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未妊レポート2013 子どもを持つことについての調査 既婚女性の「今すぐにでも子どもが欲しい」割合は増加傾向。背景には晩婚化。

〜健康や子育て環境への不安も目立つ結果に〜

株式会社ベネッセコーポレーションの社内シンクタンク「ベネッセ教育総合研究所」では、少子化の進むなか、子どものいない男女の子どもを持つことについての意識・実態を把握し、原因と課題を探るために、2013年9月、25〜45歳の未既婚男女に対して調査を行い、4,159名の回答を得ました。調査では、交際の実態、結婚の意向、子どもを持つことへの意向とその理由、不妊への気がかり、子どものいる暮らしのイメージなど、ライフステージのなかで結婚と妊娠に焦点を当てています。女性については、2007年8月に行った第1回調査との経年変化もみることができます。




未婚男女の交際・結婚についての意識と実態
1. 男女ともに半数以上が「ぜひ」「できれば結婚したい」が、交際している人がいると回答したのは男性3割、女性4割にとどまる。

・未婚男性の50.5%、未婚女性の63.2%は、「ぜひ」「できれば結婚したい」と回答。
・未婚男性の73.9%、未婚女性の63.5%は「交際している人はいない」。未婚女性は、2007年調査より13.1ポイント増加(2007年50.4%→2013年63.5%)。


既婚男女の子どもを持つことについての意識と実態
2. 子どもが欲しいと回答した男女に子どもを持ちたいタイミングについてきいたところ、「今すぐにでも持ちたい」が男女ともに7割超。既婚女性は、前回調査時より13.2ポイント増加。
また不妊への気がかりや「卵子老化」の認知は、男性より女性のほうが高い傾向。

・既婚男性の67.3%、既婚女性の56.9%は、「ぜひ」「できれば子どもが欲しい」と回答している。既婚女性については、2007年調査と比べて、子どもを持ちたい意向に変化はない(2007年は58.2%)。
・子どもを持ちたいタイミングは、既婚男性の71.1%、既婚女性の74.0%が「今すぐにでも持ちたい」と回答。既婚女性は、経年で13.2ポイント増えた(2007年は60.8%)。
・既婚男性の36.0%、既婚女性の51.1%は、「自分または配偶者が不妊の可能性があるのではないかと思ったことがある」と回答。
・「卵子老化」という言葉は、既婚女性の73.6%が「聞いたことがある」と回答。一方、既婚男性は47.0%で、女性に比べて26.6ポイント低い。


既婚男女の子どもを持ちたい人の実態
3. 子どもを「今すぐにでも持ちたい」女性は、情報収集や、基礎体温の記録、食生活に気をつけるなど主体的に妊娠に向けて取り組んでいる。男性は、配偶者の体調を気づかったり、貯金をするなどが上位に上がっているが、特に何もしていない男性も約2割。

・妊娠に向けてどのような取り組みをしているか聞いたところ、既婚女性の上位3項目は「書籍や雑誌、ムック、インターネットなどで情報収集する(62.2%)」、「基礎体温を記録している(60.2%)」、「食生活に気をつける(58.0%)」。既婚男性の上位3項目は(注.女性とは別の設問内容)、「妊娠しやすいタイミングでセックスをする(39.6%)」、「配偶者の体調に気を配る(32.4%)」、「貯金をする(28.5%)」。「自分では特に何もしていない」男性は21.1%いた。
・既婚女性について、経年では「予防接種を受けておく(例:風疹・インフルエンザなど)」(07年2.8%<13年26.5%)や「身体を冷やさないように気をつける」(07年37.9%<13年54.4%)などが増加した。
・健康状態は、既婚男性49.3%、既婚女性43.2%が「疲れている」と回答(未婚男性は48.3%、未婚女性は56.7%)。既婚女性の23.8%は「月経に関するトラブル(例.生理不順など)がある」と回答(未婚女性は25.4%)。


