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インフォクリエ Research Memo(1):2020年9月期はITソリューション事業が堅調で増収増益

注目トピックス 日本株
■要約

1. ITソリューションとITサービスの2事業領域
インフォメーションクリエーティブ<4769>の事業領域は、ソフトウェア開発から、インフラ設計構築、運用支援までのトータルソリューションを提供するITソリューション事業と、自社パッケージソフトの開発・提供と運用を行うITサービス事業の2つに大別される。ITソリューション事業の提供先エンドユーザーは、製造、金融・証券・保険、情報・通信・メディアなど広範囲の業種にわたる。ITサービス事業としては、チケット業界向けの次世代チケットシステム「チケット for LINE Hybrid」を2020年4月にリリース、また、連結子会社である(株)LOCOBEEより訪日・在留ベトナム人向けWebマガジン「Locobee」やオンライン日本語学習サービス「NIPPON★GO」の提供を行っている。

2. 2020年9月期連結決算
2020年11月5日、同社は2020年9月期の連結決算発表を行った。売上高は8,487百万円(前期比1.6%増)、営業利益は591百万円(同19.0%増)、経常利益は650百万円(同18.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は643百万円(同71.0%増)であった。売上高、利益ともに前期比増収増益で、売上高は10期連続増収、各利益指標は3期連続の増益を記録した。売上高では、ITソリューション事業でのシステム運用業務が堅調で増収であった。特に、官公庁・自治体、金融・証券・保険などの顧客分野での伸長が業績拡大に貢献した。一方、ITサービス事業については、チケット関連サービスにおいて、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)によるイベント中止や延期等によりマイナス影響が出た。利益面では、主にITソリューション事業の増収効果及び生産性向上により、人件費や研究開発費など先行投資の販管費を吸収し、営業利益・経常利益は増益となった。また、親株主に帰属する当期純利益については、保有株式の売却に伴う特別利益の計上により大幅増益となった。

2021年9月期の連結業績予想は、売上高が前期比1.4%減の8,369百万円、営業利益が同1.3%減の583百万円、経常利益が同4.0%減の624百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同30.3%減の448百万円である。コロナ禍の影響が、少なくとも一定期間続くと仮定し、保守的な計画を設定している。

3. 中期経営計画
既存事業が堅実性を求められるのに対して、新規事業はスピード経営など発想の転換が必要であり、2020年9月期に実施したマネジメント体制の変更を含め、今後は「挑戦的」な組織・人事体制で新規事業を推進していくという同社の意気込みを感じさせる計画であると弊社では見ている。具体的な施策については、次第に明らかにされていくものと考えるが、良好な財務状況・豊富な資金をベースに、アライアンス・M&Aなどを積極的に推進していくものと見ている。まずは、新体制下での3ヶ年中期経営計画の動向に注目する。なお、中期経営計画の最終年度目標値として明示しているものではないが、前中期経営計画に引き続き、同社は長期的に「売上高100億円企業」を目指している。

■Key Points
・安定的な業務受託のITソリューション事業と挑戦型で自社開発のITサービス事業の2本柱
・2020年9月期はITソリューション事業が堅調で増収増益
・新経営体制で中期経営計画を推進。新技術領域・新規事業創出に挑戦

(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田秀樹)




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