〜「三井ダイレクト損保」と「西成教授(東京大学)」が共同リサーチ〜 「自動運転」に関するアンケート調査
[17/10/24]
提供元:DreamNews
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MS&ADインシュアランス グループの三井ダイレクト損害保険株式会社(取締役社長:船木 隆平/URL:http://www.mitsui-direct.co.jp/)は、西成 活裕氏(東京大学先端科学技術研究センター教授)と共同で、2017年8月31日(木)〜2017年9月10日(金)の11日間、18歳〜79歳の男女1,000人に対してインターネットリサーチを実施し、10月23日(月)に結果を公表しました。
詳細は当社HPご参照ください
http://news.mitsui-direct.co.jp/topics/20171023/index.html?id=40299
アンケート総括
自動運転への関心 ⇒ 48%が関心ありと回答(Q1)
自動運転への関心がある理由 ⇒ 事故リスクや運転負荷の減少への期待が上位(Q2-1)
自動運転への関心がない理由 ⇒ 自動運転への不安や不満が上位(Q2-2)
レベル1〜2の購入意欲 ⇒ オプション追加で「1万円まで」が回答多数(Q3)
レベル3の購入意欲 ⇒ 平均「221.9万円」であれば購入したい(Q4-1)
レベル4の購入意欲 ⇒ 平均「256.3万円」であれば購入したい(Q4-2)
レベル5の購入意欲 ⇒ 平均「292.7万円」であれば購入したい(Q4-3)
レベル5の発売予想時期 ⇒ 「10年以内」と36%が回答(Q5)
レベル5が普及する際の障害 ⇒ 法律の整備と交通事故の責任所在の整理が同率1位(Q6)
事故が起こった際の責任の所在 ⇒ メーカーとドライバーが分担すべきが回答多数(Q7)
自動運転と聞いて想起する企業 ⇒ 1位「日産自動車」2位「トヨタ自動車」(Q8)
東京大学 西成教授によるアンケート結果総括
ここ数年、自動運転に対する世間の関心がかなり高まっているのを感じています。テレビのニュースやネットの記事で目にする機会も多くなりました。ただしその多くが、メーカーや研究者、そして政府などいわゆる「供給側」からの情報発信で、個人のニーズがどれだけあるのかについてのまとまった情報を見る機会はなかなかありませんでした。今回の調査は、あらゆる年齢層の生の声をたくさん集めたもので、今後の自動運転技術を考える上でとても貴重なものではないかと思います。
まず、自動運転に対して関心を持っている人は全体の約半分でしたが、運転頻度が高い方ほど強い関心を持っていることが分かりました。そしてそれは、日頃の運転に対する不安や不満を解決してくれる期待感から来るもので、特に事故リスクの低減、そして運転負荷の低減の2つが個人の大きな関心事であることが分かりました。確かに運転していて一番怖いのは事故であり、自動運転で安全性が高まることへの期待は大きいでしょう。また、運転は私たちの心身に負荷をかける行為であるため、それを機械に任せることができれば楽になります。この負荷とは、事故を起こさないため周囲に注意を払う緊張感もありますし、また渋滞中のイライラなども含まれていると思います。
以上より、事故リスクと運転負荷の低減、という二大ニーズを見据えて供給側は研究開発をしていくべきでしょう。
そしてアンケートでは、自動運転による渋滞緩和の期待は、この二大ニーズほど大きくはありませんでした。渋滞中に代わりに運転をしてくれる機能だけでなく、渋滞緩和そのものにも自動運転は役に立つことはまだあまり知られていないようです。私は渋滞学を研究していますが、渋滞を緩和するためには、状況に応じて車間距離を適切に調整することが重要であることが分かっています。この車間調整を人ではなく自動で行うことにより、渋滞を減らすことができるため、私は自動運転技術に渋滞緩和の面からも期待しています。
それではこの自動運転技術にいくらの価値を人は見出しているのでしょうか。
安全や運転支援など単体の機能に関しては、どれも1万円以下が約半数を占めていて、あまりお金をかけたくない様子が伺えました。
それでは完全自動運転車が出来たとして、いくらなら買うでしょうか。この興味ある問いの答えは、約300万円でした。私はもう少し高い価格を想定していたので意外でしたが、皆のニーズが高くなればもっと値段も下がるかもしれません。
それでは最後にこの完全自動運転はいつ実現すると考えているのでしょうか。
私が一番驚いたのは、その実現は10年以内と思っている人が最も多かった、という結果です。そして30年以内に実現すると考えている人が全体の8割を超えていました。実は私自身はもっと先だと考えていまして、技術的な問題や法的な問題、安全性などクリアしなければならない事がまだまだ沢山あると思っております。私が最も気になっているのは乗っ取りの問題です。外から悪意を持った人が自動運転車を思うように操縦したら、と考えると恐ろしいですね。今後自動運転の社会への普及を考えていくには、技術の負の部分についても包み隠さず、全てをきちんと開示しながら合意形成していくことが重要だと思います。
自動運転車が走る未来の社会が、私たちにとって幸せな生活をもたらしてくれることを願っております。
西成 活裕(にしなり・かつひろ) 東京大学先端科学技術研究センター教授
1967年、東京生まれ。
1995年、東京大学工学系研究科航空宇宙工学専攻博士課程を修了後、山形大学工学部機械システム工学科、龍谷大学理工学部数理情報学科、ドイツのケルン大学理論物理学研究所を経て、2005年、東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻に移り、2009年より現職。
著書の『渋滞学』(新潮選書)では、講談社科学出版賞、日経BP・BizTech図書賞を受賞した。日本テレビ『世界一受けたい授業』などテレビ、ラジオなどにも多く出演。
