜太陽の光が弱い冬は、すっきり目覚めにくい

 冬に冷え性の人の睡眠不満が高くなるもうひとつの原因が、「日照」です。人は、朝の太陽の光を浴びることで、メラトニンの分泌量が減り、目覚めるメカニズムになっていますが、冬の朝は日の出が遅いため、メラトニンの濃度が高く、なかなかすっきり目覚められないということが起こります。

■「冬の睡眠難民」を救うカギは、就寝前にしっかり体温を上げ、深睡眠を得ること!

冬の睡眠の質を高め、寝つきや朝の目覚めを良くするためには、就寝前の体温調節が効果的です。気温や日照時間は調整できませんが、体温なら自分で簡単に調節できますので、以下に提案する「寝る1時間前の入浴」と「寝る30分前の首もと温め」を実践してみましょう。

1. 就寝1時間前の入浴 〜身体を芯から温めるとともに、リラックス効果も大!

 熱いお湯に入ると、交感神経が優位になり、“お目覚めモード”になってしまうので、38〜40℃のぬるめの湯船に10〜20分ほどゆっくりつかりましょう。
炭酸の入浴剤を利用すると、お湯に溶け込んだ二酸化炭素が血管を拡張し、血めぐりがよくなるので、ぬるめのお湯でも身体が温まりやすくなります(写真:炭酸風呂vswさら湯)。
また、ぬるめの湯船につかると副交感神経が優位になり、リラックス効果が高まります。さらに好きな香りの入浴剤なども活用すると、香りによるリラックス効果も期待できます。

2. 就寝30分前の首もと温め 〜首もとを温めことで手足が温かくなり、入眠効果あり!

首もとは、温かさを感じるポイントが集中している部位「温めポイント」のひとつです。首もとを温めると、全身の血めぐりがよくなるため、手足まですばやく温まります。その結果、放熱が促され、身体の深部温度が下がるので、眠りに入りやすくなります。市販されている直接首もとに貼るタイプの「温熱シート」を活用し、就寝30分前に首もとを温めましょう。特に手足に冷えを感じやすい人は、試してみるとよいでしょう。


<調査概要>

調査方法: インターネット調査
調査期間: 2012年10月26日〜29日
調査対象: 日本在住の30〜50代の男女1,128名
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