欧州難民危機/ドイツ: 子ども時代を奪われる難民の子どもたち【プレスリリース】
[17/03/22]
提供元:PRTIMES
提供元:PRTIMES
受け入れ施設に長期間据え置かれる実態が、ドイツの調査結果で明らかに
[画像1: https://prtimes.jp/i/5176/884/resize/d5176-884-868615-0.jpg ]
※本信で発表する報告書PDF『据え置かれた子ども時代(Childhood on hold)』(ドイツ語)は、 https://www.unicef.de/informieren/aktuelles/presse/2017/studie-fluechtlingskinder-in-deutschland/137440 からダウンロード頂けます。
※本信で発表する報告書の要約(英訳)は、 http://bit.ly/2mOaBxk からダウンロード頂けます。
【2017年3月21日 ベルリン 発】
世界を取り巻く難民危機においてドイツは指導的役割を果たしています。ドイツ政府、行政や市民社会は、類いまれな決意と柔軟性を持って、難民が必要とする基本的な緊急物資を提供しました。しかし、この多大な努力にもかかわらず、難民の子どもや若者の多くは、困難な生活環境のもとで暮らしている、ユニセフ(国連児童基金)は報告しました。ユニセフが発表した報告書『据え置かれた子ども時代(Childhood on Hold)』は、子どもや若者の多くが何カ月もあるいは何年も、子どもたちにとって安全な適切な環境ではなく、また地域への統合を妨げるような難民受け入れ施設に据え置かれている状況について明らかにしています。
難民受け入れ施設では、女の子たちや男の子たちは、多くの見ず知らずの他人とプライバシーのほとんどない、閉鎖された環境で暮らしています。非衛生的な状態も我慢しなければならないこともあります。多くの場合、彼らに静かに遊んだり学習したりするスペースはなく、適切な保護を受けていません。ドイツ連邦内でどこに居住地を割り当てらたかやどのくらいの期間一時受け入れ施設に滞在しているかによって、保育所や学校へのアクセスが制限されます。子どもの出身国やドイツでの永住権取得の法的確証の可能性が、難民の子どもたちの扱いに差異が表れるようになってきています。この状況は、ドイツユニセフ協会が、おとなの同伴のない難民の子どもたちのための連邦協会(the Bundesfachverband unbegleiteter minderjähriger Flüchtlinge e. V.)に依頼した調査の結果に表れています。
[画像2: https://prtimes.jp/i/5176/884/resize/d5176-884-223645-1.jpg ]
「難民の家族たちは、新しい場所に到着して、新しい人生を始めること以上の何も望んでいません。ドイツで彼らに、特に子どもたちに最も良いスタートを提供することは、彼らの将来への良い投資であり、私たちの社会への最も大切な投資の1つです」とドイツユニセフ協会専務理事のクリスチャン・シュナイダーは述べました。「家を失い、厳しい苦難を経験した子どもたちは、一刻も早く日常を取り戻す必要があります。彼らは、貴重な子ども時代をこれ以上失ってはならないのです。ですから、彼らが、集合型受け入れ施設での滞在期間を最小限にし、出来るだけ早く保育園や学校、職業訓練校などに通えるようにすることが重要なのです。子どもたちは、難民申請者や、移民や難民である前に、子どもなのです」
過去2年間に、約35万人の子どもと若者が、戦争や暴力から保護を求めて、あるいはより良い人生求めて、両親と共にドイツにやってきました。この調査報告書「据え置かれた子ども時代(Childhood on Hold)」が、難民の子どもの全てではありません。しかし、この調査は、難民受け入れ施設で両親と共に暮らす子どもや若者の日々の生活を知るための、幅広い、今まで得られなかった実態を明らかにしています。この調査では2016年にドイツ全土において、難民受け入れ施設で働く有給・無休の職員に対する無記名のオンラインによる定量調査を実施し、その結果は、難民家族へのインタビューによる定性調査で補完されています。
* * *
■ドイツに滞在する難民の子どもについてのデータ
●ドイツに新規に到着した数(2015年および2016年):117万人
●初めて難民申請した、おとなに同伴された難民の子ども・若者(2015年および2016年):34万8,430人
・2015年:
-新規到着数:89万人
-初回難民申請者数:44万1,899 人
-おとなに同伴された難民の子どもの初回難民申請者数:12万2,986人
-おとなの同伴のない難民の子どもの初回難民申請者数:1万4,493人
・2016年:
-新規到着数:28万人
-初回難民申請者数:72万2,370人
-おとなに同伴された難民の子どもの初回難民申請者数:22万5,444人
