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リネットジャパン Research Memo(7):2019年9月期業績は大幅な増収増益を実現

注目トピックス 日本株
■決算動向

2. 2019年9月期決算の概要
リネットジャパングループ<3556>の2019年9月期の業績は、営業収益が前期比88.9%増の8,569百万円、営業利益が429百万円(前期は8百万円の利益)、経常利益が前期比690.9%増の386百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同937.3%増の247百万円と大幅な増収増益となった※。計画(増額修正後)に対しても、売上高、営業利益ともに上回る着地となっている。

※なお、「海外事業」については、決算未了(現地法人設立の登記承認等の遅れに伴うもの)による前期からの期ずれ分(2018年7月から9月までの3ヶ月分)が含まれていることに注意が必要である。すなわち、2018年9月期からの期ずれ分として、売上高で約600百万円、経常利益で約80百万円が含まれているようだが、その要因を除いても、大幅な増収増益を達成したことに変わりはない。


営業収益は、「リユース事業」が堅調に推移した一方、本格的に立ち上がってきたカンボジアでの「海外事業」(特に、車両販売事業)が大きく拡大。また、「小型家電リサイクル事業」も提携自治体数の増加や認知度の拡大などにより順調に伸びている。

利益面でも、「リユース事業」によるベース利益の底上げや「小型家電リサイクル事業」の黒字転換に加え、「海外事業」の利益貢献が大きくなったことから、大幅な経常増益を実現。経常利益率も4.5%(前期は1.1%)に改善した。ただ、経常利益が計画を若干下回ったのは、為替差損(140百万円)によるものである。

財務面では、「海外事業」の伸びに伴って、車両販売による「売掛金」やマイクロファイナンスによる「営業貸付金」が大幅に増加し、その結果、総資産は前期末比64.0%増の7,621百万円に拡大。一方、自己資本についても、新株予約権の行使(約15億円の資金調達)や内部留保の積み増しにより同179.2%増の2,576百万円に増強されたことから、自己資本比率は33.8%(前期末は19.9%)に改善している。

事業別の決算概要は以下のとおりである。

(1) リユース事業
営業収益は前期比0.5%増の3,491百万円、セグメント経常利益は同11.1%増の360百万円と増収増益となった。営業収益の伸びは緩やかな水準にとどまったものの、利益面では高収益商材の取扱いや効率化の推進により大幅な増益を実現した。セグメント利益率も10.3%(前期は9.3%)に改善した。また、販売の先行指標となる買取点数(月間)は前期比144%まで積み上がっており、今後の業績の伸びにも期待が持てる。

(2) 小型家電リサイクル事業
営業収益は前期比74.1%増の595百万円、セグメント経常利益は36百万円(前期は18百万円の損失)と大幅な増収及び黒字転換を実現した。2017年4月から開始された「メダルプロジェクト」を機に、国民への制度の周知が進むなかで、提携自治体数の増加などが業績の伸びに寄与した。また、利益面でも、増収により収益性が大きく改善した。第4四半期にて認知度向上のためのブランディング関連費用(45百万円)を積極投下したものの、しっかりと黒字転換を実現することができた。

(3) 海外事業
営業収益は前期比524.0%増の4,482百万円、セグメント経常利益は同658.8%増の588百万円と大幅な増収増益となった。カンボジアでの中古車両・農機具に対する旺盛な需要が追い風となるなかで、2017年11月に設立したRENET JAPAN (CAMBODIA)による車両販売が年間855台(前期は451台)に大きく伸長し業績拡大に寄与した。また、2018年10月に連結化したチャムロンによる「マイクロファイナンス事業」についても、融資残高を順調に積み増すと同時に、不良債権率の低減を図り、収益性及び健全性の両面で大きな成果を示した※。買収に伴う調達コストの低下のほか、給与体系の改善等による社員のモチベーション向上が業績の伸びを支える要因となっているようだ。一方、「人材送出し事業」については、まだ本格的な業績貢献の段階ではないが、100名の実習生を日本の自動車整備・製造現場に送り出すことが内定(前期は13名)しており、今後の事業拡大に向けて着々と実績を積み上げている。

※同社買収後、直近12ヶ月で融資残高は40%増加する一方、延滞比率(30日以上)は1%を切る水準(買収時は約1.75%)まで低下している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)



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