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視覚障害者ボランティアセミナー

〜東京2020オリンピック・パラリンピックにむけて〜 開催報告レポート

 2018年9月25日(火)、一般財団法人日本財団ボランティアサポートセンター(東京都港区・理事長:渡邉一利・以下、ボラサポ)は、筑波大学理療科教員養成施設とともに「視覚障害者ボランティアセミナー 〜東京2020オリンピック・パラリンピックにむけて〜」を開催いたしました。
 本セミナーでは、東京2020大会のボランティア募集について、視覚障害者にも分かりやすくボランティアの役割や応募方法を説明し、ボランティアに参加する上での疑問や要望を当事者と講師が対話しながら進め、これらの結果を「組織委員会への3つ提案」としてまとめました。




[画像1: https://prtimes.jp/i/34736/9/resize/d34736-9-558126-0.jpg ]

【本セミナーの内容】

[画像2: https://prtimes.jp/i/34736/9/resize/d34736-9-811759-1.jpg ]

 あいにくの悪天候でしたが、会場には視覚障害者を中心に87名の参加者が集まりました。
セミナー冒頭では、筑波大学理療科教員養成施設の緒方昭広施設長より、「予想以上に多い参加者で、東京大会のボランティアに対する興味や関心の高さを実感している」と挨拶がありました。

【開催意図の説明】
[画像3: https://prtimes.jp/i/34736/9/resize/d34736-9-400309-2.jpg ]

次に元水泳のパラリンピアンであり、現在、東京2020大会組織委員会(以下、組織委員会)のアスリート委員会副委員長やボランティア検討委員会委員も兼任している河合純一さんから、本セミナーの開催意図が説明されました。
 東京2020大会は、「多様性と調和」をビジョンの一つに据えています。その実現にはボランティアも多様な人々で構成されるべきであり、障害のある人の参加が欠かせないことが説明されました。河合さんは、「パラリンピックの究極のゴールは誰もが生き生きと幸せを感じられる社会をつくること。そんな大会の運営に携わるボランティアに、ぜひ挑戦してほしい。皆で成功に向けて取り組み、成功に導けたという経験や達成感を皆で矜持したい。でも、エントリーに向けて、いろいろな疑問や質問があると思う。このセミナーでは答えられる範囲で答え、皆さんの希望が少しでも実現されるよう、僕も頑張りたい」と話し、積極的な参加を呼び掛けました。

【東京2020大会ボランティアの活動分野や応募方法についての説明】
 続いて、文教大学准教授で、ボラサポの二宮雅也参与より、今大会では組織委員会が募集する「大会ボランティア」と、競技会場となる自治体がそれぞれ募集する「都市ボランティア」の2種類があり、それぞれ8万人、3万人の計11万人が必要であること。さらに、それぞれの活動分野や内容などについても説明がありました。
また、ボランティアをする理由を尋ねた調査の結果として、日本では「困っている人を手助けしたい」が1位だったが、アメリカでは「地域や社会をよくしたい」、ドイツでは「新しい技術や能力、経験を身につけたい」が多いなど、「ボランティアにはさまざまな関わり方や楽しみ方がある」と紹介。「より多くの人がボランティアの可能性を理解して携わり楽しむ文化も、2020年の大会をきっかけに広がってほしい」と大会への期待感も示しました。
 東京大会には開催理由を示したビジョン「スポーツには世界と未来を変える力がある」と、3つの基本コンセプト、「すべての人が自己ベストを目指し(全員が自己ベスト)」、「一人ひとりが互いを認め合い(多様性と調和)」、「そして、未来につなげよう(未来への継承)」があることが説明し、大会のスタッフとして圧倒的多数を占めるボランティアには、このビジョンやコンセプトを理解し、大会成功の実現に貢献することが大きな役割であると、ボランティアの心がまえについても訴えました。
 さらに、「河合さんが話した、『多様性と調和』というコンセプトはボランティア活動でも適用される。多様な人々がそれぞれの強みを活かし、あるいはサポートし合いながら、活動することが期待されている。それは大会成功へのエネルギーでもあり、共生社会実現の第一歩にもなる。そのためには、ボランティア活動の環境づくりが重要」と強調しました。

