【イベントレポート】信念と情熱を持って行動し、ひたむきな美しさで可能性を拡げた現代の女性を表彰「エイボン女性年度賞2017」授賞式 開催
[18/01/30]
提供元:PRTIMES
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大賞は十和田市現代美術館 館長/クリエイティブ・ディレクターの小池一子氏教育賞に黒田麻衣子氏、芸術賞に荻上直子氏、スポーツ賞に上地結衣氏が受賞
エイボン・プロダクツ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:中 陽次 以下、エイボン)は、1月29日(月)、今年で38回目となる「エイボン女性年度賞2017」授賞式典を、都内にて開催いたしました。
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本賞は、「社会のために勇気や希望を与える女性たちの活動を後押ししたい」という願いのもと1979年に創設され、当社の社会貢献活動の根幹として取り組んでいます。めざましい活動成果をあげられた方、長年の地道な努力を結実された方、女性の新しい可能性を示唆する先駆的活動をしている方などを選考基準に、その時代ごとに社会に有意義な活動を続け、自身の信じた道を切り拓いてきた女性たちを表彰してまいりました。
今年の授賞式典では、はじめに中陽次代表取締役社長が登壇し、「エイボンは日本において創立50周年目を迎える化粧品会社ですが、首尾一貫して女性の人生を輝かせることを信念に事業を展開してまいりました。女性が輝く社会こそが、持続的に発展する社会であると信じています。様々な人生の、様々な輝きがたくさん集まって満天の星空のように魅力的な社会の光景ができあがります。そんな新しい輝きを発見し伝えていくことがこの賞の意義であると思っております」と挨拶いたしました。その後、大賞の小池一子氏(十和田市現代美術館 館長/クリエイティブ・ディレクター)、教育賞の黒田麻衣子氏(株式会社東横イン 代表執行役社長)、スポーツ賞の上地結衣氏(車いすテニス選手)、芸術賞の荻上直子氏(映画監督/脚本家)に選考委員がトロフィーを手渡し、講評を行いました。
受賞者スピーチでは、自身の原動力や困難をどのように乗り越えてきたか、今後の抱負などをご紹介いただき、今を生きる女性たちへエールを贈っていただきました。
<エイボン女性年度賞 2017受賞者>
大賞:小池 一子氏
十和田市現代美術館 館長/クリエイティブ・ディレクター
教育賞:黒田 麻衣子氏
株式会社東横イン 代表執行役社長
スポーツ賞:上地 結衣氏
車いすテニス選手
芸術賞:荻上 直子氏
映画監督/脚本家
ソーシャル・イノベーション賞 :該当なし
■大賞:小池 一子氏 十和田市現代美術館 館長/クリエイティブ・ディレクター
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プレゼンター:原田マハ選考委員
本日の受賞、おめでとうございます。先に言い訳をさせていただきますが、私は今日のこの日に向けて、心から尊敬する小池さんのために、講評を作家として書き下ろしてきてまいりました。読みおろしをさせていただきます。
「アートのインフラ側の受賞をうれしく思っています」
小池一子さんのコメントを拝見し、小池さんのエイボン女性大賞受賞によって、日本のアートシーンに新たなマイルストーンが作られたと感じています。
国内外には、美術、音楽、演劇、古典芸能など、芸術家に授与されるさまざまな賞が存在しています。それを登竜門とするアーティストもいれば、栄誉を称えられる芸術家もいます。芸術文化を振興していく上で、各種の賞の存在は大変重要です。
一方で、芸術家を支えるマネジメント、公演や展覧会を実現するためのプロデューサーに与えられる賞は、私の知る限りほとんど存在しません。
その理由として、芸術に関する賞を創設するとき、芸術活動を根底で支える「インフラ側」の人間はあくまでも影の存在であり、表舞台で賞賛されるべきものではない、という暗黙の了解があるからではないかと思います。
しかし、芸術活動を支えるインフラの存在があってこそ、芸術家は活躍することができるのです。この芸術のインフラ側にもっと光を当てることによって、「アーティストを支えたい」と望む人たちが、もっと多く現れてこそ、私たちはすぐれた芸術表現に日常的に触れることができるようになり、日本は、世界に自国の文化を堂々と押し出していけるのではないかと思います。
小池さんは1970年代から、日本における現代アートシーンの創出に心血を注ぎ、なかなか注目されなかった日本のアーティストを世界に紹介するために、奔走してこられました。
かつて西武グループが運営していた西武美術館やアートスペースの企画にかかわり、日本人がほとんど知らなかった現代アーティストの展覧会の開催実現に尽力されました。