-おとなの同伴のない難民の子どもの初回難民申請者数:3万5,939人
・2017年1月〜2月:
-新規到着数:2万8,765人
-初回難民申請者数:3万3,475人
-おとなに同伴された難民の子どもの初回難民申請者数:1万890人
-おとなの同伴のない難民の子どもの初回難民申請者数:1,961人
・難民申請手続きにかかる平均的な期間(2016年): 7.1カ月
・難民申請者の出身国別に申請手続きにかかる期間(2016年):
-シリア:3.8カ月
-アフガニスタン:8.7カ月
-イラン:12.3カ月
・子どもの年齢別構成( 2016年):
-初回難民申請した0歳から4歳の子どもの数: 7万8,192人 (最大グループ)
-初回難民申請した6歳から16歳未満の子どもの数: 11万3,133人
・子どもの性別構成 (2016年):
-11歳までは男女同数
-11歳から18歳未満では、圧倒的に男性
・おとなに同伴された難民の子どもの主な出身国(2016年):
-シリア:9万1,700人
-アフガニスタン:4万1,882人
-イラク :3万5,151人
-アルバニア: 5,999人
-ロシア連邦: 5,861人
・2015年末時点で, 16万8,442人の子どもと若者が一時受け入れ施設または地域受け入れ施設に、11万9,012 人が非集合型受入住宅(一般住宅や規模の小さい受け入れ施設)に受け入れられている。2016年以降の数字は未公表。
出典(すべて):Federal Office for Migration and Refugees (Bundesamt für Migration und Flüchtlinge = BAMF)
* * *
■本信はユニセフ本部が発信した情報をもとに、日本ユニセフ協会が編集・翻訳したものです。本信の原文は、 http://bit.ly/2mOaBxk からご覧いただけます。
■本信の発表する報告書の要約(英訳)は、 http://bit.ly/2mOaBxk からダウンロード頂けます。
■本信で発表する報告書PDF『据え置かれた子ども時代(Childhood on hold)』(ドイツ語)は、 https://www.unicef.de/informieren/aktuelles/presse/2017/studie-fluechtlingskinder-in-deutschland/137440 からダウンロード頂けます。
* * *
■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。(www.unicef.or.jp)
[画像1: https://prtimes.jp/i/5176/884/resize/d5176-884-868615-0.jpg ]
※本信で発表する報告書PDF『据え置かれた子ども時代(Childhood on hold)』(ドイツ語)は、 https://www.unicef.de/informieren/aktuelles/presse/2017/studie-fluechtlingskinder-in-deutschland/137440 からダウンロード頂けます。
※本信で発表する報告書の要約(英訳)は、 http://bit.ly/2mOaBxk からダウンロード頂けます。
【2017年3月21日 ベルリン 発】
世界を取り巻く難民危機においてドイツは指導的役割を果たしています。ドイツ政府、行政や市民社会は、類いまれな決意と柔軟性を持って、難民が必要とする基本的な緊急物資を提供しました。しかし、この多大な努力にもかかわらず、難民の子どもや若者の多くは、困難な生活環境のもとで暮らしている、ユニセフ(国連児童基金)は報告しました。ユニセフが発表した報告書『据え置かれた子ども時代(Childhood on Hold)』は、子どもや若者の多くが何カ月もあるいは何年も、子どもたちにとって安全な適切な環境ではなく、また地域への統合を妨げるような難民受け入れ施設に据え置かれている状況について明らかにしています。
難民受け入れ施設では、女の子たちや男の子たちは、多くの見ず知らずの他人とプライバシーのほとんどない、閉鎖された環境で暮らしています。非衛生的な状態も我慢しなければならないこともあります。多くの場合、彼らに静かに遊んだり学習したりするスペースはなく、適切な保護を受けていません。ドイツ連邦内でどこに居住地を割り当てらたかやどのくらいの期間一時受け入れ施設に滞在しているかによって、保育所や学校へのアクセスが制限されます。子どもの出身国やドイツでの永住権取得の法的確証の可能性が、難民の子どもたちの扱いに差異が表れるようになってきています。この状況は、ドイツユニセフ協会が、おとなの同伴のない難民の子どもたちのための連邦協会(the Bundesfachverband unbegleiteter minderjähriger Flüchtlinge e. V.)に依頼した調査の結果に表れています。
