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プレサンス Research Memo(4):土地の先行取得は順調、ASEAN(ベトナム)展開を開始

注目トピックス 日本株
■成長戦略

(1)「プレサンス レジェンド」ブランド、堺筋本町(337戸)と琵琶湖(486戸)の契約状況

大規模ファミリーマンションの開発が順調に進行中である。「プレサンス レジェンド 堺筋本町タワー」はプレサンスコーポレーション<3254>が初めて手掛ける超高層免震タワーマンションである。2018年1月下旬の引渡しに向けて、337戸中229戸(68%)が既に契約済みである。「プレサンス レジェンド 琵琶湖」は、2016年8月より販売を開始し約2か月間で486戸中168戸(35%)が契約済みとなり、2018年5月上旬の引渡しに向けて好調に滑り出した。この2棟が成功すれば、大型・高級ブランド「プレサンス レジェンド」ブランドをラインナップに加え、大規模マンションや免震タワーマンションも手掛ける企業として実績を訴求できる意味は非常に大きいだろう。

(2)仕掛販売用不動産及び販売用不動産のストック充実

同社は潤沢な内部留保を背景に、マンション用地の先行取得を進めてきた。2017年3月期第2四半期末の仕掛販売用不動産は 92,400百万円、販売用不動産は6,566百万円。これらの合計から工事代などを差し引いた取得済用地の資産額は64,205百万円である。これらの土地をマンション戸数に換算すると、ファミリーマンション5,004戸(2016年3月期実績の 3年分超)、ワンルームマンション5,287戸(同期実績の3年分超)、一棟販売2,780戸 (同期実績の7倍程度)に相当する。積極的な仕入れを可能にしているのは資金力だけではなく、情報力も一役買っている。リーマンショック時も用地を買い続けた実績や審査・回答の早さが同社の強みであり、地場の不動産業者からの1次情報を獲得するうえで有利に働いている。

(3)東海圏のデベロッパーを100%子会社化

同社は、2016年11月25日に愛知県岡崎市を本拠地とするマンションデベロッパー三立プレコン株式会社(以下、三立プレコン)の株式100%を取得し子会社化した。1976年設立のこの会社は岡崎市を中心にマンション172棟4026戸の供給実績があり、土地仕入れから施工・販売までの一貫体制により価格競争力が高い。三立プレコンの事業エリアをプラスすることで、将来的には東海圏全域において、同社グル?プのマンション事業の拡大が期待出来るとともに、同社グループのブランド力を向上させることが可能となる。加えて、用地情報の共有や施工コスト削減などにおいてグループ内のシナジーが期待される。

(4)ホテル事業の開発物件は11件に増加

訪日外国人旅行者の増加を背景としてホテル不足は深刻化している。”ゴールデンルート”と言われる人気のコース(首都圏、箱根・富士山、京都、大阪)はこの傾向が顕著でありホテルの需要が高い。同社では関西圏を中心に、中核駅に隣接した取得用地の中から、マンション事業よりもホテル事業として取り組んだほうが収益向上を見込める場所ではホテルの開発を推進してきた。開発物件数は2017年3月期第2四半期時点で11件あり、2017年3月期第1四半期から3件増えた。11件の開発案件の内訳は、2018年3月期に3物件が完成予定(すべて大阪)、2019年3月期には8物件が完成予定(大阪4物件、京都1物件、広島1物件、博多1物件、横浜1物件)だ。事業スキームとしては、1)ホテル事業会社への売却、2)自社で保有しホテル運営会社へ運営委託、3)自社で保有しホテル運営会社とプレサンスのブランド名での共同運営、の3タイプに分かれる(1):5物件、2):1物件、3):3物件、未定:2物件)。 また、この他にも、運用実績を積んだ上でのリートやファンドへの売却も視野に入れ、多角的にホテル事業を推進する方針だ。

(5)子会社設立しASEAN(ベトナム)に進出

同社は、2016年9月にASEAN近隣諸国における不動産の開発プロジェクト等への出資を目的として、三栄建築設計と共同で新会社を設立した。新会社の名称は「プロスエーレ」、出資比率は50%ずつ、本社は東京都新宿区である。

ASEAN近隣諸国では堅調な経済成長を背景に中間所得層が増加しており、都市部に人口が集中する傾向にある。そのため都市部においては住宅需要が拡大期にある。新会社は、現地の優良なパートナー企業が行う不動産の開発プロジェクトに対して出資するスキームを基本とし、中長期的にトータル1,000億円程度の不動産の開発プロジェクト案件を随時検討していく予定である。

手始めに、ベトナムの不動産デベロッパーTIEN PHAT(ベトナム大手民間総合建設会社HOA BINHの関係会社)との間で、合弁会社TIEN PHAT TAN THUAN CORPORATIONを設立し、ホーチミン市で進める分譲住宅開発事業に参画すると発表した。同プロジェクトは、ホーチミン市中心部から3.5kmの7区において、延床総面積72,551.5平方メートル、総戸数504戸の分譲マンション及び商業施設を含む開発を行う予定だ。プロジェクト全体売上高は約58億円である。ベトナムにおいては、2015年7月に施行された改正住宅法に伴い、外国人の不動産購入に関する規制が緩和され、分譲住宅マーケットは一層の拡大が見込まれている。同社は、高い成長性が見込まれるベトナム及びASEAN近隣諸国都市部の不動産開発に、今後も積極的に取り組んでいく考えである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)



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