既婚男女の子どもを持つことへの不安 
4. 子どものいる暮らしのイメージ第1位は、男女ともに「お金がかかる」。公的な育児支援策への期待に関する項目でも、「妊娠・出産費用の補助」「育児費用の補助」など「お金」に関する項目が上位に上がった。

・子どものいる暮らしのイメージを複数回答で選んでもらったところ、既婚男女ともに第1位は「お金がかかる」、第2位は「責任」、第3位は男性「幸せ」女性「忙しい」。
・育児支援策への要望をきいた設問では、既婚女性の上位2項目は「妊娠・出産費用の補助(既婚男性52.2%、既婚女性48.1%)」「育児費用(医療費、教育費、保育料も含む)の補助(既婚男性45.0%、既婚女性48.0%)」だった。


 6年ぶりに行った今回の調査では、前回調査時に比べ、未婚女性、既婚女性ともに平均年齢が1歳近く上がっています。晩婚化が進んでいることがうかがわれ、経年で見ると、子どもを「今すぐにでも持ちたい」という比率が上がっています。不妊への気がかりや、「卵子老化」という言葉の認知は、既婚女性のほうが既婚男性よりも高い傾向にありました。また、女性の半数近くが普段の健康状態について「疲れている」と回答、4人に1人が「月経に関するトラブル」を抱えています。妊娠に向けての、具体的な取り組みとともに、まずは健康な身体づくりが大切であると言えましょう。

 子どものいる暮らしについて、「お金がかかる」という回答が男女ともに多く、期待する支援策としても金銭面でのサポートが上がっています。本調査で子どものいない30代の既婚女性12名に対して行った面接調査でも、「子どもはお金がかかる」というイメージ先行で、子どもを持つことをためらっている様子がうかがわれました。一方、研究所で2011年に実施した「第2回妊娠出産子育て基本調査」では、乳幼児を持つ母親は、妊婦健診や子どもの医療費への助成について、充実していると評価しており、今回の回答とはギャップがあります。具体的な育児支援策は、妊娠、出産して当事者になってみないと得にくい情報なのかもしれません。

 今すぐ子どもを持ちたい人が増えたことを考えると、当研究所では、高校生や大学生など人生の早い時期から、男女双方に向けて、妊娠・出産に関する正確な情報を伝えることが必要であると考えています。これにより男女とも、ライフプランを考える上で、結婚や家族をつくることについて、前もって、より具体的に考えることができるのではないでしょうか。今、子どもを持つことをためらっている人に向けては、育児支援制度の情報を分かりやすく届けることで、情報不足による経済的な不安感を減らすことができるのではないかと考えます。


【調査概要】
・テーマ
 子どものいない男女の「子どもを持つこと」「産み時」に関する意識、妊娠に向けての行動実態。
・調査方法
 インターネット調査
・調査時期
 2013年9月6日〜9月9日
※第1回調査は2007年8月
・調査対象
 25〜45歳の子どもがいない人、妊娠していない人
 未婚男性1,037人 未婚女性1,039人 (2007年調査:未婚女性500人) 
 既婚男性1,035人 既婚女性1,048人 (2007年調査:既婚女性500人)
・調査地域
 首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)、愛知県、大阪府、福岡県
・調査・分析
 後藤 憲子(ベネッセ教育総合研究所 次世代育成研究室 室長)
 持田 聖子(ベネッセ教育総合研究所 次世代育成研究室 研究員)
 調査協力 竹内 正人(産科医 東峯婦人クリニック副院長)
 河合 蘭 (出産ジャーナリスト『卵子老化の真実』著者)
 白井 千晶(早稲田大学非常勤講師/社会学)
 竹原 健二(国立成育医療センター研究所政策科学研究部研究員)


ベネッセ教育総合研究所のホームページからも、本リリース資料をダウンロードできます。
また、今後、調査結果をまとめたレポートも掲載する予定です。
http://berd.benesse.jp/
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