また、かつて、ご自身で主宰されていた現代アートのオルタナティブ・スペース「佐賀町エキジビット・スペース」では、最先端のアートを次々に紹介し、日本のアートシーンを牽引されました。
キュレーターとしての活躍以外には、コピーライター、クリエイティブ・ディレクターとして、グラフィックデザイナーの田中一光氏、ファッションデザイナーの三宅一生氏、その他大勢の伝説のクリエイターたちとともに、日本のクリエイティブ・シーンの黎明期を創り上げました。
また、いまでは世界中で知られるようになり、日本の代表的な産業であると呼びたくなる「無印良品」の立ち上げから現在まで、コンセプト作りや商品企画に関わられたことも、忘れてはならない貢献のひとつです。
私から見れば、小池さんは、まるで日本のクリエイティブ・シーンの伝説を人のかたちにしたような方です。
けれど、日本のアートシーンをもっと盛んにしたいとの思いをひとすじに貫かれ、決してぶれず、威勢を張らず、偉ぶらず、大好きなアートのために、どこへでも飛んでいき、アーティストやアートを愛する人々の輪の中に飛び込んでいく、そんな小池さんの背中を追いかけていく若者たちが、もっともっと増えて、ともにアートを享受するインフラ創りをしていくようになることを、心から望んでいます。
小池一子さんのエイボン女性大賞受賞は、小池さんのみならず、日本の現代アートシーンを、決してぶれずに支え続けた、あまたのインフラ側の人々が受賞したことにほかならないと感じています。
私も、そのひとりでありたい。こっそりとそう願っています。小池さん、このたびのご受賞、ほんとうにおめでとうございます。
<小池氏受賞スピーチ>
私がこの賞のお知らせをいただいたときは、青森県十和田市のとある小学校の全校生500人に会うための画像の準備をしていました。なぜその学校に行くかというと、「たからもの」という歌を作っているのですが、その中に美術館やアート広場という言葉を歌詞に入れていて、先生が作曲をなさり、それを全校生が歌って聞かせたいので来て下さい、と言われたのです。
それは子どもたちが自発的に言ってくれたということでした。十和田市現代美術館は間もなく10年を迎えるんですけれども、その間に起きた出来事なのだととても感慨深く感じました。
そしてこの賞のお知らせですけれども、第1回目の受賞者が市川房枝さんでいらっしゃると知りまして、大事な賞で是非いただきたいと思いました。今回このような賞を下さった選考委員の皆様に厚くお礼を申し上げます。
振り返ってみますと、1960年代から母と二人の生活をしておりましたので、まず経済的にしっかりしようと思い、コピーライター、エディターとしていろいろな仕事に触れてきました。ただ、学生時代からあこがれていたアートの現場で何ができるかということへの情熱は持ち続けておりました。
40歳の時、大きな会社に勤めたりはしていませんでしたから、自分で自分のサバティカルを与えようと思いました。広告も面白くて、優れたアートディレクターの方々とお会いできて、いい仕事をさせていただいていたんですけれども、1年間自分の時間を持ち、その間に考えました。もともと好きであった美術の仕事をメインにしていこうと。
そして現在の立場をとるんですけれども、デザインの仕事で様々な局面に触れることがとても楽しくて。ですから私はそれ以来二足のわらじをはき続けている感じもします。
日本の現代美術がしっかりと確立されていない、特に若い人たちエマージングアーティストつまりは蛹(さなぎ)のようなこれから飛び立つ人たちのことをお手伝いしたいと思っています。それで、オルタナティブなスペースを作ったりしたんです。
「アートでまちづくり」っていいます。だけれど、私はいまの子どもたちが自発的に歌を作ってくれたことが、アートの仕事が子どもの心の原風景に残っていくことをお手伝いできたのだという思いを感じています。
現場をしっかりと固めているのは日本のアートの現場で働く女性たちで、その人たちの数は多いのです。そしてそのような人たちは男性の次、男性の下で仕事をしてきているような人でも、力を持っている女性たちがたくさんいることを、私は今までの仕事、デザインの世界でも実感しております。
この賞をいただいたということは、私はその方たちの代表でということなのです。これからさまざまな仕事が花開いていくと思います。そのことを非常に希望の光として、ありがたくこの賞をいただきます。
■教育賞:黒田 麻衣子氏 株式会社東横イン 代表執行役社長
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プレゼンター:大宅映子選考委員
みなさんよくご存じの東横イン。黒田さんは創業者のご長女です。
普通2代目といったら、お父様の作り上げたものの上に追加していけばいいわけですけれども、彼女が引き受けた時はマイナスもマイナス。どん底。そこから這い上がって、もっと世界に羽ばたく東横インに仕立てた、ある種“起業家”とも言えるかもしれません。
