アイル Research Memo(1):2021年7月期第2四半期累計業績は計画比から上振れて着地
[21/04/12]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
アイル<3854>は中堅・中小企業を主たる顧客として、DX※(デジタルトランスフォーメーション)によるビジネス変革を支援するトータルシステムソリューション企業である。顧客の抱える経営課題全般に対して、ITによるリアルとWebの融合で企業のデジタル変革を推進するCROSS-OVERシナジー戦略を特徴としている。具体的には、自社開発の基幹業務管理システム「アラジンオフィス」シリーズを中心に、基幹システム構築、システムサポート保守、ネットワーク構築、人材教育、Webコンサルティング、ECサイト構築、基幹業務パッケージソフト、複数ECサイト一元管理ソフト、実店舗とECの顧客・ポイント一元管理ソフトなどを提供し、顧客企業の販売力強化、業務効率化(店舗管理・受発注・在庫管理・バックヤード運用など)、人材採用・教育など、企業の経営力アップを支援している。
※「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念であり、従来のビジネスモデルやビジネス手段といったものをデジタル技術により変革し、新たな価値を創造すること。
同社の特徴・強みとしては、(1)高い販売・在庫管理ノウハウ、(2)中堅・中小企業市場への特化、(3)リアルとWebの両方への対応力と高シェア、(4)特化業種深耕戦略、(5)パートナー戦略、(6)自社製品・サービス比率の高さ、(7)トータルソリューションを実現する商品生態系戦略、(8)社員の約7割が技術職の体制、(9)小売業へのオムニチャネル戦略、(10)個別カスタマイズ対応力、などが挙げられる。リアルとWebの両面から複合提案できるCROSS-OVERシナジー戦略の結果、攻めの力も守りの力も強く、顧客企業数は増加基調である。
同社は利益重視戦略へ方針転換しており、開発・カスタマイズ時の品質管理強化や生産性向上、ストック売上拡大などを重点施策として推進している。この結果、全社ベースの売上総利益率は2016年7月期の38.0%を直近ボトムとして上昇に転じ、2020年7月期には過去最高の44.7%まで上昇、2021年7月期第2四半期累計には半期ベースで過去最高の45.8%まで上昇している。
1. 2021年7月期第2四半期累計業績の概要
2021年7月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比5.2%減の6,596百万円、営業利益が同22.2%減の954百万円、経常利益が同21.2%減の971百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同21.5%減の635百万円となった。前年同期にあった特需の反動や人件費の増加などが要因で減収減益となったものの、企業のDXニーズの高まりを背景にストック項目が順調に拡大した結果、期初計画比では売上高で2.0%増、営業利益で20.5%増と大幅に上振れて着地した。また、売上総利益率は45.8%(前年同期は45.1%)と同0.7ポイント上昇し、半期ベースで過去最高となった。なお同社試算によると、前年同期の特需※分を除いた場合、売上高は同14.6%増収だった。
※2020年7月期の軽減税率・Windows OSサポート終了に伴った売上・営業利益を、同社内で試算したもの。
2. 2021年7月期の業績見通し
2021年7月期の連結業績予想については、2021年3月に上方修正し、売上高が前期比0.3%増の12,723百万円、営業利益が同5.9%減の1,600百万円、経常利益が同5.1%減の1,627百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同12.0%減の1,046百万円としている。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響が当初計画時より軽微であったことから、売上高は前期比増収に上方修正した。また、企業のDXニーズの高まりを背景に受注・売上が想定よりも好調に推移していることに加え、生産性向上やストック売上拡大の効果により売上総利益率が上昇していることから、期初予想に比べて減益幅が縮小する見込みとしている。なお同社試算によると、前期の特需分を除いた場合、売上高は同13.8%増収、営業利益は同11.6%増の予想となっている。第2四半期時点での進捗率は営業利益で59.6%と好調であることや直近の受注・売上の好調などを勘案すれば、通期業績予想の更なる上方修正の可能性もあると弊社では見ている。
3. 中期成長戦略
中期成長戦略としては、DX支援のリーディングカンパニーを目指し、(1)システムソリューション事業の安定成長による強固な収益基盤の構築、(2)Webソリューション事業を第二の収益柱に育成、(3)新技術を取り込んだ新たな業務システム領域への進出、を掲げている。独自のCROSS-OVERシナジー戦略を推進し、新技術を取り込んだ独自開発のサービス・製品を有機的に結合させ、高付加価値トータルソリューションパッケージとして市場に提供することで、高収益体質の構築に取り組む方針だ。市場環境は良好であることに加え、品質・生産性向上の効果やストック売上拡大で利益率も上昇基調であることから、DX支援のリーディングカンパニーを目指す中期成長基調に変化はないと弊社では見ている。
■Key Points
・リアルとWebのシナジーによって顧客企業の経営力アップを支援する、トータルシステムソリューションを展開
・2021年7月期第2四半期累計業績は計画比上振れ、売上総利益率は半期ベースで過去最高を更新
・2021年7月期業績予想を上方修正、直近の好調などを勘案すれば更なる上方修正の可能性も
・DX支援のリーディングカンパニーを目指す中期成長基調に変化なし
