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EMシステムズ Research Memo(1):外部環境に左右されにくいビジネスモデルを確立

注目トピックス 日本株

EMシステムズ<4820>は、調剤薬局向けレセプト(診療報酬請求書)コンピュータの開発と販売を主力に、開業医向け電子カルテシステム販売のほか、本社ビルのテナント部分を活用した不動産賃貸事業などを展開している。このうち調剤薬局向けシステムのシェアは、業界トップクラスの推定30%超を握るなど、ニッチビジネスながら同社は高いプレゼンスを誇る。

同社の特徴はストック型のビジネスモデルである。従量課金のユーザー数(顧客数)を積み上げることで、通常2年ごとの診療報酬改定や医療制度改革など、外部環境の変化に左右されにくいビジネスモデルを確立している。

2015年3月期第2四半期累計決算(以下:上期)は売上高が前年同期比3.7%増の5,132百万円、経常利益は同36.5%減の589百万円であった。売上面では既存ユーザーの自社リプレースがほぼ完了した調剤システムが苦戦したものの、2014年3月期の下期に(株)ユニコンを買収した医科システムの寄与で賄い増収を確保した。利益面ではユニコンの経費負担と先行投資的な人員増で減益だった。結果的に上期は計画(売上高5,345百万円、経常利益619百万円)を下回る着地となったが、この主な要因は医科システムが意欲的な計画に届かなかったためと推察される。なお、同社は2014年9月9日付でデータホライゾン<3628>傘下の調剤システム販売会社コスモシステムズ(株)を買収し、下期から連結の予定である。

上期は医科システムが想定を下回ったものの、下期は買収したコスモシステムズの寄与が見込まれることから同社は期初の通期見通しを据え置き、2015年3月期は売上高が前期比6.4%増の12,096百万円、経常利益は同3.7%減の2,200百万円を見込む。

同社は2017年3月期を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画を公表した。この主な戦略は開業医向け電子カルテの拡大と、調剤薬局向けレセプトコンピュータの更なるシェアアップを進め、最終年度の2017年3月期には売上高が2014年3月期比2,063百万円増の13,432百万円、経常利益は同292百万円増の2,576百万円を目指す。

■Check Point
・2012年3月期からストック型ビジネスモデルの収穫期に
・買収したコスモシステムズの寄与を見込み通期見通しは据え置き
・医科システムは代理店調開拓やM&Aも有効な選択肢

(執筆:フィスコ客員アナリスト 馬目 俊一郎)



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