“ふるさと納税論争”で賛否両論。常に注目と話題を集め続ける泉佐野市の次なる『一手』とは?
[19/04/26]
提供元:PRTIMES
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総務省と真っ向から対峙する千代松市長と実際に会って話した私たちが思うこと。
2019年3月に弊社株式会社R-StartupStudio(代表:生原雄大)は大阪府泉佐野市(市長:千代松大耕、以下、泉佐野市)と連携協定を締結いたしました。
実は締結後、内外から様々な反響を頂き、その中には「泉佐野市はいま国と真っ向から対立しているから、”連携協定”というのもあまりイメージが良くないのでは?」という声も複数ありました。
そこで、いま私たちが泉佐野市について、そして千代松大耕市長についてどう考えているのかを簡単にお話させて頂こうと思います。
[画像1: https://prtimes.jp/i/41773/6/resize/d41773-6-194378-0.jpg ]
泉佐野市といえば、多くの人は『ふるさと納税』を思い浮かべると思います。
メディアでも「国とバトル」「総務省と対立」など派手な見出しで世間を賑わせていますが、泉佐野市は本当に国から批判されるようなことをしたのでしょうか?
泉佐野市が積極的に『ふるさと納税』に取り組んでいる理由として、財政難からの脱却・地方創生・市内の事業者の救済などが挙げられます。
実は、泉佐野市は2009年に財政破綻の恐れから財政健全化団体にもなり、北海道夕張市の次は泉佐野市が財政破綻するとまで言われていました。
そのとき「このままでは泉佐野市が危ない」と立ち上がったのが、千代松市長です。
財政健全化実施プランには、”人件費の削減”、”投資経費の見直し”、”遊休財産の売却・企業誘致”の推進というのを軸に置き市政はチーム一丸となって改革を推し進めました。
それでもまだまだ解決には程遠いと感じた千代松市長は、なんと自分たちのアイデンティティである泉佐野市という名前の「ネーミングライツ(命名権)」を販売しようというアイディアを出します。
結局これは実現しませんでしたが、「ネーミングライツ(命名権)」販売の件は、彼らがどれだけ切羽つまっていて、死にもの狂いで改革を進めていったかがよくわかる事例です。
そんな中、財政健全化に向けた税外収入確保の一つとして取り組んだのが、『ふるさと納税』でした。
泉佐野市は2008年から『ふるさと納税』の取り組みを自体は行っていましたが、最初はうまくいきませんでした。
『ふるさと納税』で返礼品として人気があるものは「肉」「カニ」「米」などで、特にブランド価値の高いものだそうです。
北海道や新潟など、ブランド価値の高い「地場産品」が有る自治体にはどんどん寄付が集まっていき、泉佐野市を始めとするブランド価値の高い「地場産品」が無い自治体には寄付が集まりません。
そんな状況において、泉佐野市はLCCのpeachの航空券と交換できるポイントを返礼品としてつけるという画期的なアイディアを出したのです。
これを機に泉佐野市の『ふるさと納税』が全国的に認知されるようになりました。
こうして、チーム一丸となり『ふるさと納税』に対して熱い想いを注ぎ取り組んだ結果、遂に泉佐野市は2017年寄付金受入額全国1位となったのです。
『ふるさと納税』で得た財源をもとに、泉佐野市では様々な住民サービスを整えていきました。その中の一つが公立小中学校へのプールの整備です。
もともと泉佐野市の公立小中学校は財政難でプールが作れず、水泳の授業を市内の公共プールを利用して行ってました。
そういう状態を見かねた千代松市長は、『ふるさと納税』で得た財源を活用して一校一校の公立小中学校にプールの設置を進めています。
そんな『ふるさと納税』ですが、先日急な総務省の発表でこれから大幅な規制がかかることが決定しました。
端的に言うと、「返礼品は寄付額の3割以下で地場産品に限る。この方針に従わない自治体はふるさと納税の対象から外す。」という強気の内容です。
この規制に対しては多くの人々が疑義を唱えています。
”人気がある地場産品を持たない自治体”はどうすれば良いのか?
「それなら地場産品を作ればいいじゃないか」という意見もあります。ですが、財政破綻寸前もしくは財政難と言われている地方自治体にそれができる体力があるでしょうか?
