エヌ・シー・エヌ Research Memo(7):SE構法に対する認知度向上を推進
[19/07/09]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■エヌ・シー・エヌ<7057>の今後の見通し
2. 成長戦略
木造耐震設計事業を主力事業としているが、この事業の安定的・継続的な発展が収益基盤の基礎として必要であると考えている。そのためには、登録施工店ネットワークの継続的な拡大のほか、今後の先を見据えた戦略の1つとして「構造計算の普及」における認知度向上が欠かせないが、同社社長の田鎖氏が代表理事を務める(一社)耐震住宅100%実行委員会等を通じて、真に品質の高い耐震住宅の普及に取り組んでいる。また、同社サイトの動画サイト「NCNチャンネル」の総視聴は305万回、構造計算や実験を公開する「構造チャンネル」は3万3千回と、実際に建替え等を考えている顧客等に向け、順調にアクセス数が伸びている。また、特定メディアをジャックするプロモーション方策を取っており、2020年3月期はフランス・パリで誕生したファミリー向けファッション、インテリア雑誌『MilK』の日本版である『MilK JAPON』において、建築家とSE構法によるデザイナーズハウス、デザイン住宅の特集が組まれる等の取り組みや、ラグジュアリーなインテリア雑誌『モダンリビング』が年2回、SE構法を特集する別冊『ML WELCOME(エムエル・ウェルカム)』を発行する。これらの施策に伴い、住宅購入を考えている顧客のSE構法に対する認知度は同社調査において現在、40%近くまで伸びている。
(1) 資産1億円以上の富裕層は126万世帯超え
良い住宅を作るため高価格帯が中心となるが、富裕層の需要見込みについては、2018年12月に民間シンクタンクが発表した、日本の富裕層に関する調査結果によると、2017年に1億円以上5億円未満の純金融資産を持つ「富裕層」は118万3,000世帯、5億円以上を保有する「超富裕層」は8万4,000世帯に上り、富裕層と超富裕層の合計世帯数は126万7,000世帯であった。この調査結果による需要を予測すると、30年に1度建て替えた場合、30分の1の42,233戸が建て替えられていることになり、そのマーケットに対して登録施工店ネットワークを通じたSE構法の更なる普及により、収益基盤の拡大を図る。
一方で低価格帯については、規格型にすることによってコストを下げることが可能である。この分野についてはMUJI HOUSE「無印良品の家」において展開するが、この建物においてもSE構法、温熱エネルギー計算サービスが組み込まれている。また、「BESS」という住宅ブランドで事業を展開するアールシーコア<7837>とも提携して商品を企画しているが、こちらもSE構法が採用されている。
さらに将来的に成長が見込める中古住宅流通(SE構法のフルリノベーション)に向けた取り組みも進めているハウスメーカーとの提携により、団地の再生等を手掛ける。
(2) 大規模木造建築(非住宅)分野の拡大
大規模木造建築(非住宅)分野については、住宅よりも規模の大きい木造建築において、同社グループがこれまで培った構造計算ノウハウが必要となるため、事業拡大できる分野であると考えている。大規模木造建築に対応した設計システム等の技術研究開発や、構造加工品等の生産・供給体制を強化し、集合住宅や病院・保育園等の非住宅分野への展開に注力する計画である。
(3) 2019年11月にも中期経営計画を発表
同社は2019年11月に中期経営計画を発表する予定である。安定成長を掲げているが、利益成長が見えてくるなかで、成長戦略が発表される可能性が高いとみられる。
(4) 海外展開:韓国に初の海外工務店を施工店登録
韓国における海外木造耐震設計事業の拡大のため、新たに韓国のヘガパッシブ建築(株)を、2019年6月より「耐震構法SE構法」の登録施工店としている。
2017年12月に韓国では建設交通部の耐震規定が、「2階以上、延べ面積200m2以上のすべての住宅に対して耐震設計が義務化」へと改訂されている。木造建築物も例外ではなく、建築確認申請の際に耐震設計確認に必要な構造安全確認書と構造計算書の提出が義務となっている。本法改正後、同社は韓国で木造非住宅を計画中の建設業者・設計者より「SE構法の構造計算」に対する問い合わせが増加した。韓国における木造住宅の着工戸数は11,689棟(2017年韓国通計庁)で2x4による建築が主流だが、耐震性能の高い日本の木造軸組み工法へ関心を持つ建設業者・建て主は増加傾向にある。また、2017年11月に発生した浦項(ポハン)地震(M5.4)など、ここ数年、韓国でも地震による建物への被害が発生し、住戸に対する耐震性の向上に意識が高まっている。法改正や地震対策への関心が高まるなか、同社の「耐震構法SE構法」の韓国内での採用拡大が期待される。また、今後も韓国などアジア圏における海外事業の拡大が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 村瀬智一)
