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欧米為替見通し:ECB緩和の内容がサプライズなら年初来安値更新か

注目トピックス 市況・概況

今日の海外市場では、欧州中央銀行(ECB)の追加緩和の内容が焦点となりそうだ。緩和の拡大はある程度織り込まれているものの、市場コンセンサスを上回る内容となれば、ユーロ・ドルは年初来安値を更新する可能性がある。一方、米利上げペースが不透明なため、欧米の金融政策の方向性を背景にした長期的なユーロ売りにはなりにくいとみる。

ECBは今日の理事会で、追加金融緩和を発表する。市場では、1)現行の預金金利-0.2%を10-20bp引き下げ、2)資産買い入れの増額、3)2016年9月までの量的緩和の期限延長、の3点が期待されている。さらに、一部メディアが伝えているように、市中銀行の融資促進を狙った中銀預金口座の金利上積みが盛り込まれれば、「サプライズ」として受け止められそうだ。

邦銀のある外為ディーラーは、緩和策の内容が上記3点プラス中銀預金口座の金利上積みとなった場合にはユーロ売り・ドル買いが強まり、3月16日に付けた年初来安値1.0458ドルを更新すると予想する。その際には、ユーロ売り・円買いに波及し、ユーロ・円は輸出企業の下期想定レートである130円を割り込む展開となろう。

ただ、ユーロ・ドル、ユーロ・円が今日の取引で大きく下落しても、長続きはしないだろう。前日のイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は講演会で利上げに前向きな姿勢を示したが、利上げペースについては「今後のデータ次第」とし、利上げペースは緩やかになることを示唆。イエレン議長の見解を「タカ派とは言えない」と先の外為ディーラーが指摘するように、欧米の金融政策の方向性の違いを背景とした長期的なユーロ売り・ドル買いは想定しにくい。

【今日の欧米市場の予定】

・18:00 ユーロ圏・11月サービス業PMI改定値(予想:54.6、速報値:54.6)
・18:00 ユーロ圏・11月総合PMI改定値(予想:54.4、速報値:54.4)
・18:30 英・11月サービス業PMI(予想:55.0、10月:54.9)
・19:00 ユーロ圏・10月小売売上高(前月比予想:+0.2%、9月:-0.1%)
・21:45 欧州中央銀行(ECB)が政策金利発表(中銀預金金利のマイナス幅拡大予想)
・22:30 ドラギECB総裁会見
・22:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:26.8万件、前回:26万件)
・22:40 メスター米クリーブランド連銀総裁講演
・24:00 米・11月ISM非製造業景況指数(総合)(予想:58.0、10月:59.1)
・24:00 米・10月製造業受注指数(前月比予想:+1.4%、9月:-1.0%)
・24:00 イエレン米FRB議長が上下両院経済合同委員会で証言
・03:10 フィッシャー米FRB副議長講演



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