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KLab Research Memo(6):2018年12月期は過去最高業績を更新

注目トピックス 日本株
■過去の業績推移

過去の業績を振り返ると、「スクフェス」がヒットした2014年12月期にそれまでの過去最高の売上高を更新したものの、その後は2016年12月期まで減収傾向が続いた。2015年のリリースタイトルが不振だったほか、2016年12月期は方針転換等に伴い新規タイトルのリリースを見送ったことから、「スクフェス」等の既存タイトルの自然減をカバーできなかったことが理由である。ただ、2017年12月期以降は、一転して既存タイトルの伸びや新作タイトルの貢献により大きく拡大するとともに、収益構造の安定化も図り、KLab<3656>は新たな成長フェーズに入ってきたと言える。2018年12月期は、過去最高の売上高、営業・経常利益を更新した。

また、海外売上高は、「スクフェス」や「ブレソル」により順調に拡大してきたが、2018年12月期は「キャプ翼」の伸び等により大きく拡大し、前期比で2倍以上、5年間で10倍以上に成長。その結果、海外売上高(年間)は全体の約35%を占めるに至っており、いよいよ「グローバルで収益化を図れる会社」へと進化してきたことがうかがえる。

損益面では、2013年12月期に営業損失を計上しているが、相次ぐ海外拠点の設立により固定費が膨らんだことに加えて、開発遅延によりリリース本数が計画を下回ったこと、新規タイトルについても不振であったこと、開発遅延を取り戻すための外注費が拡大したことが要因である。ただ、2014年12月期以降は、低利益・赤字案件からの撤退や、それに伴う開発リソースの捻出による人員削減、固定費の変動費化により、原価低減や販管費の圧縮を進め、収益体質の改善(損益分岐点の引き下げ)を進めてきた(ただし、人員計画については2017年12月期第3四半期より増員フェーズに移行)。なお、2016年12月期の売上原価率の悪化はイベント事業の影響(一過性の要因)によるものである。2017年12月期は、増収効果や収益体質改善の成果により大幅な増益(利益率の向上)を実現。2018年12月期についても、前述のとおり、外注比率の向上や他社IPの活用、人件費の拡大など、戦略的な意図(事業としての安定性と成長性の確保)を反映してコストが増加したものの、増収やコストコントロールにより増益基調が続いている。

財務面では、第三者割当増資により2014年12月期末の自己資本比率は70.8%に上昇し、その後もおおむね70%を超える水準で推移している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)



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