また、総務省側が問題視して弾糾しているAmazonギフト券の配布についても、泉佐野市側は反論しています。
Amazonギフト券は「泉佐野市が運営を行っているふるさと納税ポータルサイトさのちょく」から直接申し込んだ場合のみ還元されます。
これは地場産品規制によって泉佐野市の多くの地元事業者が『ふるさと納税』の事業に携われなくなるという問題が懸念されており地元事業者の急激な業績悪化や衰退化を防ぐために行われているのです。
メディアでは「Amazonギフト券をばらまいている」というニュアンスで取り上げられていますが、決してそうではなく、6月以降も地元事業者が『ふるさと納税』の業務に携われるよう地元事業者のことを第一に考えて行った施策の一つなのです。
そもそも今回の”ふるさと納税論争”の根本的な原因は総務省の制度設計の甘さにあると思います。そして、総務省の一方的で強制的な態度にあると思います。
本来、国が本当に地方創生を願っているのであれば、トップダウンの一方的な態度ではなく各自治体の意見を聞きながらお互いの意見をすり合わせてしっかりと協議し決めていくことが国と自治体の本来あるべき姿だと思います。
千代松市長や泉佐野市は総務省に『ふるさと納税』に対して議論をしようと何度も呼びかけていたにもかかわらず、一切応じられることはなかったようです。
「総務省と対立」など各メディアで取り上げられたりしますが、決して「総務省との対立」を千代松市長も望んでいるわけではありませんし、あくまでも”ルール”に沿って今できることを考え尽くして取り組みを行い、真摯に向き合い続けたからこそ多くの寄付金を集めることができたのです。
泉佐野市は『ふるさと納税』という制度について大変素晴らしい制度であるという見解を示しています。実際に『ふるさと納税』は泉佐野市にとって教育設備の充実化や地元事業の活性化にもつながっています。
ただ思考停止状態で厳しく規制していくのではなく、国と各自治体がしっかりと話し合いの場を持ち、選択納税にまつわる様々な制度をブラッシュアップしていくことを望んでいます。
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最後になりましたが、弊社と泉佐野市の連携協定の概要をお知らせいたします。
今後、泉佐野市と共に「グローバルスタートアップ創業都市」の促進を行なってまいります。連携協定の概要は以下となります。
1.泉佐野市発のグローバルスタートアップ創業促進の為のイベント開催とスタートアップスタジオ運営に関すること
2.スタートアップ企業の創業及び誘致、啓発に関すること
3.スタートアップ支援・イノベーション人材の育成に関すること
4.その他前条の目的を達成するために必要な事項に関すること
弊社はまだ設立間もない会社ですが、快く受け入れていただいた千代松市長を始めとする関係者の方々に厚くお礼を申し上げます。
[画像2: https://prtimes.jp/i/41773/6/resize/d41773-6-191204-1.jpg ]
また、4月27日に弊社運営施設『Azabu FlagHub』にて、記念イベントを開催いたします。
徳島大学学長 野地澄晴氏、株式会社ChatWork 元CEO 山本敏行氏、他、ゲストの方々を交え『いま世界で拡がる新しいイノベーションの“カタチ”』をテーマとしたトークセッションなど、さまざまなコンテンツをご用意しております。
【株式会社R-StartupStudio概要】
所在地:〒106-0041 東京都港区麻布台1-8-10
代表者:生原 雄大
サイトURL:https://r-startupstudio.com
2019年3月に弊社株式会社R-StartupStudio(代表:生原雄大)は大阪府泉佐野市(市長:千代松大耕、以下、泉佐野市)と連携協定を締結いたしました。
実は締結後、内外から様々な反響を頂き、その中には「泉佐野市はいま国と真っ向から対立しているから、”連携協定”というのもあまりイメージが良くないのでは?」という声も複数ありました。
そこで、いま私たちが泉佐野市について、そして千代松大耕市長についてどう考えているのかを簡単にお話させて頂こうと思います。
[画像1: https://prtimes.jp/i/41773/6/resize/d41773-6-194378-0.jpg ]
泉佐野市といえば、多くの人は『ふるさと納税』を思い浮かべると思います。
メディアでも「国とバトル」「総務省と対立」など派手な見出しで世間を賑わせていますが、泉佐野市は本当に国から批判されるようなことをしたのでしょうか?
泉佐野市が積極的に『ふるさと納税』に取り組んでいる理由として、財政難からの脱却・地方創生・市内の事業者の救済などが挙げられます。
実は、泉佐野市は2009年に財政破綻の恐れから財政健全化団体にもなり、北海道夕張市の次は泉佐野市が財政破綻するとまで言われていました。
そのとき「このままでは泉佐野市が危ない」と立ち上がったのが、千代松市長です。
財政健全化実施プランには、”人件費の削減”、”投資経費の見直し”、”遊休財産の売却・企業誘致”の推進というのを軸に置き市政はチーム一丸となって改革を推し進めました。
それでもまだまだ解決には程遠いと感じた千代松市長は、なんと自分たちのアイデンティティである泉佐野市という名前の「ネーミングライツ(命名権)」を販売しようというアイディアを出します。
結局これは実現しませんでしたが、「ネーミングライツ(命名権)」販売の件は、彼らがどれだけ切羽つまっていて、死にもの狂いで改革を進めていったかがよくわかる事例です。
そんな中、財政健全化に向けた税外収入確保の一つとして取り組んだのが、『ふるさと納税』でした。
泉佐野市は2008年から『ふるさと納税』の取り組みを自体は行っていましたが、最初はうまくいきませんでした。
『ふるさと納税』で返礼品として人気があるものは「肉」「カニ」「米」などで、特にブランド価値の高いものだそうです。
北海道や新潟など、ブランド価値の高い「地場産品」が有る自治体にはどんどん寄付が集まっていき、泉佐野市を始めとするブランド価値の高い「地場産品」が無い自治体には寄付が集まりません。
そんな状況において、泉佐野市はLCCのpeachの航空券と交換できるポイントを返礼品としてつけるという画期的なアイディアを出したのです。
これを機に泉佐野市の『ふるさと納税』が全国的に認知されるようになりました。
こうして、チーム一丸となり『ふるさと納税』に対して熱い想いを注ぎ取り組んだ結果、遂に泉佐野市は2017年寄付金受入額全国1位となったのです。
『ふるさと納税』で得た財源をもとに、泉佐野市では様々な住民サービスを整えていきました。その中の一つが公立小中学校へのプールの整備です。
もともと泉佐野市の公立小中学校は財政難でプールが作れず、水泳の授業を市内の公共プールを利用して行ってました。
そういう状態を見かねた千代松市長は、『ふるさと納税』で得た財源を活用して一校一校の公立小中学校にプールの設置を進めています。
そんな『ふるさと納税』ですが、先日急な総務省の発表でこれから大幅な規制がかかることが決定しました。
端的に言うと、「返礼品は寄付額の3割以下で地場産品に限る。この方針に従わない自治体はふるさと納税の対象から外す。」という強気の内容です。
この規制に対しては多くの人々が疑義を唱えています。
”人気がある地場産品を持たない自治体”はどうすれば良いのか?
