オークファン Research Memo(3):情報提供事業のほか、マーケットプレイス事業、ソリューション事業を展開
[16/07/05]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業内容
(1)グループの状況
同社グループは2016年3月末現在、オークファン<3674>と、マイニングブラウニー(同社出資比率100%)、NETSEA(同100%)、エターメント(同79.1%)、リバリュー(同100%)の連結子会社4社で構成される。なお、2015年12月末現在で持分法適用会社であったグランドデザインは2016年1月に同社の出資比率が低下したために、持分法適用会社から外れた。
さらに、2016年4月にスマートソーシング(同社出資比率65.0%)と、リッチウェルマーケティング(株)(同社出資比率100%、5月にデジファン(株)へ社名変更)をそれぞれ子会社化したため、直近の同社グループは、同社とマイニングブラウニー、NETSEA、エターメント、リバリュー、スマートソーシング、デジファンの連結子会社6社となっている。なお、同社では、6月30日付でスマートソーシングを存続会社としてエターメントを吸収合併する予定。これは、法人向けにO2O※支援事業領域を戦略的に開拓するために、エターメントが保有する商品力、システム開発力とスマートソーシングが持つ営業力、サポート力を一体化することを狙ったもの。
※Online to Offlineの略。インターネット上のWebコンテンツやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)におけるサービス(Online)を、実在する店舗(Offline)での集客アップや購買促進につなげる仕組みのこと。
(2)事業の内容
同社グループで手掛ける事業は、同社が展開する情報提供(メディア)事業のほか、NETSEAとリバリューが行うマーケットプレイス事業、エターメントとマイニングブラウニーが行うソリューション事業の3つの事業で構成される。
a)情報提供(メディア)事業
同社が手掛ける情報提供(メディア)事業は、オークション、ショッピングの商品及び価格情報の比較・検索・分析等が可能な価格情報比較サイト「aucfan.com(オークファン)」の運営を中心としたインターネットメディア事業で、主にPCサイト、モバイルサイト及びスマートフォンサイトを運営している。ヤフー<4689>及び楽天<4755>、amazon(アマゾン)、e-Bayなど、国内外のオークションサイト及び通販サイト運営会社から取得した商品の落札・売買価格情報を蓄積(蓄積されたデータ数は300億件を超える)、それらのデータを統合・解析し、自社サイト「オークファン」で相場情報として提供している。その価格情報は実売価格が基本で、ユーザーの多くが販売者(売り手)であることが特徴である。2015年9月末の一般会員(無料会員数)数は579千人で、課金会員数は74,401人、プレミアム会員数は48,958人となっている。
同社の収入源は、サービス課金収入及び、ネット広告収入、マーケティング支援収入の3つで構成されている。2016年9月期第2四半期累計期間では、サービス課金収入67.6%、ネット広告収入11.6%、マーケティング支援収入20.8%となっており、サービス課金収入が全体の半分以上を占める。
1)サービス課金収入
「オークファン」は基本的に無料で利用できるが、商品及び価格情報をより長い期間にわたり閲覧できる、あるいはオークションに関する更なる利便性の高い機能、及び特別なノウハウ等の有益な情報を求めるユーザーに対する基本サービスである「オークファンプレミアム」のほか、データ分析ツール「オークファンプロ」などのサービスを有料で提供している。さらにオークションを1から学びたいユーザー、ビジネスとして展開したいユーザーに対して対面型セミナーの開催及び、そのDVD販売なども行っている。会員数の多いオークファンプレミアムが主力となっている。
なお、同社では2016年2月1日付でオークファンプレミアム会員の料金体系の改定を実施した。具体的には、プレミアム会員費を月額475円(税抜)から908円(税抜)へ改訂すると同時に、会費が月額300円(税抜)のオークファンライト会員(国内外のネットショッピングやネットオークションでの購入を総合的に支援する) をリリースした。プレミアム会員の料金改定を行ったのは、「期間おまとめ検索※」をはじめとするオプションサービスをより利用しやすい環境で提供することがユーザーにとって有益と判断したためで、期間おまとめ検索を標準装備するとともに、その他オプションサービスの利用回数制限を緩和している。
※同社が保有する過去10年分の落札相場情報(ヤフオク!)を一括で検索できる検索効率化ツール。
2)ネット広告収入
「オークファン」でユーザーが商品をクリックまたは購入した際に、商品を販売するeマーケットプレイス、または各ECサイトを取りまとめる広告代理店・メディアレップから支払われる広告料金で、成果報酬型広告※1、検索連動型広告※2、ネットワーク広告※3に分かれるが、成果報酬型広告が主力となっている。
※1広告主が「オークファン」に広告を掲載し、そこにアクセスしたユーザーが当該商品・サービスを購入した際に報酬が支払われる広告。
※2「オークファン」上で利用者が検索したキーワードに関連した広告が検索結果画面上に表示され、ユーザーがクリックするごとに広告主から収入を得られる広告。
