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サンワテクノス Research Memo(1):過去最高益を更新中、電機・機械・電子事業を手掛ける技術系商社

注目トピックス 日本株
サンワテクノス<8137>は、技術系専門商社で、電機・電子・機械の3つの分野にまたがって事業を手掛けている点が通常のエレクトロニクス商社と比較して特徴的だ。創業時に安川電機<6506>の代理店からスタートしたことがこうした業態につながっていると言える。同社は、製造ライン向けの設備納入にとどまらず、そこで製造するための部材を納入し、またその製造ラインで生産された製品も取扱品目に取り込んで業容を拡大させてきた。同社が「双方向取引」と呼ぶ事業成長モデルであり、同社の強みと言える。

同社の取扱品目に製造設備関連が比較的多く含まれていることや、安川電機との関係などから、同社の業績も経済サイクルの変動を受けやすいというイメージがあるとしたら、それは正しい認識とは言えない。過去15年間の同社の推移を見ると、リーマンショックの際こそその影響が避けられず一時的に営業赤字へ転落したが、その後V字回復したのみならず過去最高益の更新を続けている。

今後の同社の成長シナリオを考える上で注目されるのが、タイでの取り組みとなる。タイ現地法人では自動車分野での業容拡大を狙っているが、そこではメカトロシステム部門の強化を通じて収益性の改善にも取り組んでいる。タイでの取り組みが成功すればそれを他の国・地域や事業部門に適用し、その結果として電機・機械両部門が成長のメインエンジンとしての地位に復活することにもつながるだろう。

商社業界は大手総合商社を始め、業界全体として株価バリュエーションが低位にある。その中にあって、同社もほぼ業界平均となっている。ただし、重要なポイントは、同社が最高益を更新中の成長途上にある企業だという点だ。自動車分野の拡大、機械部門の再成長など今後の一段の改善点も多く、まだまだ伸び切っていない。強いバランスシートに裏打ちされて株主還元余力も大きい。今後の収益成長に伴い、一層注目が集まることが期待される。

■Check Point
・「双方向取引」で顧客との関係深め、業績拡大も実現
・2016年3月期に売上高120,000百万円・経常益4,700百万円へ、タイでの取り組みに注目
・2015年3月期は2期連続の増収増益で過去最高を連続更新へ

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)


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