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ピアラ Research Memo(7):D2C支援事業、越境EC支援事業の育成とエンターテイメント領域開拓の方針(2)

注目トピックス 日本株
■ピアラ<7044>の今後の展開

(3) 越境EC支援事業
越境EC支援事業については、中国、台湾向けが右肩上がりで成長しているほか、タイでも食品を中心に着実に売上を伸ばしている。売上総利益に占める越境EC支援事業の構成比率は2018年12月期の1%から2020年12月期は10%弱程度まで上昇する見込みとなっている。台湾では2020年12月期第2四半期累計期間において10商材のマーケティング支援を実施し、ヒット商品を創出している。

今後は既述のタイのほか、ベトナムでも新商材の販売支援を開始していく予定となっている。ベトナムについてはコロナ禍の影響で輸入許可手続きが遅れ、当初の計画よりも遅延していたが、第4四半期より数アイテムの輸出が開始される予定で、2021年12月期以降も商材を拡充しながら事業を拡大していく計画となっている。

(4) D2C企業向け金融支援サービス「PIALA PAY」
2020年8月にはSFSと業務提携し、B&H、食品領域のスタートアップ及び中小通販事業者向けに、同社初となるマーケティング金融支援サービス「PIALA PAY」の提供を開始することを発表した。今回の提携目的は、B&H、食品領域において素晴らしい商品を持ちながらもマーケティング活動に資金を投下できず、機会損失につながっている企業に対して、新たな仕組みの金融支援サービスを行うことで収益獲得機会を提供していくことが狙いとなっている。通販事業にとっては、販売初期段階でどれだけマーケティング資金を投下できるかで、その後の収益獲得額が大きく変わってくると言われている。

サービスの概要は、同社独自のサービス「RESULT MASTER」を使用して、通販事業者の売上実績からリピート売上(将来売上)を予測し、将来の売上債権をSFSが買い取ることで、当該事業者に資金を融資する流れとなる。通常、銀行ではリピート率が未知数で将来の売上予測が困難なため、マーケティング費用に対しての融資の実行が下りにくいが、同社であれば長年蓄積してきたデータをもとに、B&Hや食品業界における通販事業者の将来売上予測を行うことはある程度可能となる。この予測データとSFS独自の審査モデルを組み合わせることで、未回収リスクを軽減する。

年商規模で1〜20億円規模の通販事業者を対象に、貸付金額については1回当たり数千万円〜1億円程度を目安としている。通販事業者はSFSからの貸付金で同社のマーケティング支援サービスを利用し、売上拡大を目指していくことになる。このため、同社にとっては顧客の新規獲得と同時に売上貢献につながるサービスとして位置付けられる。第1弾として、2019年12月に資本業務提携した(株)SARABiO温泉微生物研究所(旧(株)サラヴィオ化粧品)に対して、数千万円の融資をSFSで実行しており、そのほか数社が審査中となっている。顧客獲得手段としては、セミナー開催のほか、投資ファンド運営会社からの紹介を見込んでいる。スタートアップ企業等に投資しているファンド運営会社にとっては、投資先企業が早期に収益化してくれることが望ましいため、「PIALA PAY」のようなサービスは受け入れやすく、比較的容易に顧客を獲得できる環境にあると言える。当面は与信スコアを作りながら着実に進めていくことになるが、潜在的なニーズは大きく、国内でのKPI保証サービスの持続的成長につながる取り組みとして注目される。

(5) ナレシェアの取り組み状況
KPI保証サービスの引き合いが増加するなか、リソース不足という課題を解消し、成長加速につなげていくための取り組みとして、「ナレシェア」を開始している。広告代理店や同業者など協業が可能な優良なパートナーを組織化し、互いのナレッジを共有することで、クライアント企業に対して費用対効果が高く、かつ健全なマーケティング支援サービスの提供を実現可能としている。

具体的には、同社が保有する「悩み特化型DMP」をパートナーに開放し、パートナーのノウハウやデータを一緒にAIで学習させることでマーケティング精度の向上を図っていく。この取り組みにより、中期的に誰でも70%程度の再現性のあるマーケティング施策の実行が可能になることを目指している。既に数社とプロジェクトが進んでおり、メインパートナーとなるイングリウッドとは2020年5月に資本業務提携契約を締結※している。イングリウッドはOMOの構築やAIによるデータベースマーケティングに強みを持ち、これらのノウハウを活用することでAI最適化の速度を上げ、同社クライアント企業のパフォーマンス最大化を実現していく。

※2020年5月にイングリウッドの代表取締役から株式を取得(保有比率0.17%)した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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