欧米為替見通し:ギリシャ総選挙でユーロ離脱の可能性は低下
[15/09/18]
提供元:株式会社フィスコ
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今日の欧米市場は、20日のギリシャ総選挙が意識されそうだ。7月の国民投票の結果に反し、債権団による債務削減策などを受け入れたチプラス首相が率いる与党の急進左派連合(SYRIZA)への審判。ただ、選挙結果にかかわらず、債務削減策の進ちょくへの影響は限定的とみられ、ユーロのリスクにはつながらないとみる。
ギリシャのチプラス首相は、7月5日の国民投票で、債務削減策の受け入れ拒否という結果となったにもかかわらず、債権団との協議の結果、削減案を受け入れた。8月20日に欧州連合(EU)による第3次支援プログラムが正式に開始したタイミングで辞任を表明し、議会の解散を決めたことにより、今回総選挙が実施される。
ギリシャ国内の直近の世論調査では、与党SYRIZAと保守系野党の新民主主義党(ND)の支持率がともに28%ときっ抗。極右政党「黄金の夜明け」と中道左派の全ギリシャ社会主義運動(PASOK)が3位を狙う。ただ、別の調査ではNDの支持率がSYRIZAをややリードしている。
どの政党も過半数の議席獲得は難しく、連立政権となる見通しだが、債務削減策の進ちょくへの影響は限定的と予想する。SYRIZAの勝利なら、引き続き債務削減策に沿った改革が進められる可能性が高い。また、NDの勝利でも、もともと保守的でユーロ圏の離脱を望んでいないことから、同様に債務削減に関するリスクは想定しにくいためだ。
一方、欧州中央銀行(ECB)のコンスタンシオ副総裁は16日、通信社のインタビューで、現在実施している量的緩和(QE)の規模を拡大する余地があると述べた。金利面でユーロは買いにくい通貨だが、米国の利上げ時期が不透明となったことで、買えないドルの「受け皿」としてユーロ買いが当面は見込まれる。少なくともギリシャ問題「シーズン2」といったリスクは回避されそうだ。
【今日の欧米市場の予定】
・21:30 カナダ・8月消費者物価指数(前年比予想+1.3%、7月+1.3%)
・23:00 米・8月景気先行指数(前月比予想:+0.2%、7月:-0.2%)
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