エコモット Research Memo(7):2021年8月期の営業利益は185百万円を予想
[21/04/21]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
1. 2021年8月期の業績見通し
エコモット<3987>の2021年8月期の連結業績予想については、売上高が2,650百万円、営業利益が185百万円、経常利益が184百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が126百万円を見込んでいる。前期の棚卸資産評価損が原価を低減していることが、収益性改善に寄与する。
(1) ソリューション別売上高予想
ソリューション別の予想売上高と比較のため算出された2020年8月までの12ヶ月間の参考値との増減率は、インテグレーションソリューションが29.2%増、コンストラクションソリューションが12.5%増、モニタリングソリューションが9.7%減、モビリティサービスが26.2%増の合計12.9%増となる。
インテグレーションソリューションは、新型コロナウイルス感染症対策のパッケージを先行して開発したこともあり、引き合いが好調だ。3密対策に関わるシステムは、試験的な使用の段階であるため、今後本格導入を働きかける。特にチェーン展開をしている店舗や施設の運営者をターゲットとする。
売上高の約半分を占めるコンストラクションソリューションは、2018年4月から売上拡大に向けた営業人員強化を進めてきた。総従業員数は2017年3月末の54名から、年を追って71名、91名と増え、2020年8月期末には123名になった。2019年5月に開設した東海営業所は、1年以上経過して業績に寄与し始めた。営業面ではリモートによる打ち合わせが定着しており、コロナ禍による大きな影響は出ていない。反対に、現場に行きづらくなった顧客の遠隔臨場システムに対する需要が拡大している。
モニタリングソリューションは、唯一減収見込みとなる。2020年8月期に、3Gサービス終了を見据えて端末が3Gから4G/LTE対応に置き換えられる特需が発生した反動減が要因となる。
モビリティサービスは、2020年8月期からずれ込んだ大口顧客の注文を取り込み、大幅な増収を目指す。カーテレマティクス端末は、モビリティサービスの戦略製品として積極的な営業活動を展開する。
(2) 2021年8月期第2四半期累計業績と下期の予想
2021年8月期第2四半期累計の業績は、売上高が1,075百万円、営業利益が43百万円であった。ソリューション別に見ると、インテグレーションソリューションの売上高は0.98億円となった。計画案件を順調に獲得したものの、大型案件1件の納品月が下期へ変更となったことが大きく影響した。コンストラクションソリューションの売上高は5.82億円となった。既存顧客専用システムにおける追加の大型開発と、東海営業所において大型案件の獲得がけん引した。モニタリングソリューションの売上高は1.87億円となった。2020年12月1日から「ゆりもっと」の遠隔監視サービスが始まるため、当第2四半期連結累計期間は遠隔監視料としてのストック売上比率が高くなっている。フロー売上は、LTE端末へのリプレイス案件やストークの大型案件の納期が下期にずれ込んだ結果、やや低調となった。モビリティサービスの売上高は2.06億円となった。3Gサービス終了を見据えた3G端末の解約が第1四半期以降継続しておりストック売上の積み上げが伸び悩み、これを新規販売台数でカバーしきれなかった。
2021年8月期下期は、売上高が1,574百万円、営業利益が141百万円以上で通期業績予想を達成する。売上高の季節的パターンは、2019年3月期で下期(10〜3月)が上期(4〜9月)の約1.4倍であったが、2021年8月期下期(3〜8月)の売上高は上期(9〜2月)比約1.4倍となる。つまり、2021年8月期の予想では、売上高及び営業利益の季節的パターンが逆転することになる。
新・中期経営ビジョンでは、2023年8月期に売上高35億〜50億円を目指す
2. 新・中期経営ビジョン
(1) 基本方針
2021年1月14日には、2021年8月期からの新・中期3ヵ年計画が開示された。「新・中期経営ビジョン」では、同社のIoT領域の強みを更に深化・拡大させるために、「垂直統合領域の拡大」「既存ソリューション領域の深化」「事業領域の拡大」の3つの基本方針が掲げられた。成長マトリクスになぞらえれば、AI、監視サービス、電源・電池領域の事業化を進める新製品開発戦略、既存領域で市場シェア拡大のために営業網を拡充する市場浸透戦略、BtoBtoC領域への拡大やDX支援事業の立ち上げなどが新市場開拓戦略となる。また、市場浸透戦略ではコンストラクションソリューションの事業機会増大を取り込むため、新たに中四国と甲信に営業拠点を設ける。
(2) 数値目標
数値目標としては、最終年度の2023年8月期に、売上高35億円〜50億円(2020年8月までの12ヶ月間の参考値23.4億円)、営業利益率6〜10%以上(同8.5%、ただし棚卸資産評価損を含まない)、従業員数170〜250名(同123名)を掲げている。売上高35億円はオーガニックな成長をベースとしており、3年間のCAGRは14.3%になる。また、売上高50億円にはM&Aを視野に入れ、新規事業拡大などの挑戦目標としている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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1. 2021年8月期の業績見通し
