【実況!決算説明会】(1)サンセイランディック<3277>---2016年12月期通期決算(2/4)
[17/03/14]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
このコンテンツは、サンセイランディック<3277>の2016年12月期の通期決算説明会の音声を文字に起こしたものです。なお、実際の説明会で使用された資料は、同社のウェブサイトをご覧下さい。4本に分けたコンテンツの2本目です。
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続きまして、代表取締役の松崎よりトピックスについてご説明申し上げたいと思います。
お手元の資料の12ページ目。
冒頭でも触れましたが、本日初めてご参加の方も多数いらっしゃるということでございますので、簡単に底地についてのご説明をさせていただきたいと思います。
まず底地とは、簡単に言いますと、「借地権」と「底地」というものに分かれます。
「借地権」につきましては、他人の土地を借りて自分の建物の敷地として使える権利です。「底地」は、土地を貸して上に借地権者さんがいる状態の土地のことを指しております。
つまり、土地の使う権利と持つ権利が分かれている状態の不動産です。
このように権利が分かれていることで物件の市場価値が低くなりがちでございます。また、権利が分かれた故の問題というのが様々ございます。我々はこのような不動産を買い取り、分かれている権利を一つにすることによって不動産本来の価値を向上させる事業を行っております。
具体的に昨年取り扱いました物件をご説明申し上げます。東京都中央区の物件でございます。
売り主様とは過去にも取引がございまして、今回も当社にご相談をいただきました。
売主様は遠方に住んでおりまして、高齢のため当該地の管理にも困っていて将来の相続を見越してこの度改めて売却を決意されました。
このような取引は直接取引なので仲介者がいません。
なので、売主様のお話を直接聞いてお取引することができます。例えばこの事例ですと、過去に売主さんと隣地の方と一緒に売却しようかとお話があったそうです。
我々としては、仕入前に周囲の方・権利者の状況を把握できることで、権利調整ができないリスクを軽減できるメリットがあります。当社の仕入においては、仲介者を介した取引が大半を占めますが、今後はこのような直接取引を増やす策を実行して、より有利に仕入ができるよう進めてまいります。
14ページ目でございます。
こちらの物件は、底地ですので、土地を借りている借地権者さんに底地を売却する計画でした。
また、所有権は個別に売却する予定でしたが、たまたま1名の借地権者の方から手放したいというご要望があり、当社にて借地権を購入して、所有権区画と合せて広い更地になりました。
さらに、北側の隣地と合せるとまとまった土地になるので、隣地に声をかけて一緒に売却することになりました。
その後、左側の隣地にマンション計画が立ち上がり、まとめて売却することで当初計画よりも利益が高まりました。
当初の計画通り区画ごとの売却ですと、通常の利益率・利益額でございましたが、このように土地全体の価値が高まる交渉をすることにより権利者の方にもメリットがあると同時に、当社の販売価格も上昇して結果として利益率が高まったということございます。
今期につきましては、底地事業において単純に底地を借地権者に売却するだけでなく、土地全体の価値を高める権利調整が増えたため、当初予算よりも利益率が高くなった面がございます。
また、これまで続けて参りました人材育成により、このような権利調整を仕入れから1年以内で確実に行うことができるようになってきております。
仕入れの総量は減少しましたが、その中でもこのように高い利益を確保できる質のいい物件の仕入れができておりますので、底地においては引き続き安定した利益が保てるものと考えております。
続きまして、我々のもう一つ主力事業でございます居抜き事業についてご説明申し上げます。
一般的に居抜きと申しますと、飲食店などで内装はそのままで、店舗の権利だけを売買するということが居抜きと言われることがございます。我々では、写真のように建物が古くても借りていらっしゃる方がいる収益性が低くなっている状態の建物のことを居抜き物件と呼んでいます。築年数が古いため、収入よりも修繕費などの管理コストが高く、オーナーさんもどうにかしたいと思っているのですが、、借りてらっしゃる方がいるため、なかなか活用ができないという物件でございまして、こちらも底地同様に日本全国で権利調整のニーズが高い不動産です。
当社はこのような物件をお住まいの方がいる状態で購入させていただいております。
我々は居抜き物件を購入後、住んでいる方との交渉を行い、引っ越しをしていただきまして、建物取り壊し更地にした状態で売却しています。
基本的にこの建物をリフォームしてもその採算性に疑問があるということと、入居者の方がいる状態では大規模な工事もやりづらいということがございますので、当社は明け渡しを前提で取り組んでいます。
16ページ目でございますが、こちら今期取り組んだ名古屋の物件でございます。売主さんは、東京にお住まいの方で相続が発生する前に信頼できる会社に売却を希望されました。
この物件につきましては、東京の仲介業者を通じて本社で情報入手しまして、名古屋支店にて仕入れ行っています。不動産の場合、物件の所在地ではなくお住まいの場所でご相談されるケースが多いため、我々の全国展開の強みが活かされた事例です。この案件以外にも今期は、仙台で情報入手し札幌支店で仕入れを行うなどよい効果が出ています。このような支店網を活かした仕入れを行うため日本全国を展開している大手不動産会社や金融機関など、東京の本部から支店の紹介を受けて情報ルートを広めています。
この物件につきましては、建物は築35年で高齢の方がおふたりお住まいでございました。
明け渡しですが、住んでいる方のご家族と当社で協力して、移転先を探し、2人とも無事に引っ越し先が決まりました。新居を探すにあたり、お子様の自宅や通院している病院に近く階段を登らなくても済むような1階のお部屋を探していたのですが、なかなか該当する物件がありませんでした。それを足で稼ぐといいますか、日常から我々が使っております不動産業者のネットワークを使いまして、何とか該当する物件を探すことができ、無事に今までより条件の良いところに引っ越すことができておふたりに喜んでいただきました。
その後、このアパートを解体して、土地を売却しました。名古屋圏の市況環境が良く当初計画よりも売却価格が上昇しました。昨年の居抜き事業につきましては、全国的に上昇していた不動産価格が高くなりすぎたため、価格調整がありました。その影響で売れ行きが停滞するエリアというのが出てきております。
札幌・福岡などは中心エリアが高くなり過ぎて、デベロッパーや建売会社が郊外に移動するという傾向があるようでございます。
売上高減少要因になりました大型居抜き物件は、停滞するエリア内にあったので、販売に苦戦いたしました。
一方で、体制の強化を図って参りました名古屋・大阪支店が対象としている名古屋市・京都市など依然環境がよいエリアもあり、この一例のように当初計画を超える売却ができております。
今年は、エリアの選別が必要になりますが引き続きよい環境が続くと予想しております。
(3/4)に続く
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