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NYの視点:ギリシャのデフォルト懸念強まる、6月5日のIMFへの支払い期限が焦点に

注目トピックス 経済総合
ギリシャ協議では債権者とギリシャの距離が縮まらないままだ。ギリシャは6月から8月にかけて国際通貨基金(IMF)や欧州中央銀行(ECB)に対して大規模な支払いを控えている。IMFに対する返済は小規模にとどまるが、ECBへの返済は7月、8月にかけて70億ユーロに達するという。ツィプラス・ギリシャ首相は欧州連合(EU)からの支援なくしては「支払が不可能」とデフォルト(債務不履行)を警告。ギリシャ国債市場は大幅に下落、債券利回りは上昇した。

ギリシャは今月初めのIMFへの支払いを履行するためにIMFのSDR(特別引出権)を利用した。また、ギリシャの銀行は緊急融資を得るための担保が底をつき始めており、速やかに合意に達し救済資金をEUから得ることが必要となっている。ツィプラス首相の警告を受けて、IMFはキプロス救済策と同様の策を検討していると報じられた。今後4週間内に資本規制が導入される可能性もささやかれている。

ユーロ圏は支援資金を供給するかわりにギリシャ側が「レッドライン=越えられない一線」としている年金の削減など厳しい改革の実施を条件としているため、協議は数週間平行線をたどったまま。ツィプラス首相は改めて「救済策には年金や賃金の削減が含まれるべきでない」と表明、依然として債務再編を求めており、合意への兆しは見られない。調査会社が実施した世論調査によると、ギリシャ国民による政府の支持率は35%まで低下。また、国民の50.5%がギリシャのユーロ離脱を恐れているとの結果が出た。

20日にはECB会合、21-22日にはラトビア、リガで欧州首脳会合が予定されている。ツィプラス首相はリガの会合で政治的な合意を望んでいるほか、今月末に臨時ユーロ圏財務相会合の開催を要請している。今月中に合意に達することができず欧州からの資金が得られないとギリシャは6月5日に予定されている5.66億ユーロの支払いが不可能となり、デフォルトまたはユーロ圏離脱を強いられることになる。


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