サンワテクノス Research Memo(9):2016年3月期に売上高120,000百万円・経常益4,700百万円へ
[14/06/19]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業の詳細
(3)業績の推移
3.中期経営計画
サンワテクノス<8137>は、2014年3月期から2016年3月期を対象期間とする3ヶ年中期経営計画「JUMP1200」を進めている。2016年3月期に売上高120,000百万円、経常利益4,700百万円の達成という業績目標を掲げている。
売上高は2014年3月期実績から2016年3月期までに、20,000百万円近い増加が計画されている。この部門別の内訳は詳細には公表されていないが、同社としては、電子・電機・機械の各部門をバランス良く成長させることを狙っており、特に、電機・機械両部門の売上構成比率を2014年3月期より高めていく方針だ。
この方針は、電子部門での取引を突破口に電機・機械部門のビジネスにつなげるという前述の成長モデルと足並みを揃えるものであり、理にかなった戦略と評価できよう。気になるのは、これも前述のとおり、機械部門は電子部門に比べて歴史的に採算性が低かった点である。
この点についての同社の対策が、サンワテクノスタイランドにおけるメカトロシステム部門強化の取り組みだ。タイにおいては日系の自動車関連企業の進出が加速している。それらの企業をターゲットとして、同社は2006年10月にサンワテクノスタイランドを設立した。同子会社では、機械装置の納入に際して、従来から一歩踏み込んだ事業モデルを志向している。具体的には、製造ラインの設計、制御盤の製作、加工品製作、治具製作、プログラム作成、改造、組み付けなどの作業を伴ったうえでの機械装置の納入だ。これを実現するために、子会社のサンワテスコムから技術者を常駐で送り込んだほか、同社本体も大手メーカーOBの技術者を適宜送り込んで、技術的なサポートを行っている。実際の製造・加工はタイ国内の協力会社に外注し、設計・工程・品質管理を同社側が行うことで、最小限の投資と高付加価値化を両立させている。
こうした取り組みは業績面でも形となって表れてきている。サンワテクノスタイランドのメカトロシステム部門の売上高は2014年3月期に前期比153%増と大幅増収となった。また、このメカトロシステム部門をけん引役として、タイ子会社全社の売上高は2014年3月期の約1,400百万円から、2015年3月期は約30%増収の1,800百万円を計画している。
以上のようなサンワテクノスタイランドでの取り組みと、それを1つの起爆剤にして機械部門の再成長を目指すという中計における事業戦略は、十分に説得力があるもので、実現可能性も高いと評価している。同社は、タイでの現在の試みが一定の成功を収めれば、タイ子会社のカバー範囲をベトナム、フィリピン、マレーシアなどにも拡大させるとしている。ASEAN諸国でメカトロシステム事業とシステムエンジニアリング事業が展開できることになれば、機械部門や電機部門が再び収益成長のメインエンジンになることも十分に可能であり、収益性の向上にもつながると考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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(3)業績の推移
3.中期経営計画
サンワテクノス<8137>は、2014年3月期から2016年3月期を対象期間とする3ヶ年中期経営計画「JUMP1200」を進めている。2016年3月期に売上高120,000百万円、経常利益4,700百万円の達成という業績目標を掲げている。
売上高は2014年3月期実績から2016年3月期までに、20,000百万円近い増加が計画されている。この部門別の内訳は詳細には公表されていないが、同社としては、電子・電機・機械の各部門をバランス良く成長させることを狙っており、特に、電機・機械両部門の売上構成比率を2014年3月期より高めていく方針だ。
この方針は、電子部門での取引を突破口に電機・機械部門のビジネスにつなげるという前述の成長モデルと足並みを揃えるものであり、理にかなった戦略と評価できよう。気になるのは、これも前述のとおり、機械部門は電子部門に比べて歴史的に採算性が低かった点である。
この点についての同社の対策が、サンワテクノスタイランドにおけるメカトロシステム部門強化の取り組みだ。タイにおいては日系の自動車関連企業の進出が加速している。それらの企業をターゲットとして、同社は2006年10月にサンワテクノスタイランドを設立した。同子会社では、機械装置の納入に際して、従来から一歩踏み込んだ事業モデルを志向している。具体的には、製造ラインの設計、制御盤の製作、加工品製作、治具製作、プログラム作成、改造、組み付けなどの作業を伴ったうえでの機械装置の納入だ。これを実現するために、子会社のサンワテスコムから技術者を常駐で送り込んだほか、同社本体も大手メーカーOBの技術者を適宜送り込んで、技術的なサポートを行っている。実際の製造・加工はタイ国内の協力会社に外注し、設計・工程・品質管理を同社側が行うことで、最小限の投資と高付加価値化を両立させている。
こうした取り組みは業績面でも形となって表れてきている。サンワテクノスタイランドのメカトロシステム部門の売上高は2014年3月期に前期比153%増と大幅増収となった。また、このメカトロシステム部門をけん引役として、タイ子会社全社の売上高は2014年3月期の約1,400百万円から、2015年3月期は約30%増収の1,800百万円を計画している。
以上のようなサンワテクノスタイランドでの取り組みと、それを1つの起爆剤にして機械部門の再成長を目指すという中計における事業戦略は、十分に説得力があるもので、実現可能性も高いと評価している。同社は、タイでの現在の試みが一定の成功を収めれば、タイ子会社のカバー範囲をベトナム、フィリピン、マレーシアなどにも拡大させるとしている。ASEAN諸国でメカトロシステム事業とシステムエンジニアリング事業が展開できることになれば、機械部門や電機部門が再び収益成長のメインエンジンになることも十分に可能であり、収益性の向上にもつながると考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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