少女時代の黒田さんは全然お父様の会社経営には興味がなかったんですよね。歴史がお好きで大学院まで学ばれて教師になったが向いていない、ということで辞めてしまいました。そう簡単には職はみつからない、と一人の新入社員として東横インにお入りになられました。結婚して、お子様を一人おつくりになったところで辞められます。これは腰掛で、子供産んだら辞める、という日本の女性の代表的なパターンですよね。そして夫と一緒にドイツで暮らしていたときに会社の不祥事が発覚したけれども、その時点ではドイツの生活に手いっぱいで手伝うことは考えていらっしゃいませんでした。
ですが、2度目の不祥事の時に「会社がなくなってしまうかもしれない」と。それが2008年のことでした。その時は会社がこんなに大きくなっていると思わず、責任の重さにびっくり仰天してしまったとお伺いしています。2008年のリーマンショックや2011年の東日本大震災。逆風も逆風、大あらしの時に引き受けて、その後彼女は女性の活用を軸にして邁進してきました。「女将」と言っていたように、支配人の97%が女性。そして、日本のみならず韓国、カンボジア、フィリピン、ドイツなどに拠点を広げていらっしゃいます。
私は彼女が評価されるポイントが2つあるのですが、ひとつは女性の多様性を考えているということです。
彼女のすごいところは「女将」になるのはやりたい人にやってもらう、ということです。意志があるかないかで違うと思うのです。女の人の多様性を認めている、というのはこうしたところです。
そしてもうひとつは、彼女自身がロールモデルとなっていることです。会社に戻るときに、ご主人からは家のこととか、子どものこととかきちんとできるのかと反対されましたが、ちゃんとやってみせると手前だけでなく取り組んでいます。
そしてリーダーというのは外からこれしろ、あれしろというだけでなく、一緒に中に入って汗を流したり、自分のやっていることを見せて、後についてくる人を教育するというのも立派なリーダーだと思っています。そうした意味で彼女を今回の教育賞に選出いたしました。これからもどんどん黒田さんみたいな女性経営者が出てくればいいなと思っています。
<黒田氏受賞スピーチ>
本日はこのような賞をいただきましてありがとうございます。
教育賞は個人賞のようにいただいておりますが、この賞は会社全体でいただいた賞だと思っています。
東横イン創業者である父が、女性支配人の登用を始めております。女性のこまやかな心遣い、綺麗好きなところ、近所付き合いが上手なところ、家計のやりくり上手なところ、こうしたところはすべて女性の気質であり、女性の感性がホテルづくりには大切だと思っているからです。
また、私たちの方からたとえば、フロントで入った女の子に「支配人やらない?」と声を掛けるのではなく、ホテルを経営してみたいという方を外から、中途採用で採用しております。
なぜなら、女性の全員がリーダーをやりたいわけではありません。どんなに業務ができても、頭が良くても、「リーダーはちょっと…」という子はいます。しかし、自分でやりたいといった方はそれ相応の覚悟はありますし、自分がリーダーに向いていると思っているからこそ立候補してくれているのだと思っておりますので、そうした方を積極的に採用してきています。ですので、ホテル経験は問いません。そういった素人の方を採用しておりますので教育が大切になってくるのですが、教育は本社や私がするわけではありません。支配人同士が教育を行います。細かな業務を先輩が後輩に指導したり、自分のホテルに呼んで指導したり、お互いにライバルになって、切磋琢磨しながら自分たちの成長、そして会社の成長を支えてくれています。だからこそこの賞は会社全体で取った賞だと思っています。
わたしが社長になって始めたことの一つに、支配人たちと一年に一度、20分間の個人面談があります。その時に体調や女性特有の更年期、ご家庭のお子さんや介護のこと、この先心配なこと、会社への不満もなども聞いています。
このように、現場と経営陣が近い会社であること、これが女性の多い職場においては成長のために大切なことだと思っておりますので、これからも私は同じ女性として女性が抱えるプライベートでの問題も理解する、そんな経営者でありたいと思っています。
■芸術賞:荻上 直子氏 映画監督/脚本家
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プレゼンター:国谷裕子選考委員
監督の最新作はご自身で「私の監督の第2章」の始まりだと言っている作品。その節目に賞をお届することができること、そしてもう一つは女性が男性監督と同じようなチャンスをあたえられているとは言えない映画の世界から荻上さんを受賞者として選考できましたこと、委員の一人としてとてもうれしく思っています。
