グリムス Research Memo(6):系統用蓄電池事業のビジネスモデル
[26/07/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*11:46JST グリムス Research Memo(6):系統用蓄電池事業のビジネスモデル
■グリムス<3150>の今後の見通し
成長戦略の新たな動きとして、系統用蓄電池事業の推進がある。太陽光発電などの再生可能エネルギーは、天候や時間帯による発電量の変動が大きく、電力供給の安定化が課題となっている。系統用蓄電池は、大型蓄電池を電力系統に接続し、電力の余剰時には充電を行い、不足時には放電を行うことで機動的な電力供給が可能であることから、電力需給の安定化や再生可能エネルギーの普及に貢献できるため、今後の拡大が見込まれる。ビジネスモデルとしては、電力の安定供給や周波数調整のサービスを提供する「需給調整市場」、電力売買の場において安価な時間帯に電力を調達し需要が高い時間帯に販売することで収益を得る「卸電力市場」、将来の電力供給力を提供する「容量市場」の各市場において、より高い収益を得られる市場で取引を行う。系統用蓄電池事業は小売電気事業との親和性が高い事業であり、短期的には需給調整市場を中心に早期投資回収を図り、中長期的には電源調達等のリスクヘッジとしてのシナジー効果が期待できる。
需給調整市場は2021年に創設されたが、特に蓄電池の長所が発揮される付加価値の高い「一次調整力」は2024年度から取引開始したばかりのため、現在は募集量に対して入札量が不足する状況にある。しかし、今後は再生可能エネルギーの普及拡大に伴い、需給安定化のための系統用蓄電池ニーズが高まると予想される。同社グループでは、系統用蓄電池の高圧蓄電所として全国6ヶ所での建設を推進しており、全ての高圧蓄電所が2027年3月期にフル寄与する予定である。さらに、来期以降も引き続き蓄電所の建設を検討し、事業の拡大を図る方針であり、収益貢献の拡大が期待される。今後の金利上昇の可能性を考えれば、潤沢な自己資金で設備投資が可能な同社は、借入に頼らざるを得ない他社に比べて優位に立つと言えよう。
(2) 小売電気事業
小売電気事業では、逆ザヤリスクを回避したビジネスモデルを確立しており、安定成長を実現する。
また、同社グループでは、事業用太陽光とのセット販売に強みを持つGRコンサルティングが2025年4月より供給している。グリムスパワーは小売電気事業を専業とし、グループのノウハウ構築と電気による顧客開拓に強みを持つ。また、GRコンサルティングは事業用太陽光との兼業により、別チャネルによる効率的な顧客開拓を行っている。
以上のとおり、同社グループでは、エネルギーソリューション事業では中小企業向け事業用太陽光発電システム販売の先行的な立場として高成長・高収益モデルを実現する。一方、小売電気事業では安定ストック型のビジネスモデルにより、顧客数・規模の拡大に伴い増益を見込むが、今後は新たな系統用蓄電池事業の稼働開始によるストック収益基盤強化との相乗効果が見込まれる。
同社グループでは2020年3月期までは毎年、中期経営計画の見直しを行い、新中期経営計画を発表してきたが、2021年3月期からはコロナ禍に伴う先行き不透明感もあって未発表である。一方で、コロナ禍において業績予想を開示しない会社も多数あったなかで、業績予想を発表し続けたことは評価できよう。ただ、会社としての経営方針を明確化し、同社グループの投資家や従業員が同社グループの将来像を共有するためにも、中期経営計画の正式発表は有意義であると考えられる。
■サステナビリティ
同社グループでは、地球環境に配慮して経済活動を維持し続けることを意味する「サステナビリティ」にも積極的に取り組んでいる。すなわち、「省エネ・創エネ・蓄エネ」を事業領域として、環境に優しい商品・サービスを提供することで成長を続け、豊かで安心して暮らせる社会の構築と持続的な発展に貢献している。具体的には、省エネ性能の高い商品の販売を通じて、エネルギー効率の改善に貢献している。また、太陽光発電システムや蓄電池など再生可能エネルギー関連商品の販売を通じて、脱炭素社会の構築に貢献している。さらに、社会のニーズを意識した商品・サービスを提供することで、常に社会とともに発展することを目指している。近年、世界的にもESG投資(環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)を重視した株式投資)を行う機関投資家が増えており、わが国でもESG投資は急増している。その意味でも、同社株式は、投資家からの関心が高まる可能性のある銘柄と評価できる。
■株主還元策
配当性向40%の目安に基づき、11期連続で増配を計画
株主還元策としては配当を実施している。そして、事業基盤を強化し企業価値を高めるため内部留保を充実させること、会社業績の動向に応じて株主へ成果を配分すること、これらを総合的に勘案したうえで安定的に株主に利益還元することを利益配分に関する基本方針としている。
2025年3月期より、好決算及び潤沢な現預金を背景に、通期の配当性向を従来の目安であった30%から40%に引き上げた。その結果、2026年3月期は、中間配当25.0円、期末配当60.0円、合計85.0円(前期比6.0円増)の10期連続増配を行った。2027年3月期も、中間配当28.0円、期末配当65.0円、合計93.0円(前期比8.0円増)の11期連続増配を計画する。配当性向は40.0%の予想で、直近のデータである2026年3月期のプライム市場上場企業平均の35.24%を大きく上回り、同社グループは株主還元にも十分に配慮していると評価できる。同社は持続的に業績拡大することを目指しており、今後も毎期増配を続けることが期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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■グリムス<3150>の今後の見通し
