ムサシ Research Memo(1):選挙関連機器のトップメーカー。新規事業の育成で事業拡大を図る
[21/01/20]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
ムサシ<7521>は選挙関連機材や金融関連機材の総合メーカーである。また、文書のデジタル化(メディアコンバート)事業やスキャナー、非破壊検査機材、業務用ろ過フィルターなどを取り扱う情報・産業システム機材、印刷システム機材、紙・紙加工品などの商社事業も行っている。特に選挙関連機材においては投開票業務に必要な各種機器から投票箱等の用品用具、開く投票用紙など幅広い商品をラインナップし、業界のトップシェアを誇る圧倒的な存在である。また、各種文書やマイクロフィルムのデジタル化(メディアコンバート)事業においても国内最大級のイメージングセンターを展開し、次の収益の柱への育成を図っている。商社機能とメーカー機能を併せ持っているのが特長だ。
1. 2021年3月期第2四半期業績
2021年3月期第2四半期の連結業績は、売上高14,180百万円(前年同期比28.6%減)、営業損失185百万円(前年同期は1,127百万円の利益)、経常損失129百万円(同1,153百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失106百万円(同899百万円の利益)となった。主力の選挙システム機材において、東京都知事選挙があったものの2019年4月の統一地方選挙や同7月の参議院選挙のような大型選挙がなかったことにより、売上高が前年同期比71.6%減となったことが響いた。他の事業も新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の影響を受けて減収となった。注力しているメディアコンバート事業(情報・産業システム機材の内数)は順調に拡大し、売上高は1,924百万円(前年同期比28.5%増)となった。
2. 2021年3月期通期業績予想
2021年3月期通期の連結業績は、売上高32,481百万円(前期比13.6%減)、営業利益182百万円(同82.2%減)、経常利益262百万円(同78.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益140百万円(同83.8%減)と予想されている。下半期には回復を見込んでいるが、大幅なものではなく前期比で黒字確保が目標となっている。分野別売上高では、選挙システム機材は通年でも大幅減収が予想され、印刷システム機材や紙・紙加工品もコロナの影響で減収の見込み。情報・産業システム機材と金融汎用システム機材はほぼ前期並みが予想されている。注力するメディアコンバート事業は前期比17.4%増を見込んでいる。配当については、従来から最低ラインと定めている年間24円(普通配当)を維持する方針だ。
3. 中長期の成長戦略
現在、同社の収益の中心は選挙関連機材となっているが、この分野は安定成長しているものの国政選挙などの実施の有無によって需要にばらつきが出るためシクリカルな事業と言える。そのため、メディアコンバート事業や業務用ろ過フィルター、社会インフラ画像診断サービス『ひびみっけ』事業等を一段と強化し、収益基盤の安定化を図る計画だ。特にメディアコンバート事業については、官公庁における文書のデジタル化需要だけでなく、民間においてもコロナの影響によるテレワークの浸透で各種データや書類のデジタル化は必須となっており、中長期では成長が見込まれる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<NB>
ムサシ<7521>は選挙関連機材や金融関連機材の総合メーカーである。また、文書のデジタル化(メディアコンバート)事業やスキャナー、非破壊検査機材、業務用ろ過フィルターなどを取り扱う情報・産業システム機材、印刷システム機材、紙・紙加工品などの商社事業も行っている。特に選挙関連機材においては投開票業務に必要な各種機器から投票箱等の用品用具、開く投票用紙など幅広い商品をラインナップし、業界のトップシェアを誇る圧倒的な存在である。また、各種文書やマイクロフィルムのデジタル化(メディアコンバート)事業においても国内最大級のイメージングセンターを展開し、次の収益の柱への育成を図っている。商社機能とメーカー機能を併せ持っているのが特長だ。
1. 2021年3月期第2四半期業績
2021年3月期第2四半期の連結業績は、売上高14,180百万円(前年同期比28.6%減)、営業損失185百万円(前年同期は1,127百万円の利益)、経常損失129百万円(同1,153百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失106百万円(同899百万円の利益)となった。主力の選挙システム機材において、東京都知事選挙があったものの2019年4月の統一地方選挙や同7月の参議院選挙のような大型選挙がなかったことにより、売上高が前年同期比71.6%減となったことが響いた。他の事業も新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の影響を受けて減収となった。注力しているメディアコンバート事業(情報・産業システム機材の内数)は順調に拡大し、売上高は1,924百万円(前年同期比28.5%増)となった。
2. 2021年3月期通期業績予想
2021年3月期通期の連結業績は、売上高32,481百万円(前期比13.6%減)、営業利益182百万円(同82.2%減)、経常利益262百万円(同78.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益140百万円(同83.8%減)と予想されている。下半期には回復を見込んでいるが、大幅なものではなく前期比で黒字確保が目標となっている。分野別売上高では、選挙システム機材は通年でも大幅減収が予想され、印刷システム機材や紙・紙加工品もコロナの影響で減収の見込み。情報・産業システム機材と金融汎用システム機材はほぼ前期並みが予想されている。注力するメディアコンバート事業は前期比17.4%増を見込んでいる。配当については、従来から最低ラインと定めている年間24円(普通配当)を維持する方針だ。
3. 中長期の成長戦略
現在、同社の収益の中心は選挙関連機材となっているが、この分野は安定成長しているものの国政選挙などの実施の有無によって需要にばらつきが出るためシクリカルな事業と言える。そのため、メディアコンバート事業や業務用ろ過フィルター、社会インフラ画像診断サービス『ひびみっけ』事業等を一段と強化し、収益基盤の安定化を図る計画だ。特にメディアコンバート事業については、官公庁における文書のデジタル化需要だけでなく、民間においてもコロナの影響によるテレワークの浸透で各種データや書類のデジタル化は必須となっており、中長期では成長が見込まれる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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