※3アドネットワーク事業者が提供する仕組みを利用し、表示回数またはクリックに応じて広告主から収入を得られる広告。
3)マーケティング支援収入
顧客に対して直接営業または広告代理店・メディアレップを経由して営業することで、広告販売、データソリューション、その他のサービスを販売する。広告販売である純広告収入は同社の主要ユーザーへ自社製品及びサービスの認知拡大及び自社サイトへ誘導を行いたい広告主に対して、「オークファン」の広告サービスを販売している。データソリューション販売は、同社にてeマーケットプレイスから取得した商品及び価格情報を整理統合し、加工及び統計学的補正を施したものを分析レポート等の形式で販売している。その他はオークション大学、らくらく卸、仕入れモール等のイベント収入で構成されている。売上の主力は純広告収入で、半分程度を占める。
なお、同社グループ企業とその手掛ける事業の概要は以下のとおり。
b) BtoBマーケットプレイス事業
NETSEAは、商品のサプライヤー(メーカー、問屋、卸売会社など約5,000社)とバイヤー(小売・ネットショップ・輸出業者など約25万人)を結びつける中間卸として機能するBtoBマーケットプレイス「NETSEA」(主としてアパレル雑貨を中心に年間約80億円の商品が取引されている)の運営を主に行っている。
リバリューは、企業の返品・余剰品などの在庫を適正価格により流動化するマーケットプレイス「リバリューBtoBモール」を運営するほか、「トレンドナビ」等の在庫の適正なプライシングの算定サービスを提供する。
c)ソリューション事業
エターメントは、ネットショップの多店舗展開、複数ネットショップ管理の一元化を可能にする「タテンポガイド」を提供する。対応ネットショップ、対応モールは多岐にわたり、大手企業・上場企業や月商1億円を超えるネットショップを中心に導入実績は1000店舗を超える。2015年11月に株式を追加取得し子会社化した。
マイニングブラウニーは、データマイニング事業を展開する。Webサイトをクローリングするためのプラットフォームサービス(PaaS)である「mitsubachi」やテキストマイニングシステム「hotaru」、Webキャプチャーサービス「tombo」などのサービスを提供する。
d) 2016年9月期第3四半期以降の連結対象となる子会社
スマートソーシングは、大手法人クライアントに対して、インターネットメディア事業、クラウドソーシング事業、クラウドコマース事業など、多彩なソリューションを展開する。
デジファン(旧:リッチウェルマーケティング)は、インターネットサービスの企画・開発・運営・販売・コンサルティング及び野外イベントプラットフォームサービス事業を運営する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正 )
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(1)グループの状況
同社グループは2016年3月末現在、オークファン<3674>と、マイニングブラウニー(同社出資比率100%)、NETSEA(同100%)、エターメント(同79.1%)、リバリュー(同100%)の連結子会社4社で構成される。なお、2015年12月末現在で持分法適用会社であったグランドデザインは2016年1月に同社の出資比率が低下したために、持分法適用会社から外れた。
さらに、2016年4月にスマートソーシング(同社出資比率65.0%)と、リッチウェルマーケティング(株)(同社出資比率100%、5月にデジファン(株)へ社名変更)をそれぞれ子会社化したため、直近の同社グループは、同社とマイニングブラウニー、NETSEA、エターメント、リバリュー、スマートソーシング、デジファンの連結子会社6社となっている。なお、同社では、6月30日付でスマートソーシングを存続会社としてエターメントを吸収合併する予定。これは、法人向けにO2O※支援事業領域を戦略的に開拓するために、エターメントが保有する商品力、システム開発力とスマートソーシングが持つ営業力、サポート力を一体化することを狙ったもの。
※Online to Offlineの略。インターネット上のWebコンテンツやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)におけるサービス(Online)を、実在する店舗(Offline)での集客アップや購買促進につなげる仕組みのこと。
(2)事業の内容
同社グループで手掛ける事業は、同社が展開する情報提供(メディア)事業のほか、NETSEAとリバリューが行うマーケットプレイス事業、エターメントとマイニングブラウニーが行うソリューション事業の3つの事業で構成される。
a)情報提供(メディア)事業
同社が手掛ける情報提供(メディア)事業は、オークション、ショッピングの商品及び価格情報の比較・検索・分析等が可能な価格情報比較サイト「aucfan.com(オークファン)」の運営を中心としたインターネットメディア事業で、主にPCサイト、モバイルサイト及びスマートフォンサイトを運営している。ヤフー<4689>及び楽天<4755>、amazon(アマゾン)、e-Bayなど、国内外のオークションサイト及び通販サイト運営会社から取得した商品の落札・売買価格情報を蓄積(蓄積されたデータ数は300億件を超える)、それらのデータを統合・解析し、自社サイト「オークファン」で相場情報として提供している。その価格情報は実売価格が基本で、ユーザーの多くが販売者(売り手)であることが特徴である。2015年9月末の一般会員(無料会員数)数は579千人で、課金会員数は74,401人、プレミアム会員数は48,958人となっている。