文学や音楽の世界においては、男女の壁はかなり乗り越えられているように感じていますが、映画の世界で女性が同じような製作のチャンスを与えられるかというとまだまだではないかと感じています。なぜだろうかと考え、私はダイバーシティやジェンダーの取材を続ける中で感じたことを2点、お伝えしようと思います。
まずは、リーダーというものは人や組織を引っ張っていくものである、という限定されたリーダー像が、女性にとっては不利に働いているのではないでしょうか。もう一点は、女性の失敗は組織や社会の中で長く記憶されるということです。そのため女性たちが作品を作ろうと思っても男性と同じようなチャンスが与えられない、そういう傾向があるように思います。そのような映画界で荻上監督が作品を作り続けていることは、どれだけの苦労を重ねながらキャリアを積み上げてきたのだろうかと、それは私の想像をはるかに超えるものです。
「かもめ食堂」や「めがね」といった作品では監督独自の新しい世界をつくり、多くの観客を魅了してこられました。今回の、ご自身第2章の始まりとおっしゃる「彼らが本気で編むときは、」においては、社会問題にチャレンジし、大きな成功をおさめられました。
これまでの作品では「おにぎり」という優しさや温かいぬくもりを象徴するものが、今回の作品では吐き気を催すコンビニのおにぎりに変わり、編み物という、やさしい時間、ぬくもりのある時間が流れている象徴だったものが、今回は悔しさを封じ込めるものへと変わっていました。トランスジェンダーへの差別、母と子の関係の様々な形を、新しい風が社会に吹いてくる空気感のなかで捉えていて、女性目線で表現することの大切さを改めて感じました。また同時に監督のなみなみならぬ第二章への決意というものも感じました。
8年前に、若い人たちに向けて荻上監督が文章を書かれていらっしゃいます。「少しでも妥協して、それを後悔するような作品は作りたくない」「魂を売るぐらいなら死んだほうがまし」と。今回の作品を撮られる時もスタッフに向かって「生ぬるいものは作るつもりは一切ありません」という言葉でご自身の覚悟を表現されています。
シナリオを自ら書くことにこだわり、自分を捨てずに映画を撮り続ける、その覚悟をこの賞が応援することになればと思います。そして、今や“女流作家”という言葉は死語になっていますが、少しでも早く“女性監督”と言われなくてもすむ世界が来ることを願っています。
<荻上氏受賞スピーチ>
このような素晴らしい賞をいただきましてどうもありがとうございます。とてもうれしいお言葉も、ありがとうございました。
今回の作品もなのですが、私はなぜかデビュー作から女性のプロデューサーと仕事することが多くて、年上のお姉さま方に囲まれて、支えられて、ずっと映画を作ってきました。年上のお姉さまたちをずっと見ていて、いつか私も素敵な“イカしたばばあ”になりたいと思っていたんですけれども、今回この映画で5年ぶりに映画を作って、撮影現場を見渡すとキャストもスタッフもみんな私より年下で、いつのまにか“ばばあ”になっていました。
女性年度賞という女性の賞ということで、今晩は女性のプロデューサーとスタッフと一緒にお祝会をしようと思っています。頭のかたい映画業界のおっさんたちの悪口をいっぱい言おうと思っています(笑)。
■スポーツ賞:上地 結衣氏 車いすテニス選手
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プレゼンター:有森裕子選考委員
何度かお会いしたことがあったかなと思いつつ、コートの中ではあんなに大きく、そしてたくましく、精悍な姿で大きいイメージだった上地選手が、今日お会いして小さくてかわいらしい姿をみて、放つオーラの大きさをもった女性なんだなと感じました。
2020年のオリンピックが東京で開催が決まり、オリンピック以上にパラリンピックも大きくとりだされています。ですが、上地選手はそのもっともっと前から活躍されていました。世界一になることは神業に近いことです。スポーツ界においては女性男性なんて言いたくはありませんが、人間としてスポーツというものを通して世界一になれたことはその道の第一人者といってもおかしくないぐらいのことなのです。個人的には今回スポーツ賞を渡せるのが遅いぐらい素晴らしい選手です。
上地選手のプレー、意気込み、コメントの力強さから女性というよりは人間としての力強さを感じています。
自分の持っているものをどれだけ活かせるか。「こんな技術があるんだ」「力が出せるんだ」ということを全身であらわしている上地選手に、この賞はもっともふさわしいと感じています。
<上地氏受賞スピーチ>
このたびは女性を代表する歴史ある賞をいただき大変うれしく思います。
昨日オーストラリアの遠征から帰ってきまして、全豪オープンシングルスで準優勝、ダブルスでは 2 年ぶり 4 度目の優勝をすることができました。近年、車いすテニスをはじめ、多くのパラスポーツで女子選手が活躍し、それに伴い競技を始める人が増えているように感じます。また、選手たちをサポートする方にも女性の方が増えてきており、今回の賞というのはそういった皆様の支えがあり、今日まで競技を続けてこられたからこそだと思い大変感謝しております