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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アイル<3854>は中堅・中小企業を主たる顧客として、DX※(デジタルトランスフォーメーション)によるビジネス変革を支援するトータルシステムソリューション企業である。顧客の抱える経営課題全般に対して、ITによるリアルとWebの融合で企業のデジタル変革を推進するCROSS-OVERシナジー戦略を特徴としている。具体的には、自社開発の基幹業務管理システム「アラジンオフィス」シリーズを中心に、基幹システム構築、システムサポート保守、ネットワーク構築、人材教育、Webコンサルティング、ECサイト構築、基幹業務パッケージソフト、複数ECサイト一元管理ソフト、実店舗とECの顧客・ポイント一元管理ソフトなどを提供し、顧客企業の販売力強化、業務効率化(店舗管理・受発注・在庫管理・バックヤード運用など)、人材採用・教育など、企業の経営力アップを支援している。
※「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念であり、従来のビジネスモデルやビジネス手段といったものをデジタル技術により変革し、新たな価値を創造すること。
同社の特徴・強みとしては、(1)高い販売・在庫管理ノウハウ、(2)中堅・中小企業市場への特化、(3)リアルとWebの両方への対応力と高シェア、(4)特化業種深耕戦略、(5)パートナー戦略、(6)自社製品・サービス比率の高さ、(7)トータルソリューションを実現する商品生態系戦略、(8)社員の約7割が技術職の体制、(9)小売業へのオムニチャネル戦略、(10)個別カスタマイズ対応力、などが挙げられる。リアルとWebの両面から複合提案できるCROSS-OVERシナジー戦略の結果、攻めの力も守りの力も強く、顧客企業数は増加基調である。
同社は利益重視戦略へ方針転換しており、開発・カスタマイズ時の品質管理強化や生産性向上、ストック売上拡大などを重点施策として推進している。この結果、全社ベースの売上総利益率は2016年7月期の38.0%を直近ボトムとして上昇に転じ、2020年7月期には過去最高の44.7%まで上昇、2021年7月期第2四半期累計には半期ベースで過去最高の45.8%まで上昇している。
1. 2021年7月期第2四半期累計業績の概要
2021年7月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比5.2%減の6,596百万円、営業利益が同22.2%減の954百万円、経常利益が同21.2%減の971百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同21.5%減の635百万円となった。前年同期にあった特需の反動や人件費の増加などが要因で減収減益となったものの、企業のDXニーズの高まりを背景にストック項目が順調に拡大した結果、期初計画比では売上高で2.0%増、営業利益で20.5%増と大幅に上振れて着地した。また、売上総利益率は45.8%(前年同期は45.1%)と同0.7ポイント上昇し、半期ベースで過去最高となった。なお同社試算によると、前年同期の特需※分を除いた場合、売上高は同14.6%増収だった。
※2020年7月期の軽減税率・Windows OSサポート終了に伴った売上・営業利益を、同社内で試算したもの。
2. 2021年7月期の業績見通し
2021年7月期の連結業績予想については、2021年3月に上方修正し、売上高が前期比0.3%増の12,723百万円、営業利益が同5.9%減の1,600百万円、経常利益が同5.1%減の1,627百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同12.0%減の1,046百万円としている。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響が当初計画時より軽微であったことから、売上高は前期比増収に上方修正した。また、企業のDXニーズの高まりを背景に受注・売上が想定よりも好調に推移していることに加え、生産性向上やストック売上拡大の効果により売上総利益率が上昇していることから、期初予想に比べて減益幅が縮小する見込みとしている。なお同社試算によると、前期の特需分を除いた場合、売上高は同13.8%増収、営業利益は同11.6%増の予想となっている。第2四半期時点での進捗率は営業利益で59.6%と好調であることや直近の受注・売上の好調などを勘案すれば、通期業績予想の更なる上方修正の可能性もあると弊社では見ている。
3. 中期成長戦略
中期成長戦略としては、DX支援のリーディングカンパニーを目指し、(1)システムソリューション事業の安定成長による強固な収益基盤の構築、(2)Webソリューション事業を第二の収益柱に育成、(3)新技術を取り込んだ新たな業務システム領域への進出、を掲げている。独自のCROSS-OVERシナジー戦略を推進し、新技術を取り込んだ独自開発のサービス・製品を有機的に結合させ、高付加価値トータルソリューションパッケージとして市場に提供することで、高収益体質の構築に取り組む方針だ。市場環境は良好であることに加え、品質・生産性向上の効果やストック売上拡大で利益率も上昇基調であることから、DX支援のリーディングカンパニーを目指す中期成長基調に変化はないと弊社では見ている。
■Key Points
・リアルとWebのシナジーによって顧客企業の経営力アップを支援する、トータルシステムソリューションを展開
・2021年7月期第2四半期累計業績は計画比上振れ、売上総利益率は半期ベースで過去最高を更新
・2021年7月期業績予想を上方修正、直近の好調などを勘案すれば更なる上方修正の可能性も
・DX支援のリーディングカンパニーを目指す中期成長基調に変化なし
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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