【会場からの質疑応答(一部抜粋)】
[画像4: https://prtimes.jp/i/34736/9/resize/d34736-9-180879-4.jpg ]

 質疑応答では会場から多くの手が挙がり、活発なやりとりが展開されました。
Q.鍼灸・マッサージの専門資格や語学力を生かし、ボランティアとして活躍したいが、視覚障害により移動に困難がある。相談窓口などがあれば心強い。
A.採用プロセスで行われる面談で、必要なサポートや配慮について個別に伝えることができる。また、大会期間中のトラブルなどに対応できる体制を整備するよう検討中。
Q.過去大会における、視覚障害者によるボランティアの事例は?
A.車いすユーザーはチケット販売員や送迎ドライバーとして活躍した事例はあるが、視覚障害者の事例は少ない。だからこそ、今大会で日本がパイオニアとなり、新しいムーブメントのためのステップを構築することに意味がある。例えば、通訳やパソコンへのデータ入力といった役割も可能ではないか。鍼灸マッサージなどの専門技能については、選手は一般に専任トレーナーなどを帯同するので難しいかもしれないが、他に活躍できる可能性も考えたい。
Q.資格を活かし、例えば、交通機関を待つ間、観戦者にクイックマッサージでおもてなししたい。
A.いいアイデアの一つとして、組織委員会に提案する。
Q.視覚障害があり、単独での行動は難しいが、チームで活動するボランティア体制なら参加しやすい。
A.ボランティアはチームでの活動体制が基本。障害の有無や年齢など多様な人たちがチームを組み、助け合いながらよりよい活動ができれば、大会以降にも応用できるモデルになるのではと期待する。
Q.視覚障害者へのサポートや声かけの方法を指導する役割のボランティアもできそうだ。
A.ボランティアの研修会で、障害当事者から学ぶ機会を設定する方針。
Q.観戦者に競技説明をするボランティアがいれば、観戦もより楽しめるのでは?
A.会場での競技説明は障害のある人だけでなく、幅広い人たちにも有用。検討したい。
Q.視覚障害者はサポートする人と予め組んでボランティアができないか?
A.エントリーはそれぞれ個別で行う必要があるし、チームは採用された人で構成される。チームで協力する体制を研修等で徹底させる必要がある。大会ボランティアとは異なり、都市ボランティアは、自治体によってはチームでの応募が可能なところもある。

【組織委員会への3つの提案】
 最後に、本セミナーで活発に行われた質疑応答をもとに、「組織委員会への3つの提案」を作成し、講師を務めた二宮参与から発表されました。
1.体制の整備
 さまざまな障害者がボランティアに参加しやすいよう、チームとしてのボランティア体制やサポート体制を整備してほしい。(2012年ロンドン大会では、障害のあるボランティアをサポートするボランティアが配置されたという実例もある)
2.専門技術や知識の活用
 鍼灸マッサージなど、専門技術や知識を持つ人が力を発揮できるような場を作ってほしい
3.障害当事者から学ぶサポート等の研修
 ボランティア研修時に、障害者に対するサポート方法を障害当事者から学ぶ機会を設けてほしい

【「一般財団法人日本財団ボランティアサポートセンター」について】
[画像5: https://prtimes.jp/i/34736/9/resize/d34736-9-323365-5.png ]

 団体名:一般財団法人日本財団ボランティアサポートセンター
 所在地:〒107-0052 東京都港区赤坂1-2-2 日本財団ビル3階
 代表者:渡邉 一利(笹川スポーツ財団 理事長)
 設 立:2017年9月29日
 URL:https://www.volasapo.tokyo/index.html
 事 業:ボランティア育成事業(コンテンツ作成、講師育成など)
     気運醸成事業(ウェブサイト、映像製作など)
     ボランティア文化醸成事業(機会提供、マッチングなど)
     調査研究事業(平昌2018冬季大会ボランティア実態調査など)
 連絡先:TEL:03-6229-2615
     e-mail:info@volasapo.tokyo

【本リリースに関するお問い合わせ先】
 一般財団法人日本財団ボランティアサポートセンター
 事業部
 高橋(TEL:03-6229-2615 / e-mail:info@volasapo.tokyo)
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