[画像2: https://prtimes.jp/i/5176/884/resize/d5176-884-223645-1.jpg ]
「難民の家族たちは、新しい場所に到着して、新しい人生を始めること以上の何も望んでいません。ドイツで彼らに、特に子どもたちに最も良いスタートを提供することは、彼らの将来への良い投資であり、私たちの社会への最も大切な投資の1つです」とドイツユニセフ協会専務理事のクリスチャン・シュナイダーは述べました。「家を失い、厳しい苦難を経験した子どもたちは、一刻も早く日常を取り戻す必要があります。彼らは、貴重な子ども時代をこれ以上失ってはならないのです。ですから、彼らが、集合型受け入れ施設での滞在期間を最小限にし、出来るだけ早く保育園や学校、職業訓練校などに通えるようにすることが重要なのです。子どもたちは、難民申請者や、移民や難民である前に、子どもなのです」
過去2年間に、約35万人の子どもと若者が、戦争や暴力から保護を求めて、あるいはより良い人生求めて、両親と共にドイツにやってきました。この調査報告書「据え置かれた子ども時代(Childhood on Hold)」が、難民の子どもの全てではありません。しかし、この調査は、難民受け入れ施設で両親と共に暮らす子どもや若者の日々の生活を知るための、幅広い、今まで得られなかった実態を明らかにしています。この調査では2016年にドイツ全土において、難民受け入れ施設で働く有給・無休の職員に対する無記名のオンラインによる定量調査を実施し、その結果は、難民家族へのインタビューによる定性調査で補完されています。
* * *
■ドイツに滞在する難民の子どもについてのデータ
●ドイツに新規に到着した数(2015年および2016年):117万人
●初めて難民申請した、おとなに同伴された難民の子ども・若者(2015年および2016年):34万8,430人
・2015年:
-新規到着数:89万人
-初回難民申請者数:44万1,899 人
-おとなに同伴された難民の子どもの初回難民申請者数:12万2,986人
-おとなの同伴のない難民の子どもの初回難民申請者数:1万4,493人
・2016年:
-新規到着数:28万人
-初回難民申請者数:72万2,370人
-おとなに同伴された難民の子どもの初回難民申請者数:22万5,444人
-おとなの同伴のない難民の子どもの初回難民申請者数:3万5,939人
・2017年1月〜2月:
-新規到着数:2万8,765人
-初回難民申請者数:3万3,475人
-おとなに同伴された難民の子どもの初回難民申請者数:1万890人
-おとなの同伴のない難民の子どもの初回難民申請者数:1,961人
・難民申請手続きにかかる平均的な期間(2016年): 7.1カ月
・難民申請者の出身国別に申請手続きにかかる期間(2016年):
-シリア:3.8カ月
-アフガニスタン:8.7カ月
-イラン:12.3カ月
・子どもの年齢別構成( 2016年):
-初回難民申請した0歳から4歳の子どもの数: 7万8,192人 (最大グループ)
-初回難民申請した6歳から16歳未満の子どもの数: 11万3,133人
・子どもの性別構成 (2016年):
-11歳までは男女同数
-11歳から18歳未満では、圧倒的に男性
・おとなに同伴された難民の子どもの主な出身国(2016年):
-シリア:9万1,700人
-アフガニスタン:4万1,882人
-イラク :3万5,151人
-アルバニア: 5,999人
-ロシア連邦: 5,861人
・2015年末時点で, 16万8,442人の子どもと若者が一時受け入れ施設または地域受け入れ施設に、11万9,012 人が非集合型受入住宅(一般住宅や規模の小さい受け入れ施設)に受け入れられている。2016年以降の数字は未公表。
出典(すべて):Federal Office for Migration and Refugees (Bundesamt für Migration und Flüchtlinge = BAMF)
* * *
■本信はユニセフ本部が発信した情報をもとに、日本ユニセフ協会が編集・翻訳したものです。本信の原文は、 http://bit.ly/2mOaBxk からご覧いただけます。
■本信の発表する報告書の要約(英訳)は、 http://bit.ly/2mOaBxk からダウンロード頂けます。
■本信で発表する報告書PDF『据え置かれた子ども時代(Childhood on hold)』(ドイツ語)は、 https://www.unicef.de/informieren/aktuelles/presse/2017/studie-fluechtlingskinder-in-deutschland/137440 からダウンロード頂けます。
* * *
■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。(www.unicef.or.jp)