この賞をもとに、今年一年間、東京パラリンピック、そしてその先に向けてますます活躍できるように頑張っていきます。
エイボン・プロダクツ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:中 陽次 以下、エイボン)は、1月29日(月)、今年で38回目となる「エイボン女性年度賞2017」授賞式典を、都内にて開催いたしました。
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本賞は、「社会のために勇気や希望を与える女性たちの活動を後押ししたい」という願いのもと1979年に創設され、当社の社会貢献活動の根幹として取り組んでいます。めざましい活動成果をあげられた方、長年の地道な努力を結実された方、女性の新しい可能性を示唆する先駆的活動をしている方などを選考基準に、その時代ごとに社会に有意義な活動を続け、自身の信じた道を切り拓いてきた女性たちを表彰してまいりました。
今年の授賞式典では、はじめに中陽次代表取締役社長が登壇し、「エイボンは日本において創立50周年目を迎える化粧品会社ですが、首尾一貫して女性の人生を輝かせることを信念に事業を展開してまいりました。女性が輝く社会こそが、持続的に発展する社会であると信じています。様々な人生の、様々な輝きがたくさん集まって満天の星空のように魅力的な社会の光景ができあがります。そんな新しい輝きを発見し伝えていくことがこの賞の意義であると思っております」と挨拶いたしました。その後、大賞の小池一子氏(十和田市現代美術館 館長/クリエイティブ・ディレクター)、教育賞の黒田麻衣子氏(株式会社東横イン 代表執行役社長)、スポーツ賞の上地結衣氏(車いすテニス選手)、芸術賞の荻上直子氏(映画監督/脚本家)に選考委員がトロフィーを手渡し、講評を行いました。
受賞者スピーチでは、自身の原動力や困難をどのように乗り越えてきたか、今後の抱負などをご紹介いただき、今を生きる女性たちへエールを贈っていただきました。
<エイボン女性年度賞 2017受賞者>
大賞:小池 一子氏
十和田市現代美術館 館長/クリエイティブ・ディレクター
教育賞:黒田 麻衣子氏
株式会社東横イン 代表執行役社長
スポーツ賞:上地 結衣氏
車いすテニス選手
芸術賞:荻上 直子氏
映画監督/脚本家
ソーシャル・イノベーション賞 :該当なし
■大賞:小池 一子氏 十和田市現代美術館 館長/クリエイティブ・ディレクター
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プレゼンター:原田マハ選考委員
本日の受賞、おめでとうございます。先に言い訳をさせていただきますが、私は今日のこの日に向けて、心から尊敬する小池さんのために、講評を作家として書き下ろしてきてまいりました。読みおろしをさせていただきます。
「アートのインフラ側の受賞をうれしく思っています」
小池一子さんのコメントを拝見し、小池さんのエイボン女性大賞受賞によって、日本のアートシーンに新たなマイルストーンが作られたと感じています。
国内外には、美術、音楽、演劇、古典芸能など、芸術家に授与されるさまざまな賞が存在しています。それを登竜門とするアーティストもいれば、栄誉を称えられる芸術家もいます。芸術文化を振興していく上で、各種の賞の存在は大変重要です。
一方で、芸術家を支えるマネジメント、公演や展覧会を実現するためのプロデューサーに与えられる賞は、私の知る限りほとんど存在しません。
その理由として、芸術に関する賞を創設するとき、芸術活動を根底で支える「インフラ側」の人間はあくまでも影の存在であり、表舞台で賞賛されるべきものではない、という暗黙の了解があるからではないかと思います。
しかし、芸術活動を支えるインフラの存在があってこそ、芸術家は活躍することができるのです。この芸術のインフラ側にもっと光を当てることによって、「アーティストを支えたい」と望む人たちが、もっと多く現れてこそ、私たちはすぐれた芸術表現に日常的に触れることができるようになり、日本は、世界に自国の文化を堂々と押し出していけるのではないかと思います。
小池さんは1970年代から、日本における現代アートシーンの創出に心血を注ぎ、なかなか注目されなかった日本のアーティストを世界に紹介するために、奔走してこられました。
かつて西武グループが運営していた西武美術館やアートスペースの企画にかかわり、日本人がほとんど知らなかった現代アーティストの展覧会の開催実現に尽力されました。
また、かつて、ご自身で主宰されていた現代アートのオルタナティブ・スペース「佐賀町エキジビット・スペース」では、最先端のアートを次々に紹介し、日本のアートシーンを牽引されました。