成長戦略の新たな動きとして、系統用蓄電池事業の推進がある。太陽光発電などの再生可能エネルギーは、天候や時間帯による発電量の変動が大きく、電力供給の安定化が課題となっている。系統用蓄電池は、大型蓄電池を電力系統に接続し、電力の余剰時には充電を行い、不足時には放電を行うことで機動的な電力供給が可能であることから、電力需給の安定化や再生可能エネルギーの普及に貢献できるため、今後の拡大が見込まれる。ビジネスモデルとしては、電力の安定供給や周波数調整のサービスを提供する「需給調整市場」、電力売買の場において安価な時間帯に電力を調達し需要が高い時間帯に販売することで収益を得る「卸電力市場」、将来の電力供給力を提供する「容量市場」の各市場において、より高い収益を得られる市場で取引を行う。系統用蓄電池事業は小売電気事業との親和性が高い事業であり、短期的には需給調整市場を中心に早期投資回収を図り、中長期的には電源調達等のリスクヘッジとしてのシナジー効果が期待できる。
需給調整市場は2021年に創設されたが、特に蓄電池の長所が発揮される付加価値の高い「一次調整力」は2024年度から取引開始したばかりのため、現在は募集量に対して入札量が不足する状況にある。しかし、今後は再生可能エネルギーの普及拡大に伴い、需給安定化のための系統用蓄電池ニーズが高まると予想される。同社グループでは、系統用蓄電池の高圧蓄電所として全国6ヶ所での建設を推進しており、全ての高圧蓄電所が2027年3月期にフル寄与する予定である。さらに、来期以降も引き続き蓄電所の建設を検討し、事業の拡大を図る方針であり、収益貢献の拡大が期待される。今後の金利上昇の可能性を考えれば、潤沢な自己資金で設備投資が可能な同社は、借入に頼らざるを得ない他社に比べて優位に立つと言えよう。
(2) 小売電気事業
小売電気事業では、逆ザヤリスクを回避したビジネスモデルを確立しており、安定成長を実現する。
また、同社グループでは、事業用太陽光とのセット販売に強みを持つGRコンサルティングが2025年4月より供給している。グリムスパワーは小売電気事業を専業とし、グループのノウハウ構築と電気による顧客開拓に強みを持つ。また、GRコンサルティングは事業用太陽光との兼業により、別チャネルによる効率的な顧客開拓を行っている。
以上のとおり、同社グループでは、エネルギーソリューション事業では中小企業向け事業用太陽光発電システム販売の先行的な立場として高成長・高収益モデルを実現する。一方、小売電気事業では安定ストック型のビジネスモデルにより、顧客数・規模の拡大に伴い増益を見込むが、今後は新たな系統用蓄電池事業の稼働開始によるストック収益基盤強化との相乗効果が見込まれる。
同社グループでは2020年3月期までは毎年、中期経営計画の見直しを行い、新中期経営計画を発表してきたが、2021年3月期からはコロナ禍に伴う先行き不透明感もあって未発表である。一方で、コロナ禍において業績予想を開示しない会社も多数あったなかで、業績予想を発表し続けたことは評価できよう。ただ、会社としての経営方針を明確化し、同社グループの投資家や従業員が同社グループの将来像を共有するためにも、中期経営計画の正式発表は有意義であると考えられる。
■サステナビリティ
同社グループでは、地球環境に配慮して経済活動を維持し続けることを意味する「サステナビリティ」にも積極的に取り組んでいる。すなわち、「省エネ・創エネ・蓄エネ」を事業領域として、環境に優しい商品・サービスを提供することで成長を続け、豊かで安心して暮らせる社会の構築と持続的な発展に貢献している。具体的には、省エネ性能の高い商品の販売を通じて、エネルギー効率の改善に貢献している。また、太陽光発電システムや蓄電池など再生可能エネルギー関連商品の販売を通じて、脱炭素社会の構築に貢献している。さらに、社会のニーズを意識した商品・サービスを提供することで、常に社会とともに発展することを目指している。近年、世界的にもESG投資(環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)を重視した株式投資)を行う機関投資家が増えており、わが国でもESG投資は急増している。その意味でも、同社株式は、投資家からの関心が高まる可能性のある銘柄と評価できる。
■株主還元策
配当性向40%の目安に基づき、11期連続で増配を計画
株主還元策としては配当を実施している。そして、事業基盤を強化し企業価値を高めるため内部留保を充実させること、会社業績の動向に応じて株主へ成果を配分すること、これらを総合的に勘案したうえで安定的に株主に利益還元することを利益配分に関する基本方針としている。
2025年3月期より、好決算及び潤沢な現預金を背景に、通期の配当性向を従来の目安であった30%から40%に引き上げた。その結果、2026年3月期は、中間配当25.0円、期末配当60.0円、合計85.0円(前期比6.0円増)の10期連続増配を行った。2027年3月期も、中間配当28.0円、期末配当65.0円、合計93.0円(前期比8.0円増)の11期連続増配を計画する。配当性向は40.0%の予想で、直近のデータである2026年3月期のプライム市場上場企業平均の35.24%を大きく上回り、同社グループは株主還元にも十分に配慮していると評価できる。同社は持続的に業績拡大することを目指しており、今後も毎期増配を続けることが期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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