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ナイジェリア:北東部バマで2万4000人の国内避難民が危機的状況に

ナイジェリア北東部、ボルノ州の町バマにある国内避難民キャンプで、壊滅的な人道危機が発生している。6月21日に同町を訪れた国境なき医師団(MSF)の医療チームは、地元病院の敷地内に子ども1万5000人を含む2万4000人が身を寄せ、子どものうち4500人は5歳未満児であることを確認。キャンプの状況が保健上の危機にあると判断し、危篤状態の重度栄養失調児16人を80kmほど離れた同州都マイドゥグリで運営する入院栄養治療センターに移送した。簡易な栄養検査を児童800人余りに実施したところ、19%が栄養失調の中でも特に致命的な重度急性栄養失調に罹患していることもわかった。




[画像: http://prtimes.jp/i/4782/338/resize/d4782-338-874994-1.jpg ]

1日30人が命を落とす日も

ナイジェリアでMSF活動責任者を務めるガダ・ハティムは、「MSFがバマに立ち入れたのは今回が初めてですが、人びとの差し迫ったニーズはすぐに把握できました。現在、マイドゥグリで治療している栄養失調児の顔には、さまざまな惨劇を目撃、体験したことによる心の傷が浮かんでいます」と話す。

MSFチームはバマの町を調査した際、避難キャンプの近くで1233もの墓を確認。それらは過去1年間に掘られたもので、うち480基には子どもが埋葬されていた。

バマは大部分が閉鎖状態にあり、MSFは町の人びとが致命的な飢餓状態であるという情報を得ていた。避難者からMSFに寄せられた話によると、毎日のように新しい墓が増え、飢餓や病気で1日30人以上が亡くなっていく日もあるという。

5月23日以降、避難キャンプでは少なくとも188人が死亡。1日平均6人が命を落としている事態で、死因は下痢と栄養失調が多い。

高い「重度栄養失調」の罹患率

6月13〜15日には、ナイジェリア当局と国内NGOが、医療の必要な1192人をバマからマイドゥグリにある「キャンプ・ナーシング」と呼ばれる国内避難民キャンプに退避させた。この1192人は女性と子どもが中心で、MSFが検査した466人の子どものうち、66%がやせ衰え、39%が重度栄養失調に陥っていた。診察の結果、MSFは78人を入院治療も可能なベッド数86床の栄養治療センターで受け入れた。

MSFは2014年5月からマイドゥグリに駐在。それぞれ2軒の病院、診療所、避難キャンプ内診療所を支援し、避難者は無償で診療が受けられる。直近の数ヵ月は、マイドゥグリ周辺のキャンプに、給水と最低限の衛生環境を提供する活動を展開し、滞在者の疫学的監視を続けている。2015年には、診療11万6300件、分娩介助1330件、栄養失調児6000人に対応した。
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