キュレーターとしての活躍以外には、コピーライター、クリエイティブ・ディレクターとして、グラフィックデザイナーの田中一光氏、ファッションデザイナーの三宅一生氏、その他大勢の伝説のクリエイターたちとともに、日本のクリエイティブ・シーンの黎明期を創り上げました。
また、いまでは世界中で知られるようになり、日本の代表的な産業であると呼びたくなる「無印良品」の立ち上げから現在まで、コンセプト作りや商品企画に関わられたことも、忘れてはならない貢献のひとつです。
私から見れば、小池さんは、まるで日本のクリエイティブ・シーンの伝説を人のかたちにしたような方です。
けれど、日本のアートシーンをもっと盛んにしたいとの思いをひとすじに貫かれ、決してぶれず、威勢を張らず、偉ぶらず、大好きなアートのために、どこへでも飛んでいき、アーティストやアートを愛する人々の輪の中に飛び込んでいく、そんな小池さんの背中を追いかけていく若者たちが、もっともっと増えて、ともにアートを享受するインフラ創りをしていくようになることを、心から望んでいます。
小池一子さんのエイボン女性大賞受賞は、小池さんのみならず、日本の現代アートシーンを、決してぶれずに支え続けた、あまたのインフラ側の人々が受賞したことにほかならないと感じています。
私も、そのひとりでありたい。こっそりとそう願っています。小池さん、このたびのご受賞、ほんとうにおめでとうございます。
<小池氏受賞スピーチ>
私がこの賞のお知らせをいただいたときは、青森県十和田市のとある小学校の全校生500人に会うための画像の準備をしていました。なぜその学校に行くかというと、「たからもの」という歌を作っているのですが、その中に美術館やアート広場という言葉を歌詞に入れていて、先生が作曲をなさり、それを全校生が歌って聞かせたいので来て下さい、と言われたのです。
それは子どもたちが自発的に言ってくれたということでした。十和田市現代美術館は間もなく10年を迎えるんですけれども、その間に起きた出来事なのだととても感慨深く感じました。
そしてこの賞のお知らせですけれども、第1回目の受賞者が市川房枝さんでいらっしゃると知りまして、大事な賞で是非いただきたいと思いました。今回このような賞を下さった選考委員の皆様に厚くお礼を申し上げます。
振り返ってみますと、1960年代から母と二人の生活をしておりましたので、まず経済的にしっかりしようと思い、コピーライター、エディターとしていろいろな仕事に触れてきました。ただ、学生時代からあこがれていたアートの現場で何ができるかということへの情熱は持ち続けておりました。
40歳の時、大きな会社に勤めたりはしていませんでしたから、自分で自分のサバティカルを与えようと思いました。広告も面白くて、優れたアートディレクターの方々とお会いできて、いい仕事をさせていただいていたんですけれども、1年間自分の時間を持ち、その間に考えました。もともと好きであった美術の仕事をメインにしていこうと。
そして現在の立場をとるんですけれども、デザインの仕事で様々な局面に触れることがとても楽しくて。ですから私はそれ以来二足のわらじをはき続けている感じもします。
日本の現代美術がしっかりと確立されていない、特に若い人たちエマージングアーティストつまりは蛹(さなぎ)のようなこれから飛び立つ人たちのことをお手伝いしたいと思っています。それで、オルタナティブなスペースを作ったりしたんです。
「アートでまちづくり」っていいます。だけれど、私はいまの子どもたちが自発的に歌を作ってくれたことが、アートの仕事が子どもの心の原風景に残っていくことをお手伝いできたのだという思いを感じています。
現場をしっかりと固めているのは日本のアートの現場で働く女性たちで、その人たちの数は多いのです。そしてそのような人たちは男性の次、男性の下で仕事をしてきているような人でも、力を持っている女性たちがたくさんいることを、私は今までの仕事、デザインの世界でも実感しております。
この賞をいただいたということは、私はその方たちの代表でということなのです。これからさまざまな仕事が花開いていくと思います。そのことを非常に希望の光として、ありがたくこの賞をいただきます。
■教育賞:黒田 麻衣子氏 株式会社東横イン 代表執行役社長
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プレゼンター:大宅映子選考委員
みなさんよくご存じの東横イン。黒田さんは創業者のご長女です。
普通2代目といったら、お父様の作り上げたものの上に追加していけばいいわけですけれども、彼女が引き受けた時はマイナスもマイナス。どん底。そこから這い上がって、もっと世界に羽ばたく東横インに仕立てた、ある種“起業家”とも言えるかもしれません。