<SF>
2. 成長戦略
木造耐震設計事業を主力事業としているが、この事業の安定的・継続的な発展が収益基盤の基礎として必要であると考えている。そのためには、登録施工店ネットワークの継続的な拡大のほか、今後の先を見据えた戦略の1つとして「構造計算の普及」における認知度向上が欠かせないが、同社社長の田鎖氏が代表理事を務める(一社)耐震住宅100%実行委員会等を通じて、真に品質の高い耐震住宅の普及に取り組んでいる。また、同社サイトの動画サイト「NCNチャンネル」の総視聴は305万回、構造計算や実験を公開する「構造チャンネル」は3万3千回と、実際に建替え等を考えている顧客等に向け、順調にアクセス数が伸びている。また、特定メディアをジャックするプロモーション方策を取っており、2020年3月期はフランス・パリで誕生したファミリー向けファッション、インテリア雑誌『MilK』の日本版である『MilK JAPON』において、建築家とSE構法によるデザイナーズハウス、デザイン住宅の特集が組まれる等の取り組みや、ラグジュアリーなインテリア雑誌『モダンリビング』が年2回、SE構法を特集する別冊『ML WELCOME(エムエル・ウェルカム)』を発行する。これらの施策に伴い、住宅購入を考えている顧客のSE構法に対する認知度は同社調査において現在、40%近くまで伸びている。
(1) 資産1億円以上の富裕層は126万世帯超え
良い住宅を作るため高価格帯が中心となるが、富裕層の需要見込みについては、2018年12月に民間シンクタンクが発表した、日本の富裕層に関する調査結果によると、2017年に1億円以上5億円未満の純金融資産を持つ「富裕層」は118万3,000世帯、5億円以上を保有する「超富裕層」は8万4,000世帯に上り、富裕層と超富裕層の合計世帯数は126万7,000世帯であった。この調査結果による需要を予測すると、30年に1度建て替えた場合、30分の1の42,233戸が建て替えられていることになり、そのマーケットに対して登録施工店ネットワークを通じたSE構法の更なる普及により、収益基盤の拡大を図る。
一方で低価格帯については、規格型にすることによってコストを下げることが可能である。この分野についてはMUJI HOUSE「無印良品の家」において展開するが、この建物においてもSE構法、温熱エネルギー計算サービスが組み込まれている。また、「BESS」という住宅ブランドで事業を展開するアールシーコア<7837>とも提携して商品を企画しているが、こちらもSE構法が採用されている。
さらに将来的に成長が見込める中古住宅流通(SE構法のフルリノベーション)に向けた取り組みも進めているハウスメーカーとの提携により、団地の再生等を手掛ける。
(2) 大規模木造建築(非住宅)分野の拡大
大規模木造建築(非住宅)分野については、住宅よりも規模の大きい木造建築において、同社グループがこれまで培った構造計算ノウハウが必要となるため、事業拡大できる分野であると考えている。大規模木造建築に対応した設計システム等の技術研究開発や、構造加工品等の生産・供給体制を強化し、集合住宅や病院・保育園等の非住宅分野への展開に注力する計画である。
(3) 2019年11月にも中期経営計画を発表
同社は2019年11月に中期経営計画を発表する予定である。安定成長を掲げているが、利益成長が見えてくるなかで、成長戦略が発表される可能性が高いとみられる。
(4) 海外展開:韓国に初の海外工務店を施工店登録
韓国における海外木造耐震設計事業の拡大のため、新たに韓国のヘガパッシブ建築(株)を、2019年6月より「耐震構法SE構法」の登録施工店としている。
2017年12月に韓国では建設交通部の耐震規定が、「2階以上、延べ面積200m2以上のすべての住宅に対して耐震設計が義務化」へと改訂されている。木造建築物も例外ではなく、建築確認申請の際に耐震設計確認に必要な構造安全確認書と構造計算書の提出が義務となっている。本法改正後、同社は韓国で木造非住宅を計画中の建設業者・設計者より「SE構法の構造計算」に対する問い合わせが増加した。韓国における木造住宅の着工戸数は11,689棟(2017年韓国通計庁)で2x4による建築が主流だが、耐震性能の高い日本の木造軸組み工法へ関心を持つ建設業者・建て主は増加傾向にある。また、2017年11月に発生した浦項(ポハン)地震(M5.4)など、ここ数年、韓国でも地震による建物への被害が発生し、住戸に対する耐震性の向上に意識が高まっている。法改正や地震対策への関心が高まるなか、同社の「耐震構法SE構法」の韓国内での採用拡大が期待される。また、今後も韓国などアジア圏における海外事業の拡大が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 村瀬智一)
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