同社の収入源は、サービス課金収入及び、ネット広告収入、マーケティング支援収入の3つで構成されている。2016年9月期第2四半期累計期間では、サービス課金収入67.6%、ネット広告収入11.6%、マーケティング支援収入20.8%となっており、サービス課金収入が全体の半分以上を占める。
1)サービス課金収入
「オークファン」は基本的に無料で利用できるが、商品及び価格情報をより長い期間にわたり閲覧できる、あるいはオークションに関する更なる利便性の高い機能、及び特別なノウハウ等の有益な情報を求めるユーザーに対する基本サービスである「オークファンプレミアム」のほか、データ分析ツール「オークファンプロ」などのサービスを有料で提供している。さらにオークションを1から学びたいユーザー、ビジネスとして展開したいユーザーに対して対面型セミナーの開催及び、そのDVD販売なども行っている。会員数の多いオークファンプレミアムが主力となっている。
なお、同社では2016年2月1日付でオークファンプレミアム会員の料金体系の改定を実施した。具体的には、プレミアム会員費を月額475円(税抜)から908円(税抜)へ改訂すると同時に、会費が月額300円(税抜)のオークファンライト会員(国内外のネットショッピングやネットオークションでの購入を総合的に支援する) をリリースした。プレミアム会員の料金改定を行ったのは、「期間おまとめ検索※」をはじめとするオプションサービスをより利用しやすい環境で提供することがユーザーにとって有益と判断したためで、期間おまとめ検索を標準装備するとともに、その他オプションサービスの利用回数制限を緩和している。
※同社が保有する過去10年分の落札相場情報(ヤフオク!)を一括で検索できる検索効率化ツール。
2)ネット広告収入
「オークファン」でユーザーが商品をクリックまたは購入した際に、商品を販売するeマーケットプレイス、または各ECサイトを取りまとめる広告代理店・メディアレップから支払われる広告料金で、成果報酬型広告※1、検索連動型広告※2、ネットワーク広告※3に分かれるが、成果報酬型広告が主力となっている。
※1広告主が「オークファン」に広告を掲載し、そこにアクセスしたユーザーが当該商品・サービスを購入した際に報酬が支払われる広告。
※2「オークファン」上で利用者が検索したキーワードに関連した広告が検索結果画面上に表示され、ユーザーがクリックするごとに広告主から収入を得られる広告。
※3アドネットワーク事業者が提供する仕組みを利用し、表示回数またはクリックに応じて広告主から収入を得られる広告。
3)マーケティング支援収入
顧客に対して直接営業または広告代理店・メディアレップを経由して営業することで、広告販売、データソリューション、その他のサービスを販売する。広告販売である純広告収入は同社の主要ユーザーへ自社製品及びサービスの認知拡大及び自社サイトへ誘導を行いたい広告主に対して、「オークファン」の広告サービスを販売している。データソリューション販売は、同社にてeマーケットプレイスから取得した商品及び価格情報を整理統合し、加工及び統計学的補正を施したものを分析レポート等の形式で販売している。その他はオークション大学、らくらく卸、仕入れモール等のイベント収入で構成されている。売上の主力は純広告収入で、半分程度を占める。
なお、同社グループ企業とその手掛ける事業の概要は以下のとおり。
b) BtoBマーケットプレイス事業
NETSEAは、商品のサプライヤー(メーカー、問屋、卸売会社など約5,000社)とバイヤー(小売・ネットショップ・輸出業者など約25万人)を結びつける中間卸として機能するBtoBマーケットプレイス「NETSEA」(主としてアパレル雑貨を中心に年間約80億円の商品が取引されている)の運営を主に行っている。
リバリューは、企業の返品・余剰品などの在庫を適正価格により流動化するマーケットプレイス「リバリューBtoBモール」を運営するほか、「トレンドナビ」等の在庫の適正なプライシングの算定サービスを提供する。
c)ソリューション事業
エターメントは、ネットショップの多店舗展開、複数ネットショップ管理の一元化を可能にする「タテンポガイド」を提供する。対応ネットショップ、対応モールは多岐にわたり、大手企業・上場企業や月商1億円を超えるネットショップを中心に導入実績は1000店舗を超える。2015年11月に株式を追加取得し子会社化した。
マイニングブラウニーは、データマイニング事業を展開する。Webサイトをクローリングするためのプラットフォームサービス(PaaS)である「mitsubachi」やテキストマイニングシステム「hotaru」、Webキャプチャーサービス「tombo」などのサービスを提供する。
d) 2016年9月期第3四半期以降の連結対象となる子会社
スマートソーシングは、大手法人クライアントに対して、インターネットメディア事業、クラウドソーシング事業、クラウドコマース事業など、多彩なソリューションを展開する。
デジファン(旧:リッチウェルマーケティング)は、インターネットサービスの企画・開発・運営・販売・コンサルティング及び野外イベントプラットフォームサービス事業を運営する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正 )
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