少女時代の黒田さんは全然お父様の会社経営には興味がなかったんですよね。歴史がお好きで大学院まで学ばれて教師になったが向いていない、ということで辞めてしまいました。そう簡単には職はみつからない、と一人の新入社員として東横インにお入りになられました。結婚して、お子様を一人おつくりになったところで辞められます。これは腰掛で、子供産んだら辞める、という日本の女性の代表的なパターンですよね。そして夫と一緒にドイツで暮らしていたときに会社の不祥事が発覚したけれども、その時点ではドイツの生活に手いっぱいで手伝うことは考えていらっしゃいませんでした。
ですが、2度目の不祥事の時に「会社がなくなってしまうかもしれない」と。それが2008年のことでした。その時は会社がこんなに大きくなっていると思わず、責任の重さにびっくり仰天してしまったとお伺いしています。2008年のリーマンショックや2011年の東日本大震災。逆風も逆風、大あらしの時に引き受けて、その後彼女は女性の活用を軸にして邁進してきました。「女将」と言っていたように、支配人の97%が女性。そして、日本のみならず韓国、カンボジア、フィリピン、ドイツなどに拠点を広げていらっしゃいます。
私は彼女が評価されるポイントが2つあるのですが、ひとつは女性の多様性を考えているということです。
彼女のすごいところは「女将」になるのはやりたい人にやってもらう、ということです。意志があるかないかで違うと思うのです。女の人の多様性を認めている、というのはこうしたところです。
そしてもうひとつは、彼女自身がロールモデルとなっていることです。会社に戻るときに、ご主人からは家のこととか、子どものこととかきちんとできるのかと反対されましたが、ちゃんとやってみせると手前だけでなく取り組んでいます。
そしてリーダーというのは外からこれしろ、あれしろというだけでなく、一緒に中に入って汗を流したり、自分のやっていることを見せて、後についてくる人を教育するというのも立派なリーダーだと思っています。そうした意味で彼女を今回の教育賞に選出いたしました。これからもどんどん黒田さんみたいな女性経営者が出てくればいいなと思っています。
<黒田氏受賞スピーチ>
本日はこのような賞をいただきましてありがとうございます。
教育賞は個人賞のようにいただいておりますが、この賞は会社全体でいただいた賞だと思っています。
東横イン創業者である父が、女性支配人の登用を始めております。女性のこまやかな心遣い、綺麗好きなところ、近所付き合いが上手なところ、家計のやりくり上手なところ、こうしたところはすべて女性の気質であり、女性の感性がホテルづくりには大切だと思っているからです。
また、私たちの方からたとえば、フロントで入った女の子に「支配人やらない?」と声を掛けるのではなく、ホテルを経営してみたいという方を外から、中途採用で採用しております。
なぜなら、女性の全員がリーダーをやりたいわけではありません。どんなに業務ができても、頭が良くても、「リーダーはちょっと…」という子はいます。しかし、自分でやりたいといった方はそれ相応の覚悟はありますし、自分がリーダーに向いていると思っているからこそ立候補してくれているのだと思っておりますので、そうした方を積極的に採用してきています。ですので、ホテル経験は問いません。そういった素人の方を採用しておりますので教育が大切になってくるのですが、教育は本社や私がするわけではありません。支配人同士が教育を行います。細かな業務を先輩が後輩に指導したり、自分のホテルに呼んで指導したり、お互いにライバルになって、切磋琢磨しながら自分たちの成長、そして会社の成長を支えてくれています。だからこそこの賞は会社全体で取った賞だと思っています。
わたしが社長になって始めたことの一つに、支配人たちと一年に一度、20分間の個人面談があります。その時に体調や女性特有の更年期、ご家庭のお子さんや介護のこと、この先心配なこと、会社への不満もなども聞いています。
このように、現場と経営陣が近い会社であること、これが女性の多い職場においては成長のために大切なことだと思っておりますので、これからも私は同じ女性として女性が抱えるプライベートでの問題も理解する、そんな経営者でありたいと思っています。
■芸術賞:荻上 直子氏 映画監督/脚本家
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プレゼンター:国谷裕子選考委員
監督の最新作はご自身で「私の監督の第2章」の始まりだと言っている作品。その節目に賞をお届することができること、そしてもう一つは女性が男性監督と同じようなチャンスをあたえられているとは言えない映画の世界から荻上さんを受賞者として選考できましたこと、委員の一人としてとてもうれしく思っています。
文学や音楽の世界においては、男女の壁はかなり乗り越えられているように感じていますが、映画の世界で女性が同じような製作のチャンスを与えられるかというとまだまだではないかと感じています。なぜだろうかと考え、私はダイバーシティやジェンダーの取材を続ける中で感じたことを2点、お伝えしようと思います。
