30日の香港市場概況:ハンセン0.5%高で4日ぶり反発、香港交易所が最高値
[20/06/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 外国株
30日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比125.91ポイント(0.52%)高の24427.19ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が0.94ポイント(0.01%)高の9758.63ポイントとそろって4日ぶりに反発した。売買代金は1224億9000万香港ドルにやや縮小している(29日は1330億1900万香港ドル)。
中国経済指標の改善が好感される流れ。中国国家統計局などが朝方公表した6月経済指標では、製造業PMIと非製造業PMIがそろって予想を上回った。28日に発表された5月の全国工業企業利益が2019年11月以来、6カ月ぶりにプラス成長を回復。中国経済の持ち直しが意識されている。ただ、上値は重い。新型コロナウイルス感染拡大「第2波」の警戒感が依然としてくすぶっている。世界保健機関(WHO)の事務局長が29日、「コロナはこれから最悪期を迎える」と発言するなか、米国では「一部地域で活動再開の規模を縮小した」などと伝えられた。また、オーストラリアでは一部の州が30日、一部地域を対象に移動制限の解除を取りやめると発表している。
一方、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会は30日、香港の統制を強化する「香港国家安全維持法」の草案を全会一致で可決。事前に想定されていただけに、現時点で相場に与える影響は限定的だ。
ハンセン指数の構成銘柄では、マカオ・カジノの銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が3.8%高、取引所運営の香港交易所(香港証券取引所:388/HK)が3.1%高、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が2.6%高、医薬品メーカーの石薬集団(1093/HK)が2.2%高と上げが目立った。香港交易所に関しては、手数料増の期待が高まっていることもプラス。中国人民銀行、香港金融管理局、マカオ金融管理局は29日、幅広い理財商品(資産運用商品)を域内で相互に購入できるようにする「越境理財通」をモデル実施する方針を明らかにした。また、足もとで新規株式公開(IPO)が相次いでいることも材料視されている。香港交易所株は上場来高値を更新した。
セクター別では、製造業が高い。中国家電大手のTCL電子HD(TCLエレクトロニクス・ホールディングス:1070/HK)が13.8%、建機大手の中国龍工HD(3339/HK)が3.5%、同じく建機の中聯重科(1157/HK)が2.9%、ICファウンドリ中国大手の華虹半導体(ファホンセミコンダクター:1347/HK)が2.9%、鉄道車両最大手の中国中車(CRRC:1766/HK)が2.2%ずつ上昇した。TCL電子については、親会社の資産再編に伴い、グループ携帯端末メーカーのTCL通訊科技HD(TCLコミュニケーション)を買収することも刺激。業容拡大の期待が強まった。
港湾・物流、海運など運輸関連もしっかり。招商局港口HD(144/HK)が1.9%高、中遠海運港口(1199/HK)が1.0%高、深セン国際HD(152/HK)が2.2%高、太平洋航運集団(2343/HK)が1.8%高、中遠海運HD(1919/HK)が1.4%高で引けた。
半面、中国不動産セクターは安い。中国海外発展(688/HK)と合景泰富集団HD(1813/HK)がそろって3.1%、龍湖地産(960/HK)が2.6%、融創中国HD(1918/HK)が2.1%、雅居楽集団HD(3383/HK)が1.9%、碧桂園HD(2007/HK)が1.4%ずつ下落した。
一方、本土市場は反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.78%高の2984.67ポイントで前場の取引を終えた。証券株が高い。不動産株、ハイテク株、医薬品株、消費関連株、インフラ関連株、運輸株なども買われた。
なお、香港はあす7月1日、香港特別行政区設立記念日により休場となる。
亜州リサーチ(株)
<FA>
中国経済指標の改善が好感される流れ。中国国家統計局などが朝方公表した6月経済指標では、製造業PMIと非製造業PMIがそろって予想を上回った。28日に発表された5月の全国工業企業利益が2019年11月以来、6カ月ぶりにプラス成長を回復。中国経済の持ち直しが意識されている。ただ、上値は重い。新型コロナウイルス感染拡大「第2波」の警戒感が依然としてくすぶっている。世界保健機関(WHO)の事務局長が29日、「コロナはこれから最悪期を迎える」と発言するなか、米国では「一部地域で活動再開の規模を縮小した」などと伝えられた。また、オーストラリアでは一部の州が30日、一部地域を対象に移動制限の解除を取りやめると発表している。
一方、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会は30日、香港の統制を強化する「香港国家安全維持法」の草案を全会一致で可決。事前に想定されていただけに、現時点で相場に与える影響は限定的だ。
ハンセン指数の構成銘柄では、マカオ・カジノの銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が3.8%高、取引所運営の香港交易所(香港証券取引所:388/HK)が3.1%高、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が2.6%高、医薬品メーカーの石薬集団(1093/HK)が2.2%高と上げが目立った。香港交易所に関しては、手数料増の期待が高まっていることもプラス。中国人民銀行、香港金融管理局、マカオ金融管理局は29日、幅広い理財商品(資産運用商品)を域内で相互に購入できるようにする「越境理財通」をモデル実施する方針を明らかにした。また、足もとで新規株式公開(IPO)が相次いでいることも材料視されている。香港交易所株は上場来高値を更新した。
セクター別では、製造業が高い。中国家電大手のTCL電子HD(TCLエレクトロニクス・ホールディングス:1070/HK)が13.8%、建機大手の中国龍工HD(3339/HK)が3.5%、同じく建機の中聯重科(1157/HK)が2.9%、ICファウンドリ中国大手の華虹半導体(ファホンセミコンダクター:1347/HK)が2.9%、鉄道車両最大手の中国中車(CRRC:1766/HK)が2.2%ずつ上昇した。TCL電子については、親会社の資産再編に伴い、グループ携帯端末メーカーのTCL通訊科技HD(TCLコミュニケーション)を買収することも刺激。業容拡大の期待が強まった。
港湾・物流、海運など運輸関連もしっかり。招商局港口HD(144/HK)が1.9%高、中遠海運港口(1199/HK)が1.0%高、深セン国際HD(152/HK)が2.2%高、太平洋航運集団(2343/HK)が1.8%高、中遠海運HD(1919/HK)が1.4%高で引けた。
半面、中国不動産セクターは安い。中国海外発展(688/HK)と合景泰富集団HD(1813/HK)がそろって3.1%、龍湖地産(960/HK)が2.6%、融創中国HD(1918/HK)が2.1%、雅居楽集団HD(3383/HK)が1.9%、碧桂園HD(2007/HK)が1.4%ずつ下落した。
一方、本土市場は反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.78%高の2984.67ポイントで前場の取引を終えた。証券株が高い。不動産株、ハイテク株、医薬品株、消費関連株、インフラ関連株、運輸株なども買われた。
なお、香港はあす7月1日、香港特別行政区設立記念日により休場となる。
亜州リサーチ(株)
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