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米国株式市場見通し:利上げはほぼ確実、FOMC議事録に注目

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香港株式相場が民主化デモの影響で大幅に下落したことや8月中古住宅販売契約が予想を下回ったことが嫌気され、売り先行となった。ユーロ圏の消費者物価指数の伸びが鈍化し、欧州中銀(ECB)の追加緩和観測を背景にドル高が進行したことで下げ幅を拡大。週半ばになると9月ISM製造業景況指数が予想を下回ったほか、香港の民主化デモの長期化や、米国内で初のエボラ患者が確認されたことも売り材料となった。ECB理事会後の会見でドラギECB総裁が追加緩和策に言及しなかったことから欧州株が急落となったことで下げ幅を拡大する場面もあったが、著名投資家バフェット氏が1日の下落局面で株式を買い付けたことを明らかにし下げ幅を縮小した。9月雇用統計では失業率が5.9%へ低下し、非農業部門雇用者数も24万8千人増と予想を上回り、週末にかけて株式相場は反発する展開となった。結局、週を通じて主要株式指数は下落。

自動車のフォードは欧州事業に慎重な見通しを示したことで下落。アルコール飲料のコンスタレーション・ブランズは決算が予想を下回り軟調推移となった。一方でネットオークションのイーベイは決済サービスのペイパイル事業を来年下半期を目標に分離(スピンオフ)する方針を発表して上昇。不動産情報サイトのムーブはメディア大手のニューズによる買収に合意し急騰。電気自動車のテスラ・モーターズは、10月9日に新製品発表イベントを行うことが明らかとなり堅調推移となった。

先週発表された雇用統計が予想を上振れしたことで、今月予定されているFOMC(連邦公開市場委員会)での量的緩和終了は、ほぼ確実との見方が広がっている。8日には9月16・17日開催分のFOMC議事録が公開されるが、将来の利上げのタイミングに関して何らかの示唆を得ることができるかが注目点となりそうだ。9日からはG20 財務相・中銀総裁会議がワシントンで開催される予定となっており、欧州や中国経済の現状認識や見通しも焦点となるだろう。

アルミニウムのアルコア(8日)から7−9月期決算発表シーズンに入る。年初からアルミ価格の上昇を受けて堅調推移となっていたものの、9月から下落に転じており、アルコアの株価もこれに連動した動きとなっている。決算発表の本格化は来週以降だが、決算発表シーズンを前に業績修正の発表が飛び出しやすい時期となることにも注意が必要だ。また、6-8月を決算期とするファストフードのヤム・ブランズ(7日)、種子メーカーのモンサント(8日)、コストコ・ホールセール(9日)などの決算発表も予定されている。ヤム・ブランズは、中国の期限切れ肉問題の影響で大幅悪化が見込まれている。コストコは会員制の倉庫型卸売であり、売上高の推移よりも会員数の伸びが重視されるだろう。

電気自動車のテスラ・モーターズは、9日にロサンゼルスで新製品発表イベントを予定している。現行の「モデルS」をより高性能化した「モデルD」を発表するとの思惑が広がっている。

香港民主化デモの米国株式相場への影響は今のところ限定的だが、デモが中国本土に波及するなどして、中国の政治体制を脅かすと判断した場合には、中国(香港)政府が武力弾圧に踏み切る可能性があり、予断を許さない。ウクライナ情勢や「イスラム国」と同様に地政学リスクではあるが、米中関係や中国・香港の経済規模を考えるとより一層の注意が必要だ。原油など商品価格の下落傾向も続いており、中国経済失速への警戒感は根強い。

(Horiko Capital Management LLC)


<TN>

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