まずは、リーダーというものは人や組織を引っ張っていくものである、という限定されたリーダー像が、女性にとっては不利に働いているのではないでしょうか。もう一点は、女性の失敗は組織や社会の中で長く記憶されるということです。そのため女性たちが作品を作ろうと思っても男性と同じようなチャンスが与えられない、そういう傾向があるように思います。そのような映画界で荻上監督が作品を作り続けていることは、どれだけの苦労を重ねながらキャリアを積み上げてきたのだろうかと、それは私の想像をはるかに超えるものです。
「かもめ食堂」や「めがね」といった作品では監督独自の新しい世界をつくり、多くの観客を魅了してこられました。今回の、ご自身第2章の始まりとおっしゃる「彼らが本気で編むときは、」においては、社会問題にチャレンジし、大きな成功をおさめられました。
これまでの作品では「おにぎり」という優しさや温かいぬくもりを象徴するものが、今回の作品では吐き気を催すコンビニのおにぎりに変わり、編み物という、やさしい時間、ぬくもりのある時間が流れている象徴だったものが、今回は悔しさを封じ込めるものへと変わっていました。トランスジェンダーへの差別、母と子の関係の様々な形を、新しい風が社会に吹いてくる空気感のなかで捉えていて、女性目線で表現することの大切さを改めて感じました。また同時に監督のなみなみならぬ第二章への決意というものも感じました。
8年前に、若い人たちに向けて荻上監督が文章を書かれていらっしゃいます。「少しでも妥協して、それを後悔するような作品は作りたくない」「魂を売るぐらいなら死んだほうがまし」と。今回の作品を撮られる時もスタッフに向かって「生ぬるいものは作るつもりは一切ありません」という言葉でご自身の覚悟を表現されています。
シナリオを自ら書くことにこだわり、自分を捨てずに映画を撮り続ける、その覚悟をこの賞が応援することになればと思います。そして、今や“女流作家”という言葉は死語になっていますが、少しでも早く“女性監督”と言われなくてもすむ世界が来ることを願っています。
<荻上氏受賞スピーチ>
このような素晴らしい賞をいただきましてどうもありがとうございます。とてもうれしいお言葉も、ありがとうございました。
今回の作品もなのですが、私はなぜかデビュー作から女性のプロデューサーと仕事することが多くて、年上のお姉さま方に囲まれて、支えられて、ずっと映画を作ってきました。年上のお姉さまたちをずっと見ていて、いつか私も素敵な“イカしたばばあ”になりたいと思っていたんですけれども、今回この映画で5年ぶりに映画を作って、撮影現場を見渡すとキャストもスタッフもみんな私より年下で、いつのまにか“ばばあ”になっていました。
女性年度賞という女性の賞ということで、今晩は女性のプロデューサーとスタッフと一緒にお祝会をしようと思っています。頭のかたい映画業界のおっさんたちの悪口をいっぱい言おうと思っています(笑)。
■スポーツ賞:上地 結衣氏 車いすテニス選手
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プレゼンター:有森裕子選考委員
何度かお会いしたことがあったかなと思いつつ、コートの中ではあんなに大きく、そしてたくましく、精悍な姿で大きいイメージだった上地選手が、今日お会いして小さくてかわいらしい姿をみて、放つオーラの大きさをもった女性なんだなと感じました。
2020年のオリンピックが東京で開催が決まり、オリンピック以上にパラリンピックも大きくとりだされています。ですが、上地選手はそのもっともっと前から活躍されていました。世界一になることは神業に近いことです。スポーツ界においては女性男性なんて言いたくはありませんが、人間としてスポーツというものを通して世界一になれたことはその道の第一人者といってもおかしくないぐらいのことなのです。個人的には今回スポーツ賞を渡せるのが遅いぐらい素晴らしい選手です。
上地選手のプレー、意気込み、コメントの力強さから女性というよりは人間としての力強さを感じています。
自分の持っているものをどれだけ活かせるか。「こんな技術があるんだ」「力が出せるんだ」ということを全身であらわしている上地選手に、この賞はもっともふさわしいと感じています。
<上地氏受賞スピーチ>
このたびは女性を代表する歴史ある賞をいただき大変うれしく思います。
昨日オーストラリアの遠征から帰ってきまして、全豪オープンシングルスで準優勝、ダブルスでは 2 年ぶり 4 度目の優勝をすることができました。近年、車いすテニスをはじめ、多くのパラスポーツで女子選手が活躍し、それに伴い競技を始める人が増えているように感じます。また、選手たちをサポートする方にも女性の方が増えてきており、今回の賞というのはそういった皆様の支えがあり、今日まで競技を続けてこられたからこそだと思い大変感謝しております
この賞をもとに、今年一年間、東京パラリンピック、そしてその先に向けてますます活躍できるように頑張っていきます。