エコモット<3987>の2021年8月期の連結業績予想については、売上高が2,650百万円、営業利益が185百万円、経常利益が184百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が126百万円を見込んでいる。前期の棚卸資産評価損が原価を低減していることが、収益性改善に寄与する。
(1) ソリューション別売上高予想
ソリューション別の予想売上高と比較のため算出された2020年8月までの12ヶ月間の参考値との増減率は、インテグレーションソリューションが29.2%増、コンストラクションソリューションが12.5%増、モニタリングソリューションが9.7%減、モビリティサービスが26.2%増の合計12.9%増となる。
インテグレーションソリューションは、新型コロナウイルス感染症対策のパッケージを先行して開発したこともあり、引き合いが好調だ。3密対策に関わるシステムは、試験的な使用の段階であるため、今後本格導入を働きかける。特にチェーン展開をしている店舗や施設の運営者をターゲットとする。
売上高の約半分を占めるコンストラクションソリューションは、2018年4月から売上拡大に向けた営業人員強化を進めてきた。総従業員数は2017年3月末の54名から、年を追って71名、91名と増え、2020年8月期末には123名になった。2019年5月に開設した東海営業所は、1年以上経過して業績に寄与し始めた。営業面ではリモートによる打ち合わせが定着しており、コロナ禍による大きな影響は出ていない。反対に、現場に行きづらくなった顧客の遠隔臨場システムに対する需要が拡大している。
モニタリングソリューションは、唯一減収見込みとなる。2020年8月期に、3Gサービス終了を見据えて端末が3Gから4G/LTE対応に置き換えられる特需が発生した反動減が要因となる。
モビリティサービスは、2020年8月期からずれ込んだ大口顧客の注文を取り込み、大幅な増収を目指す。カーテレマティクス端末は、モビリティサービスの戦略製品として積極的な営業活動を展開する。
(2) 2021年8月期第2四半期累計業績と下期の予想
2021年8月期第2四半期累計の業績は、売上高が1,075百万円、営業利益が43百万円であった。ソリューション別に見ると、インテグレーションソリューションの売上高は0.98億円となった。計画案件を順調に獲得したものの、大型案件1件の納品月が下期へ変更となったことが大きく影響した。コンストラクションソリューションの売上高は5.82億円となった。既存顧客専用システムにおける追加の大型開発と、東海営業所において大型案件の獲得がけん引した。モニタリングソリューションの売上高は1.87億円となった。2020年12月1日から「ゆりもっと」の遠隔監視サービスが始まるため、当第2四半期連結累計期間は遠隔監視料としてのストック売上比率が高くなっている。フロー売上は、LTE端末へのリプレイス案件やストークの大型案件の納期が下期にずれ込んだ結果、やや低調となった。モビリティサービスの売上高は2.06億円となった。3Gサービス終了を見据えた3G端末の解約が第1四半期以降継続しておりストック売上の積み上げが伸び悩み、これを新規販売台数でカバーしきれなかった。
2021年8月期下期は、売上高が1,574百万円、営業利益が141百万円以上で通期業績予想を達成する。売上高の季節的パターンは、2019年3月期で下期(10〜3月)が上期(4〜9月)の約1.4倍であったが、2021年8月期下期(3〜8月)の売上高は上期(9〜2月)比約1.4倍となる。つまり、2021年8月期の予想では、売上高及び営業利益の季節的パターンが逆転することになる。
新・中期経営ビジョンでは、2023年8月期に売上高35億〜50億円を目指す
2. 新・中期経営ビジョン
(1) 基本方針
2021年1月14日には、2021年8月期からの新・中期3ヵ年計画が開示された。「新・中期経営ビジョン」では、同社のIoT領域の強みを更に深化・拡大させるために、「垂直統合領域の拡大」「既存ソリューション領域の深化」「事業領域の拡大」の3つの基本方針が掲げられた。成長マトリクスになぞらえれば、AI、監視サービス、電源・電池領域の事業化を進める新製品開発戦略、既存領域で市場シェア拡大のために営業網を拡充する市場浸透戦略、BtoBtoC領域への拡大やDX支援事業の立ち上げなどが新市場開拓戦略となる。また、市場浸透戦略ではコンストラクションソリューションの事業機会増大を取り込むため、新たに中四国と甲信に営業拠点を設ける。
(2) 数値目標
数値目標としては、最終年度の2023年8月期に、売上高35億円〜50億円(2020年8月までの12ヶ月間の参考値23.4億円)、営業利益率6〜10%以上(同8.5%、ただし棚卸資産評価損を含まない)、従業員数170〜250名(同123名)を掲げている。売上高35億円はオーガニックな成長をベースとしており、3年間のCAGRは14.3%になる。また、売上高50億円にはM&Aを視野に入れ、新規事業拡大などの挑戦目標としている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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