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DDHD Research Memo(1):22年2月期は売上高の一定回復と収益構造強化で黒字転換と債務超過解消を目指す

注目トピックス 日本株
■要約

1. 事業概要
DDホールディングス<3073>は、首都圏をはじめ全国主要都市に多ブランド展開による飲食事業を主力とするとともに、ダーツやビリヤード、カラオケなどのアミューズメント事業、ホテル、貸コンテナ、不動産販売などの不動産サービス事業も手掛けている。保有ブランドの多様性を生かしたブランドマネジメント制とドミナント展開に特徴がある。特に、「VAMPIRE CAFE(ヴァンパイアカフェ)」「アリスのファンタジーレストラン」「ベルサイユの豚」など個性的な人気ブランドを創出してきたことや積極的なM&Aによる事業規模拡大、「わらやき屋」「九州熱中屋」「BAGUS(バグース)」などの高収益ブランドがこれまでの同社の成長を支えてきた。

2017年9月には持株会社体制へ移行し、株式会社DDホールディングスへと商号変更。「世界に誇る『オープンイノベーション企業』」を新たな経営理念に掲げ、グループ会社の理念・個性を尊重するとともに、オープンイノベーションによる相互補完と相乗効果により企業価値の最大化を図る方向性を打ち出している。新型コロナウイルス感染症拡大の影響(以下、コロナ禍)により足元業績は大きく後退し、当面は経営合理化策に基づく事業基盤の強化に専念する方針であるが、同社の目指す方向性に大きな修正はなく、むしろ変革に向けた動きがますます重要なファクターとなってきた。

2. 2021年2月期決算の概要
2021年2月期の連結業績は、売上高が前期比59.1%減の23,483百万円、営業損失が9,703百万円とコロナ禍の影響により大幅な減収減益となり、各段階損益で損失を計上した。売上高は、1回目の緊急事態宣言に伴う休業及び時短営業の影響より、とりわけ第1四半期での落ち込みが大きかった。第2四半期以降は、徐々に回復に向かったものの、コロナ禍第3波の影響や、それに伴う2回目の緊急事態宣言により、第4四半期で再び失速する結果となった。新規出店については、すでに契約済であった9店舗(全て飲食事業)※1及び不動産サービス事業のホテル2棟を出店した一方、不採算店舗54店舗※2を整理し、今後の損益改善に向けて収益構造の強化を図った。損益面では、徹底した固定費圧縮に努めたものの、売上高の急激な落ち込みにより大幅な損失を計上し、財務面でも301百万円の債務超過に陥った。一方、経営合理化策の推進や新株予約権の発行等を通じて、今後の損益改善や財務基盤の安定化に向けて一定の道筋をつけたことや、厳しい業界環境を逆手にとり、リスクを抑えながらスケールメリットが期待できるプラットフォームビジネスを開始したところは、今後に向けてプラスの材料と言えよう。

※1 2021年2月期第3四半期より持分法適用関連会社となった(株)ゼットンによる出店数2店舗を含む。
※2 2021年2月期第3四半期より持分法適用関連会社となった(株)ゼットンによる退店数1店舗を含む。


3. 2022年2月期の業績見通し
2022年2月期の連結業績予想について同社は、売上高を前期比41.8%増の33,297百万円、営業利益を318万円と売上高の一定の回復と収益構造の強化により、黒字転換及び債務超過解消を見込む(本連結業績予想には3回目の緊急事態宣言等による時短要請の営業収益に係る影響及び当該要請等に係る「助成金収入」の予想値は算出が困難であることから含めていない)。3回目の緊急事態宣言により、足元の第1四半期は厳しい滑り出しとなっているが、第2四半期以降、コロナ禍の影響が一定期間継続する仮定のもと、売上高は段階的に回復に向かう見通しとしている。損益面では、売上高に見合ったコスト構造になるように、継続的なコスト削減と状況に応じた追加施策を実施し、損益分岐点を引き下げることで、黒字転換を見込むとともに、資本政策の実施(新株予約権の行使進行)に伴って債務超過の解消を目指している。

4. 今後の方向性
同社は、業界を取り巻く環境変化等を踏まえ、2020年2月期より3ヶ年の中期経営計画をスタートさせた。既存事業の強化・拡大に加え、ブランドポートフォリオの拡充、スケールメリットの追求等により、高収益体質への転換や将来利益の創造などに取り組んでいる。足元ではコロナ禍の影響を受け、事業基盤及び財務基盤の安定化に専念する方針であるが、業界の枠を超えたイノベーションの推進等により、環境変化に柔軟に対応し、持続的な成長を実現していく方向性に大きな修正はない。特に、コロナ禍に伴う「新たな生活様式」の定着に鑑み、コア事業の業績回復と並行して新規事業の準備を順次開始していく構想を描いている。

■Key Points
・2021年2月期の業績はコロナ禍の影響を受けて大きく後退し、損失計上及び債務超過に陥った
・経営合理化策の推進や新株予約権の発行等を通じて、今後の損益改善や財務基盤の安定化に向けて一定の道筋をつけたことや、新たなプラットフォームビジネスの開始では今後に向けてプラスの材料
・2022年2月期は売上高の一定の回復と収益構造の強化により黒字転換及び債務超過の解消を見込む
・同社ならではのイノベーションの推進により、環境変化に柔軟に対応し、持続的な成長を実現していく方向性に修正はなく、新サービスやマーケットの創出にも取り組んでいく

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)




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