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大阪大学・理研・アルファフュージョン社、アスタチン創薬による世界初の難治性前立腺がん治験に向け準備開始

〜2021年11月開始の難治性甲状腺がん治験に続き〜




アルファフュージョン株式会社(代表取締役CEO:藤岡直、本社:大阪府北区)は、共同研究先の大阪大学医学系研究科 核医学の渡部直史助教ら放射線科学基盤機構の研究チームと、難治性前立腺がんに対する医師主導治験準備の開始を発表いたします。

本治験・研究成果については、大阪大学のウェブサイト:https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2022/20221114_1
また添付の大阪大学・理化学研究所・アルファフュージョンの共同プレスリリースを参照ください:
https://prtimes.jp/a/?f=d91191-3-bf86e00b8aaa9b7d047c6dab7715350e.pdf

近年、短い飛程でエネルギー(治療効果)の高い放射線として、アルファ線の治療利用が進んでいます。標的アルファ線治療では、アルファ線を出す核種とがんに集積するリガンドを組み合わせ薬剤とし、静脈内投与を行うことで、正常組織に影響を与えることなくがん細胞選択的にアルファ線でがんの治療が可能となります。
アスタチンは大阪大学を中心に研究開発が進められてきたアルファ線核種のひとつで、国内では男性で新規罹患数の最も多いがんである前立腺がんにおける新たな治療オプションとすべく、研究されてきました。

渡部助教らの研究チームが開発した、前立腺がんに発現する前立腺特異的膜抗原(PSMA : Prostate Specific Membrane Antigen)を標的とした新たなアルファ線治療に用いるアスタチン標識PSMAリガンド([At-211]PSMA5)は、非常に有望な医薬品候補化合物です。前立腺がんのモデルマウスにおいて、腫瘍に高い集積を示し、単回投与で腫瘍の退縮効果が長期間持続することが確認されており、世界初のアスタチンを用いた前立腺がん治療薬としての実用化に向け、大阪大学とアルファフュージョンの連携体制で開発を進めていきます。
[画像: https://prtimes.jp/i/91191/3/resize/d91191-3-727cd0d4024cf65f2715-0.png ]


[At-211]PSMA5は、2021年11月より既に難治性分化型甲状腺がんに対する医師主導治験が開始されているアスタチン化ナトリウム([At-211]NaAt)に続き、第二のアスタチン標識標的アルファ線治療薬パイプラインとして大きな期待を寄せています。さらに、大阪大学とアルファフュージョン株式会社は共同研究講座(アスタチン創薬実用化共同研究部門)を組成し、強固な連携体制のもと、第三、第四と次なるパイプラインの創出に取り組んでいます。
今後も、この革新的なアスタチン創薬を拡大するため、大阪大学のみならず、あらゆるアカデミアや研究機関・企業とも連携を拡大していきたいと考えております。

今回、[At-211]PSMA5は、日本医療研究開発機構(AMED)橋渡し研究(シーズF)に採択されています。シーズFは、特定の企業との連携が確立していることが応募の必須条件となっており、本シーズの有用性・実用化への道筋・大阪大学とアルファフュージョンの連携体制も評価され採択されました。最長5年(年間上限70,000千円)の助成のもと、アルファフュージョンも実用化に向けた貢献をしてまいります。

またアルファフュージョンは、今後の多施設共同治験の実施に向けて大阪大学と協力し、経済産業省「地域の中核大学の産学融合拠点の整備」に係る補助事業(Jイノプラ)に採択されました。大阪大学核物理研究センターにおいて、大手メーカーの協力のもと大規模なアスタチンの製造拠点の建設が既に開始されています。

今後もアルファフュージョンは、加速器によるアスタチン核種製造・リガンドへの標識技術・モデル生物を用いた評価系・臨床入りしているパイプラインの開発・実用化に向けたサプライチェーン構築、と一気通貫でアスタチン創薬を加速化していき、本領域での世界でのトップランナーであり続けます。


アルファフュージョン株式会社について
アルファフュージョン株式会社は、主に大阪大学及び科学技術振興機構(JST)産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラム(OPERA QiSS)の成果に基づき設立された、アスタチン(At-211)創薬の社会実装を担うベンチャー企業です。
近年急速に世界的に大きく注目される標的アルファ線核医学治療分野において、日本発のオリジナリティを活かし、本邦の大手加速機器メーカーとも連携して、アスタチン創薬応用の可能性を具体化し、世界水準にて革新的ながん治療プラットフォームの構築を志します。

標的アルファ線核医学治療は、既存のがん創薬とは一線を画し、核物理学・創薬化学・医学生物学の融合がもたらす「マイクロ外科手術」とも考えられています。アルファ線を放出するアルファ線核種と、がん腫瘍のみに集積する化合物を結合することで、アルファ線でがん腫瘍のみを攻撃することができ、これまでにない高い有効性と安全性を有するがん治療となることが期待されています。

アルファフュージョン株式会社は、[At-211]NaAt・[At-211]PSMA5に続き、広く、低分子及び抗体へのアスタチン導入化合物の技術研究及び創薬開発・事業開発を行っております。


治験責任医師:大阪大学医学系研究科 渡部直史助教 コメント
大阪大学で開発を進めてきたアスタチン創薬シーズが、AMED橋渡し研究事業に採択され、理化学研究所、アルファフュージョン株式会社との強固な連携の下で、医師主導治験開始までの目処が立ったことを大変喜ばしく思っております。現在、阪大病院ではPSMAを標的としたPET画像診断の臨床研究が実施されており、多くの進行前立腺がんの患者さんでPSMAの高発現を確認しています。一刻も早く患者さんの元に届けられるように、アルファフュージョンとの産学連携をより一層強め、2024年度の治験開始を目指したいと思います。
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