「それなら地場産品を作ればいいじゃないか」という意見もあります。ですが、財政破綻寸前もしくは財政難と言われている地方自治体にそれができる体力があるでしょうか?
また、総務省側が問題視して弾糾しているAmazonギフト券の配布についても、泉佐野市側は反論しています。
Amazonギフト券は「泉佐野市が運営を行っているふるさと納税ポータルサイトさのちょく」から直接申し込んだ場合のみ還元されます。
これは地場産品規制によって泉佐野市の多くの地元事業者が『ふるさと納税』の事業に携われなくなるという問題が懸念されており地元事業者の急激な業績悪化や衰退化を防ぐために行われているのです。
メディアでは「Amazonギフト券をばらまいている」というニュアンスで取り上げられていますが、決してそうではなく、6月以降も地元事業者が『ふるさと納税』の業務に携われるよう地元事業者のことを第一に考えて行った施策の一つなのです。
そもそも今回の”ふるさと納税論争”の根本的な原因は総務省の制度設計の甘さにあると思います。そして、総務省の一方的で強制的な態度にあると思います。
本来、国が本当に地方創生を願っているのであれば、トップダウンの一方的な態度ではなく各自治体の意見を聞きながらお互いの意見をすり合わせてしっかりと協議し決めていくことが国と自治体の本来あるべき姿だと思います。
千代松市長や泉佐野市は総務省に『ふるさと納税』に対して議論をしようと何度も呼びかけていたにもかかわらず、一切応じられることはなかったようです。
「総務省と対立」など各メディアで取り上げられたりしますが、決して「総務省との対立」を千代松市長も望んでいるわけではありませんし、あくまでも”ルール”に沿って今できることを考え尽くして取り組みを行い、真摯に向き合い続けたからこそ多くの寄付金を集めることができたのです。
泉佐野市は『ふるさと納税』という制度について大変素晴らしい制度であるという見解を示しています。実際に『ふるさと納税』は泉佐野市にとって教育設備の充実化や地元事業の活性化にもつながっています。
ただ思考停止状態で厳しく規制していくのではなく、国と各自治体がしっかりと話し合いの場を持ち、選択納税にまつわる様々な制度をブラッシュアップしていくことを望んでいます。
-------------------
最後になりましたが、弊社と泉佐野市の連携協定の概要をお知らせいたします。
今後、泉佐野市と共に「グローバルスタートアップ創業都市」の促進を行なってまいります。連携協定の概要は以下となります。
1.泉佐野市発のグローバルスタートアップ創業促進の為のイベント開催とスタートアップスタジオ運営に関すること
2.スタートアップ企業の創業及び誘致、啓発に関すること
3.スタートアップ支援・イノベーション人材の育成に関すること
4.その他前条の目的を達成するために必要な事項に関すること
弊社はまだ設立間もない会社ですが、快く受け入れていただいた千代松市長を始めとする関係者の方々に厚くお礼を申し上げます。
[画像2: https://prtimes.jp/i/41773/6/resize/d41773-6-191204-1.jpg ]
また、4月27日に弊社運営施設『Azabu FlagHub』にて、記念イベントを開催いたします。
徳島大学学長 野地澄晴氏、株式会社ChatWork 元CEO 山本敏行氏、他、ゲストの方々を交え『いま世界で拡がる新しいイノベーションの“カタチ”』をテーマとしたトークセッションなど、さまざまなコンテンツをご用意しております。
【株式会社R-StartupStudio概要】
所在地:〒106-0041 東京都港区麻布台1-8-10
代表者:生原 雄大
サイトURL:https://r-startupstudio.com