2017年5月には『逆説の法則』(新潮選書)を出版。
※本アンケートの詳細は当社HPご参照ください
http://news.mitsui-direct.co.jp/topics/20171023/index.html?id=40299
【本リリースに関するお問い合せ先】三井ダイレクト損害保険株式会社 経営企画部 藤井(050-3786-4903)
詳細は当社HPご参照ください
http://news.mitsui-direct.co.jp/topics/20171023/index.html?id=40299
アンケート総括
自動運転への関心 ⇒ 48%が関心ありと回答(Q1)
自動運転への関心がある理由 ⇒ 事故リスクや運転負荷の減少への期待が上位(Q2-1)
自動運転への関心がない理由 ⇒ 自動運転への不安や不満が上位(Q2-2)
レベル1〜2の購入意欲 ⇒ オプション追加で「1万円まで」が回答多数(Q3)
レベル3の購入意欲 ⇒ 平均「221.9万円」であれば購入したい(Q4-1)
レベル4の購入意欲 ⇒ 平均「256.3万円」であれば購入したい(Q4-2)
レベル5の購入意欲 ⇒ 平均「292.7万円」であれば購入したい(Q4-3)
レベル5の発売予想時期 ⇒ 「10年以内」と36%が回答(Q5)
レベル5が普及する際の障害 ⇒ 法律の整備と交通事故の責任所在の整理が同率1位(Q6)
事故が起こった際の責任の所在 ⇒ メーカーとドライバーが分担すべきが回答多数(Q7)
自動運転と聞いて想起する企業 ⇒ 1位「日産自動車」2位「トヨタ自動車」(Q8)
東京大学 西成教授によるアンケート結果総括
ここ数年、自動運転に対する世間の関心がかなり高まっているのを感じています。テレビのニュースやネットの記事で目にする機会も多くなりました。ただしその多くが、メーカーや研究者、そして政府などいわゆる「供給側」からの情報発信で、個人のニーズがどれだけあるのかについてのまとまった情報を見る機会はなかなかありませんでした。今回の調査は、あらゆる年齢層の生の声をたくさん集めたもので、今後の自動運転技術を考える上でとても貴重なものではないかと思います。
まず、自動運転に対して関心を持っている人は全体の約半分でしたが、運転頻度が高い方ほど強い関心を持っていることが分かりました。そしてそれは、日頃の運転に対する不安や不満を解決してくれる期待感から来るもので、特に事故リスクの低減、そして運転負荷の低減の2つが個人の大きな関心事であることが分かりました。確かに運転していて一番怖いのは事故であり、自動運転で安全性が高まることへの期待は大きいでしょう。また、運転は私たちの心身に負荷をかける行為であるため、それを機械に任せることができれば楽になります。この負荷とは、事故を起こさないため周囲に注意を払う緊張感もありますし、また渋滞中のイライラなども含まれていると思います。
以上より、事故リスクと運転負荷の低減、という二大ニーズを見据えて供給側は研究開発をしていくべきでしょう。
そしてアンケートでは、自動運転による渋滞緩和の期待は、この二大ニーズほど大きくはありませんでした。渋滞中に代わりに運転をしてくれる機能だけでなく、渋滞緩和そのものにも自動運転は役に立つことはまだあまり知られていないようです。私は渋滞学を研究していますが、渋滞を緩和するためには、状況に応じて車間距離を適切に調整することが重要であることが分かっています。この車間調整を人ではなく自動で行うことにより、渋滞を減らすことができるため、私は自動運転技術に渋滞緩和の面からも期待しています。
それではこの自動運転技術にいくらの価値を人は見出しているのでしょうか。
安全や運転支援など単体の機能に関しては、どれも1万円以下が約半数を占めていて、あまりお金をかけたくない様子が伺えました。
それでは完全自動運転車が出来たとして、いくらなら買うでしょうか。この興味ある問いの答えは、約300万円でした。私はもう少し高い価格を想定していたので意外でしたが、皆のニーズが高くなればもっと値段も下がるかもしれません。
それでは最後にこの完全自動運転はいつ実現すると考えているのでしょうか。
私が一番驚いたのは、その実現は10年以内と思っている人が最も多かった、という結果です。そして30年以内に実現すると考えている人が全体の8割を超えていました。実は私自身はもっと先だと考えていまして、技術的な問題や法的な問題、安全性などクリアしなければならない事がまだまだ沢山あると思っております。私が最も気になっているのは乗っ取りの問題です。外から悪意を持った人が自動運転車を思うように操縦したら、と考えると恐ろしいですね。今後自動運転の社会への普及を考えていくには、技術の負の部分についても包み隠さず、全てをきちんと開示しながら合意形成していくことが重要だと思います。
自動運転車が走る未来の社会が、私たちにとって幸せな生活をもたらしてくれることを願っております。
西成 活裕(にしなり・かつひろ) 東京大学先端科学技術研究センター教授
1967年、東京生まれ。
1995年、東京大学工学系研究科航空宇宙工学専攻博士課程を修了後、山形大学工学部機械システム工学科、龍谷大学理工学部数理情報学科、ドイツのケルン大学理論物理学研究所を経て、2005年、東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻に移り、2009年より現職。
著書の『渋滞学』(新潮選書)では、講談社科学出版賞、日経BP・BizTech図書賞を受賞した。日本テレビ『世界一受けたい授業』などテレビ、ラジオなどにも多く出演。
2017年5月には『逆説の法則』(新潮選書)を出版。
※本アンケートの詳細は当社HPご参照ください
http://news.mitsui-direct.co.jp/topics/20171023/index.html?id=40299
【本リリースに関するお問い合せ先】三井ダイレクト損害保険株式会社 経営企画部 藤井(050-3786-4903)