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前場に注目すべき3つのポイント〜増税再延期、「格付け影響なし」は安心感に

注目トピックス 市況・概況
2日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:増税再延期、「格付け影響なし」は安心感に
■外資系証券の注文動向:差し引き140万株の売り越し
■前場の注目材料:三菱商事、三井物産など大手商社がキューバ再進出



■ 増税再延期、「格付け影響なし」は安心感に

2日の日本株市場は、売り先行後は底堅い相場展開が見込まれる。1日の米国市場は小幅に反発している。中国の低調な経済指標を嫌気して欧州株が全面安となり、この流れを受けて売りが先行。しかし、米国の製造業指数が堅調となったことを受けて下げ幅を縮めると、ECB理事会や週末の雇用統計を見据えて買い戻しも入り、大引けにかけて上昇に転じている。シカゴ日経225先物清算値は大阪比115円安の16855円だった。

シカゴ先物にさや寄せする格好から、価格帯別出来高で商いが膨れていた16800-17000円処での攻防となりそうだ。再びこの水準を割り込んでくるようだと、ポジション圧縮の流れが強まる可能性はある。一方でOPECやECB理事会を控えていることや雇用統計の前哨戦となるADP雇用報告を控えていることもあり、ある程度の調整は想定内であろう。嫌気売りというよりはポジション調整といった見方である。

安倍首相は、消費増税の再延期を表明した。これ自体は織り込み済みであるが、米格付け会社のS&Pは、「日本の格付け評価には影響しない」との見解を発表。「今回の延期が短期的な財政収支を弱めるとはみていない」ことを理由に挙げており、この点は安心感につながろう。

その他、米地区連銀経済報告(ベージュブック)では、多くの地区で人手不足が見られ、賃金も小幅ながら上昇していると指摘し、景気は緩やかに拡大したという判断を示している。米利上げ観測への思惑から円安傾向を想定し、16800円処での攻防であれば、押し目拾いのスタンスとしてみておきたい。

物色の流れとしては昨日のLINE関連のほか、VR(仮想現実)などに関心が集まりそうだ。また、急落が続いているアキュセラ<4589>は本日にも4ケタを割り込んでくる可能性がある。年初からの上昇部分を完全に帳消しにしたことになるが、一方で短期筋の値幅取り狙いの資金が集中することになろう。


(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■外資系証券の注文動向:差し引き140万株の売り越し

朝の外資系証券5社経由の注文状況は、売り990万株、買い850万株、差し引き140万株の売り越しとの観測。なお、直近5日分の注文動向は以下の通り。


5月26日(木):90万株の売り越し
5月27日(金):80万株の買い越し
5月30日(月):50万株の買い越し
5月31日(火):590万株の買い越し
6月01日(水):350万株の売り越し


■前場の注目材料

・NYダウは上昇(17789.67、+2.47)NY原油(49.01、-0.09)
・米FRB報告「景気は緩やかに拡大」
・消費増税再延期、国債格付けに影響せず
・LINE関連株が軒並み上昇
・中国製造業PMI、15ヵ月連続で50割込む
・政府、リニア前倒しで3兆円融資検討
・米マイクロソフト、VRで10社超と提携
・三菱商事<8058>、三井物産<8031>など大手商社がキューバに再進出
・トヨタ<7203>、米グーグルとロボット子会社2社の買収交渉



☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・08:50 5月マネタリーベース(4月:前年比26.8%)
・08:50 対外対内証券売買(先週)
・10:30 佐藤日銀審議委員講演(金融経済懇談会、釧路市)


<海外>
・10:30 豪・4月貿易収支(予想:-21.00億豪ドル、3月:-21.63億豪ドル)
・10:30 豪・4月小売売上高(前月比予想:+0.3%、3月:+0.4%)



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